One on One 35th note「Side by Side」ネタバレ感想

期間:2024/2/8(木)〜2/18(日)

劇場:赤坂RED/THEATER

 

あらすじ(公式サイトより)

ピンチはチャンス?冗談じゃない

ピンチはピンチ チャンスはチャンス

大逆転を起こせるか? ただ それだけ

f:id:omaenannyanenn:20240229053848j:image

 伏線という名の謎が明かされてあー!って膝を打つ瞬間が楽しい作品なので、まだご覧になっていない方は今すぐ配信を買ってください。しかし今日の21時まで販売なんですが果たして21時までに書き終わるのか?(追記)無理だったのでhttp://oneonone.shop-pro.jp/?pid=179392748: DVDを、買おう!!!こちらの記事は2/21から書いており、配信でお話を聞いたあとに加筆修正していますがしきれていない部分で時空の歪みが発生します。

 もうとにかく楽しかった!!一言にするとこれに尽きます。泰江和明さんのご出演を機に『コムロ探偵事務所シリーズ』どころか「One on One」に初めて足を運んだのですが、とても特別な作品になりました。脚本が当て書きであること、どころかセリフの数々が作・演出・音楽の浅井さんと泰江さんとのディスカッションにより生まれたということがあり、好きな俳優のとても歓迎できない現状がたくさん反映された作品。泰江さん演じるオオバヤシくんが懊悩する様を苦しいようなもどかしいような思いで見つつ、でも周りの力を借りて立ち直るオオバヤシくんの姿や「今ここに選んで立っているのが楽しくて仕方ない」と言うようなエネルギー溢れる泰江さんの姿に救われたり元気をもらったりしていました。わたしは泰江和明さんという人のオタクなのでこの感情は切っても切り離せないのですが、そういうことを考えず、あるいは知らずに観てもかなり楽しめる作品かと思います。何せお話の作りが丁寧で、物語を膨らませるための要素や仕掛けが随所に散りばめられていて、上手い。脚本としての完成度が秀でて高いのにセットと衣装で作り込まれた世界観、卓越した技術を持っている人しかいないキャスト、それらを補強する演出と演奏。キャッチーな音楽。ここは好みの問題かと思うのですが小説でいう地の文に当たる「説明」が大抵の場合、曲で進行するのもよかったです。歌詞に説明する・される登場人物の感情が組み込まれるのも単調にならずにかなり見やすい。説明台詞ってその舞台に通っていると正直話が聞けなくなったり飽きちゃったりこともあるんですが、おかげで最後までずっと全編楽しく観劇できました。以下キャストやキャラクターについてもう少し踏み込んだ感想で、ネタバレしかありません。

 

 

コムロ演:藤原祐規さん)

 偏屈な探偵で重度の花粉症。多分ツンデレ

 藤原さんは極上文学シリーズの「高瀬舟山椒大夫」で拝見して以来、2度目でした。あの作品9年前らしい。怖。高瀬舟の方で演じられていた庄兵衛の、自身が情熱を持てないことへの嘆き*1を濁流のように畳み掛けられて震撼したのがそれでも記憶に新しいので今回かなり楽しみにしていました。

「不器用な仏頂面」の変化が大袈裟でないのに顕著。アケチにワダくんが自分を心配していると聞かされたときの表情の緩み方、痛いところを突かれたときの気まずそうな雰囲気、2作品目がめちゃくちゃ面白かったと言われたときの嬉しそうな顔、慰めようとする際の力の籠った眼差しなど、ベースは変わらないのにそれでもコムロさんの感情がひしひしと伝わるようで、きっと事務所の面々はコムロ先生のこういう不器用さも愛しいのだろうなと思います。地味に「じゃあな、アケチ」「じゃあね、ロクちゃん」と、アケチの返答をしっかりと待ってから電話を切るところが好きでした。この「じゃあな、アケチ」の声色に込められている親愛も塩梅が絶妙で、聞くのが楽しみだったセリフの一つです。歌が歌として上手くて声が良いのはもちろんですが、歌い方が情緒的でセリフとして伝わってくるのが素敵。特にこの作品はキャストの全員がそういう歌い方をされているように聞こえました。「失敗する深呼吸」の苦さが特に好きで、印象に残っています。あとビヨーン!とした動きが面白すぎる。取り調べを受けている最中のコムロさんの顔も何度見ても面白くて結局最後まで笑ってしまいました。自分がマエクラさんやワダくん、コグレさんに与えられることに慣れてしまって彼らをある意味軽んじていたと気付かされたときの痛みや罪悪感を覚えた表情も印象的でした。オオバヤシくんはそんなコムロさんにとって身近な「初めて薬を飲んで世界が変わった(変わっている)人」だったのかもしれないな。今思いました。

 

ワダ(演:新正俊さん)

 探偵の助手をする傍らで小説を執筆している。目指せワトソン。

 新さんはお名前を度々拝見していたものの機会がなく、初めましてでした。声質と滑舌が良いので台詞が聞きやすく、視野が広くて頭の良い方なんだなという印象。何かアクシデントが起きたときにも瞬時に対応する冷静さがありながらお芝居に乗る感情が鮮やかですごかった。コムロ先生と2人のシーンは毎度痛みを感じるほどでした。

 愛らしく純粋に見える反面、言いたいことははっきりと口にする強さとマエクラさんに「ワダくんなんかイキイキしてるね」と言われた際に見せる悪戯っぽい笑顔が印象的。初日に「ここにいたら皆さんに甘えてしまうから」で泣いて顔を伏せてしまったオオバヤシくんがその顔を上げるまで待ってから「甘えちゃ、ダメなのかな」と言っていたのが特に記憶に残っています。

 ワダくんは受け手であるイメージが強かったように思います。そこも助手で、小説家っぽい。あと観てもないのにアレなんですがなるほどソシャゲの顔の見えない主人公にも向いているだろうなと思いました。個性の強いキャラクターたちに引けを取らない癖の強さと、確固たる意志、そして高い順応力。マエクラさんがフェイク動画を作ったと気づいたときにやんわりと本人にだけ気づいていることを伝える辺りがかなりツボ。恐らくマエクラさんはワダくんが気づいてもその場で暴くようなことはしないだろうと信用してコムロ先生がカップラーメンを食べようとするあの映像を使ったのでは……と思っています。「悪趣味な右腕さんが一体何を考えているのか」についても結局聞いてなさそうだし。そういう関係性もこの作品の好きなところの一つです。踏み込みすぎない心地よさがある。

 物語の終盤で機嫌の悪いコムロ先生と対峙する場面のワダくんの感情が公演によって毎回違っていて、楽しみなシーンのひとつでした。涙が出ちゃってたり(個人的には悲しみの涙というよりぶつけようのない感情が溢れたように見えました)千秋楽ではワダくんからそれまでにないくらいに怒を強めに感じたりと、その場で生まれた感情をぶつけているのが好きでした。

 

マエクラ(演:田村良太さん)

 コムロ探偵の右腕。趣味は盗聴とハッキングらしいけどあんまり初対面の人にそれ言わない方がいいと思う。

 田村さんも初めましての役者さんでした。ふとした表情や仕草、台詞回しになんだか異様*2に色気を感じた。お歌が堪能で特に高音が素敵に響いて聞こえます。田村さんがアフターライブの気まぐれな風のソロパートでめちゃくちゃアレンジを入れながら歌ってくれたのですがそのアレンジが入る度に泰江さんが声をあげて喜んで、それを皆さんでニコニコ見てるのがかわいかった。

 飄々としているように見えて胸の内にアツいものを秘めているようなキャラクターが好きなのでマエクラさん、とてもすごくかなりツボでした。「お前が本気だったことなんてあるのか?」と言われたときの「えー、コムロちゃんにもそう見えてた……」*3からの「ねえ僕の本気どうだった?」がまあ堪らなくて……。前作のFace to Faceをわたしは配信で一度見たきりなので詳細には覚えていないんですが(1作目も間に合わなくて見れず)、彼らの出会い、エピソードゼロは恐らくセバタさんのすり替えた茶碗を作ったのがマエクラさんで、ただ「才があるから」という理由で流されるがままに動いてきた彼がコムロ先生に「これを作ったのは誰だ」と怒鳴り込まれ、散々説教され、コムロ先生に興味を持った。そんな彼は3年もの間、情報屋と発明家としての腕を磨くために修行をしあの日名前も聞かなかった探偵の前に「ボクを雇って」と姿を現す──。みたいな経緯だったように思います。細かいところ間違えてたらごめんだけど「雇われるために3年修行してた」は合ってるはず。そんなん“““本気”””じゃん!!!そりゃ怒るぜ!?? 途中、確か14日の夜くらいからかな?もうちょっと前?「見たいって言ってたでしょ、僕の本気」に続いてコグレさんが気づく前にコムロ先生が「本気?」って聞き返してハッとしてたの、『鋭すぎる観察眼と推理力』で良い追加でした。

 コムロ先生に自身が使い込んでしまった大金について相談されていたアケチに、マエクラさんが何に使ったのか聞こうとして「知りたければ自分で調べれば?」と言われるシーンがあり、秘密って暴かれるものではなく信頼する相手に打ち明けるものではないのか……などと過ぎったんですが、『秘密主義』のコムロ先生がやろうと思えば『一瞬で調べられる男』を傍に置いている時点でそれは立派な信頼だよなあ。何に使ったかについて調べていたのはお話で出てくる通りですが、その後アケチとコムロ先生の関係が明らかになったときにマエクラさんは1人だけ知っていたような素振りを見せていたので*4完全に「ロクちゃんが望まないことは調べない主義」ではなくなったんだなーと思っていました。コムロ先生はドアを開けて踏み込まれることで失望や落胆されたくないと思っていて、マエクラさんは逆に踏み込むことで嫌われたり嫌がられたりするの怖がっていたのかなーとか。わかんないけど。そこにコムロ先生に遠慮なんてされたことがない、全てを許されている(ように見える)アケチが来てなんだこいつってなっちゃったのかな?という勝手な想像。ドライブレコーダーの映像*5を皆で見たあと、逮捕勾留の決め手になったと聞かされたときのマエクラさんの表情や態度がかなり好きでした。

 

コグレ(演:千田阿紗子さん)

 パピラ。事務所に出入りしている刑事。

 千田さんも初めましてだったんですが素敵だった〜。アニメみたいにくるくる変わる表情がかわいくて面白くて、そして歌声がめちゃくちゃ綺麗。あと声をあげて笑い出したオオバヤシくんに向ける優しい顔がすごく記憶に残っていて、あの表情を思い出すと泣きそうになるし何なら今マジで泣いています。*6OPでコグレさんがオオバヤシくんの車椅子を急に押したときの表情も無償の優しさや愛みたいなものを感じて大好きです。あそこで片足を跳ね上げるのもかわいい。

 コグレさんの「放っておけないのよね」という台詞と言い方が特に好きです。コムロ先生のそういうところを理解して傍にいるんだろうなという感じがして。その信頼が窺い知れる「先生が人を突き落とすようなことする訳ないって思うし」も好きで、これも思い出すと涙が出てくるシーンです。今書いてて思ったけどワダくんが特に心配してなさそうだったのも先生の潔白を信じていたからか。遅。刑事として公正な判断をしなければいけないと悩むコグレさんにワダくんが励ますような言葉をかけない辺り、大人の繋がりって感じが強くて本当に良い関係性だなと思います。関係性と言えば「自覚してください!」からの流れもやっぱり大好き。謝りたくても素直に謝れないコムロ先生にああいう形で赦しと気づきを与えるみたいな。大層な言い方になってしまいましたが。「チョーメイワクゥ」のあとのふんっがワダくんとマエクラさんにねーっ?って言うのに変わってた回があってあれもかわいかったです。ところでコグレさんの髪型*7もオオバヤシくんが花粉研究者*8になったのもその場の勢いらしいのにパピラの形とコグレさんのシルエットが一致したの凄すぎる。アケチが「君がコグレ警部補か。確かにパピラそっくりだ!」って言ったところでオオバヤシくんが全身を大きく早く使ってブン!!!って真顔で頷くのが好きだったんですが配信には入ってなかった。あれ勢い怖すぎる。アケチ、奥の部屋でパピラについてオオバヤシくんに散々聞かされてたんだろうな……というのが垣間見えて良いですよね。ところでいつかの公演の挨拶で千田さんが「あんなに自分の顔が大きく印刷されたのは初めて」「あの布どうするんですか?って皆に聞かれるんですけど公演が終わったら持って帰ろうと思います」というようなことを仰ってたんですが、浅井さんとの配信曰く本当に持ち帰られたらしいです。良かった(?)

 

オオバヤシ(演:泰江和明さん)
 泰江さんのファンで良かったなあ。出演作を観る度にそう思ってるけど今回はこの作品に出会えたことがあって、その気持ちが特に強かったです。こんなに千秋楽が寂しい舞台は久しぶりでした。毎日毎日新鮮に楽しくて、苦しくて、面白くて、ジェットコースターに乗ってるみたいでした。ほんと楽しかったー!!!オオバヤシくんだけ急にめちゃくちゃ長くなるんですが、一番特別で一番好きで一番観ていてそれだけ考えていた時間も長いのでご容赦ください。(?)

 泰江さんは左足を怪我されていると聞いていたのでどう出てくるのか考えていたら車椅子で初見は力技だ!!と思いました。わたしはあんまりショックではなくて、なるほどなーと思っちゃった。でもその怪我が取ってつけたような設定じゃなくてちゃんとお話の最後まで活きるのが面白いし、本当にすごい脚本だなとつくづく感じます。それぞれの登場人物の持つ要素が物語の中でオムニバス的に固まるんじゃなく、点在して絡まっているのであとから繋がっていくのが気持ちいい。初めの方で書いた通りオオバヤシくんは泰江さんの現状が如実に反映されているとのことで、「やりたいことだったはずなんですけど……」と「どんな仕事でも上手くいかないことはあるよ」という台詞が結構ナイフでした(結構ナイフ)。あとオオバヤシくんが母子家庭で、泰江さんも聞くに母子家庭でちょーお母さんっ子(本人談)らしいので「母さん聞いて!」のシーンは重なって仕方がなくて、オオバヤシくんが泰江さんくらいお母さんを大事に思ってたらそんな、しかも病床に臥せっている母親を置いて自殺未遂をしたかもしれないなんて耐えられないのでは……と考えてました。勝手に。そこと発見をしたオオバヤシくんの瞳がキラキラと輝いているのに、顔を上げた瞬間に瞳が翳って、実用化は難しいという判断に至ったシーンに移り変わっているところが好きです。髪と瞼の開き具合で入る光を調整している……。その前の「調査内容オオバヤシ青年について」ははっきり目を開いてるけど内側からの発光はなく、ただ光を反射するガラス玉みたいになっているところも合わせて好きでした。あのコムロ先生と縦に並んでるところ漫画の扉絵っぽくて格好いい。探偵モノみたい!(探偵モノです)

 そういえば「事務所に来ないか、君の身の安全は保証する」と連れて来られたオオバヤシくん、ワダくんが「もしかして誰かに狙われているとか……!?」って口にしたときに3日目くらいからかな?「えっ……?」って神妙に聞き返すようになってて、コイツもしかしてその発想もなかったのにノコノコ病院から出てきたのか!?骨折までしたのに!?!と思ってたんですが(口の悪さイエローカード2枚)、あれって恐らくお母さんが入院して一人暮らし中のオオバヤシくんは「自分が自殺をしないように見張ってくれる人が必要」で、だからコムロ先生について行ったのかもなあ。あの時点でワダくんとマエクラさんとコグレさんにとって転落した原因は事故or事件(不注意or傷害)だけど、オオバヤシくんにとってはもうひとつの可能性があって、それが一番の懸念だっただろうと思うので。オオバヤシくんも一緒に歌ってたから気がつかなかった。いや全然的外れな可能性もありますが。

 ぶっちゃけ記者会見のところでメンソーの社長と吉平がオオバヤシくんをどうしようとしていたのかを洗いざらい喋ったら駄目かなと考えていたんですが、「社長には謝られました」と庇う言葉が出てくる辺りオオバヤシくんの望むところではないのかもなあとも。あとまあ多分流石に(わたしが)野暮。しかし社長にとって自分の弱みを握っているに等しいオオバヤシくんが会社に戻ってくるのは結構恐ろしいのではと思っていたのですが、良く良く考えたら手元に置いておかないと何されるか分かったものじゃなくてそっちの方がよっぽど怖いですね。それなら戻ってきてもらって給与に色つけた方がまだ安心できそうだし(社長はめちゃくちゃ保身的に見えるので……)自分で呼んだのかな。何にせよメンソーで研究を続けることを選んだのはオオバヤシくんで、そこはもう揺るがないと思いますが。

 潜入したワダくんがめちゃくちゃ棒読みなのを聞いたオオバヤシくんがぱかっと口を開けて愕然としていたのがかなり好き。お話のメインではないのでそりゃそうと言えばそうなんですが、ここも配信に入ってなくてちょっと寂しい。そういえばあそこの次のシーンでコグレさんとワダくんがスーツカバー?をバサバサやって見せつけてるのも好きです。かわいい。役に入ったときの、感情が滲み出るどころか感情そのものがそのまま表れているみたいな泰江さんの歌声がすごく好きで、作戦が成功したあとの気まぐれな風があんまり晴れやかなのでそれに胸が打たれて泣きました。今思い出したから唐突に書くんですが(メチャクチャ)コムロ先生が薬を飲むのを皆で見守ってから歌い出す、あの空気感も好きで毎回更に泣いてたなあ。素敵な作品だほんと。

 あとこれはどうでもいいんですが初日もっと元気そうに動く泰江さんを見て泣いちゃうかなと思っていたら、泣いたは泣いたけどオオバヤシくんのかわいさに脳が破壊されて帰ってきたのが忘れられません。しゅごいでしょ!?を当て書きされる29歳男性実は肩幅広め。←これ台本ではすごいでしょ!?だったところが稽古中に噛んじゃってそうなったらしいです。*9いやそっちの方が何なんだ。ざーっつらい♫で明らかに今かわいいと思った人の声が客席から上がるのが面白かったです。でもあれはかわいい。しかしあれだけ凄さを皆に分かって欲しがってた花粉のことを憎むようになってしまったの、面白いけどやっぱりちょっと切なかった。「花粉をこの世から〜」のシーンの表情シンプル獰猛だし。追記ですが浅井さんと千田さんの配信で浅井さんが「(オオバヤシくんは)パピラのことはそれでもかわいいと思ってると思う」って言ってくださっててなんだか嬉しかったです。花粉自体はまあともかくあんなにキラキラ楽しそうに語ってくれたパピラを嫌いになっちゃったんだとしたら悲しかったので……。

 その配信でさせて頂いたこちらの質問なんですが(名前が読みにくくてすみません)、これ「(最終稿での)オオバヤシくんにとって、この世から花粉が消えてしまうのは“嫌なこと”ではないのかな?」という意味でした。浅井さんのノートは拝読していたので元々原案からの流れだったということは理解していたのですが、言葉が足りなかった。でもまあ花粉症が製薬会社とのマッチポンプ説である置いておいても*10日本全土のスギ花粉が殲滅されることは恐らくないだろうし、莫大な利益が生じる発見なのを理解してそっちをとりあえず優先したのかな。あ。わたしは観ながらずっとオオバヤシくんはこんなに好きなパピラの観測が新たにできなくなってもいいのかな?という疑問があったんですが、今書いていてそれってすごく「俳優のオタク」的な視点なのかもしれないなと思いました。研究者の視点で見ればまた違う感覚があるのかも。

 コムロ先生が破ろうとしていた吉平の名刺をオオバヤシくんが手にして破る、というシーンがあって、恐らくベースはコムロ先生に車椅子で近づいてひったくり千切るというものだったのですが、ここも毎公演細かく違ってその瞬間に産まれた情動のまま動いている様がオオバヤシくんの生をリアルに感じられて好きでした。Side by Sideはキャストの方みんなそうで、観ている内に覚えたセリフの聞こえ方も感じ方もその公演によって全然違って、それがセッションみたいで楽しかったんですが。手を伸ばしてコムロ先生が名刺を渡してくれるまで待ったり(その日下手だったので先生の表情は見えなかったんですが、そこですぐ渡さないで逡巡する素振りを見せていたのも良かった)、動く前に「待って」って周りに聞こえるか聞こえないか分からないくらい小さな声でか細く呟いたり、配信であったように車椅子から立ったり(ワダくんが驚きながらオオバヤシくんの体を支えてくれるの大好きです)、特に千秋楽で破ろうとしたコムロ先生の手に手を重ねて一緒に破ったのが一番心に来ました。

 ごめんあとこれだけ言わせて!!記者会見が終わってアケチとコムロ先生の回想に入る前のオオバヤシくんの、抜け落ちた記憶──って歌い出すときの表情や歌声に苦しそう、というか苦しい感情そのものを差し出されているような感覚があって、後半はずっと胸が押し潰されそうになって逆に涙も出てこなかったです。確か16日から歌う前にオオバヤシくんが慟哭するようになっていたんですが(配信の17夜は何度も左膝を叩きつけていてそれもしんどかった)、そうでなくても歌に入れない日に演奏のはんださんがそれを待ってくださっているのが分かって、それって生演奏ならではのことだし、あの瞬間みんなでオオバヤシくんという人間の表現をしてくれていたんだ……みたいな感慨がありました。*11コムロ先生のどこかのシーンでも似たようなことがあって、演奏のことは全然わからないんですがはんださんが役者さんに息を合わせるのもお上手なのだろうなと思います。最後はんださんの話になった。

 

アケチ(演:佐々木崇さん)

 アケT。脳と心のお医者さん。

 佐々木さんは某ショーと新テニミュシリーズ、リビングルームミュージカル、わたしの幸せな結婚で拝見しています。泰江さんと3連続共演で嬉しい。今回もすごく楽しみでした。佐々木さんを拝見した中で一番鮮烈な記憶はやっぱり新テニミュsecondの鬼VS平等院と、リビングルームミュージカルでそんな鬼を演じた岡本さんが歌い、佐々木さんが踊った『エリザベート』の「最後のダンス」です。しなやかに蠢く手足がまるで追い立てるようで、ただただ圧巻でした。あんな目も口も開きっぱなしで1曲聞く(見る)経験って滅多にない。2年前の夏のことですが、結構な頻度で思い出します。

 アケチと言ったらカメラアイ、というくらい大切な設定ですが、かつてその能力のことでコムロ先生に救われたアケチがその能力でコムロ先生(と皆)を救う構図になるの、良すぎる〜〜ッッ あの手帳を拾い上げて記憶するまでの流れ、格好良すぎますよね……。そういえばアケチのスタイル(劇中では「スタンス」と言われていましたが)について言及するようなシーンがありましたが、手帳をファントム20より早く拾えたり人より速く走れそうだったり、そういう佐々木さんならでは、みたいなものがあるとなんと言うか視覚からのリアリティみたいなものが増して、よりキャラクターたちの実存性が感じられる気がします。大丈夫?この感想は時代に逆行してないですか?俳優さんが演じていたキャラクターをキャスト変更することなく、消すでもなく、物語のそれもかなり重要な部分にその存在を関わらせているあたりにもわたしはその実存性を強く感じていて。普通舞台って千秋楽が終わったら全部が幻みたいに消えてしまうのに、まだどこかの世界で生活をしているような、そんな感覚が彼らにはあります。それが嬉しくて愛しい。

 アケチとオオバヤシくんの「君を引き抜いてくれた恩人が企業価値を優先して君を切ることを提案した?なんか矛盾してる」「それがビジネスなんですよ」というやり取りや、「でもオオバヤシくんは進言してたんだよ!?」で結構子どもっぽいことを言うんだなとちょっと意外でした。最初の怪しさからもう少しシビアな人に見えていたので。でも藤原さんFC『ふじけあそなが』の佐々木さんゲスト回配信を視聴して、アケチはとにかく優しいので利己的な人があんまり理解できないのかな〜という印象に。そりゃ脳科学の道にずるずる進むし電話の相手に「大丈夫ですよ、もう大人なんで」と言わされるくらい心配されるかもしれない……。お兄ちゃんちょっと10年も会ってなくて大丈夫ですか?他人の悪意に鈍感というか善性を信じすぎてはいないか?そうやって自分を守ってきたのか?(論理の飛躍) と言ってもなんだかんだ周りにかわいがられてやってそうだけど。電話の相手もその筆頭なのかも。愛され兄弟たち……。最初どうも〜!怪しいで〜す!みたいな感じで出てきたアケチの挙動が全部お兄ちゃんの現状とその周囲に興味津々な弟ムーブだったのがかわいい。後日談で本を読むコムロ先生の後ろにいるアケチが早くページめくってよーみたいな感じで急かし、コムロ先生が鬱陶しそうに眉を顰めながら無視する、というのを隅にあるデスクでやっていたのもかわいかったです。

 そしてやっぱり『水の記憶』という曲。途中ロクちゃんことコムロ先生への悪口をつらつらと並べるアケチの歌声と表情から滲み出るコムロ先生への愛情があまりにも優しく伝わってきて、毎公演心が揺さぶられて泣いてしまうシーンのひとつでした。ここの直前が個人的に今作品で最も摩耗するオオバヤシくんのシーンなのですが、(ただ見てるだけなのに)心身ともに全力疾走したあとのような状態の中でもアケチが記憶に引き込んでくれるので、しっかりアケチやコムロ先生とその関係について思いを馳せることができて良かったです。それでも入りの虫の声みたいなのが聞こえる度にあと2分待って!と思ってたけど。忘れたくても忘れられない『アケチのソロ曲』が「俺は全部覚えてる」という歌詞で終わるのも美しいですよね。きっとアケチにとってコムロ先生からのあの「逃げればいい」って言葉って本当に特別で、留置場での「俺は全部覚えてる。あの日ロクちゃんが差し出してくれた、傘の柄まで」って物語上での役割は伏線かと思いますが、アケチ自身はきっと今更コムロ先生に対して記憶力の良さを誇りたくて言ったわけじゃなくて。“全部覚えてしまう”アケチの、“覚えたくて覚えている記憶”なんだろうなと感じました。取り出したい記憶と言うか。

 あと彼の人物像として、足が他人より速いことを優位に感じない人なんだなあというのをハンデ云々の話を聞きながら考えていました。カメラアイのせいで「出る杭は打たれる」を経験してしまったせいなのかなとも思ったり。日本から出て良かったね……。ラストの「うわーっ!グレコちゃん今のカッコいいもう1回やって!」ってはしゃぎながら真似してるアケチが好きです。かわいい。

 

 脚本についてこちらXでポストしたのとほぼ同じ文ですが、シリーズ物にも関わらず例えば最初にアケチが本を手にして「コムロ探偵事務所エピソードゼロ」と口にする→その後改めて「エピソードゼロが小説である」ということをマエクラとワダの会話で示す→アケチが「エピソードゼロを見た」と言う部分など、 違和感を持つタイミングがシリーズ初見とそれまでの作品を見ている人でズレが生じないように上手く調整されているのでかなり見やすかったです。そういう仕掛けが散りばめられつつお話はしっかりと且つコミカルに展開していくのがすごい。観ていてあそこはどうなったんだろう?この人さっきと言ってること違わない?みたいな引っかかりが全くなく、最後に畳み掛けるように伏線が次々に解消されていくのが気持ち良かったです。浅井さんと千田さんの同時視聴配信を拝見していたとき浅井さんがここ好き!ってたくさん仰ってて、そのツボが全部同じなのでだからこんなに良い作品なんだな〜!って嬉しくなりました。作り手の好きがいっぱい詰まってる作品は最高!

 楽しくて面白くて優しくて、帰ったあとでも思い返すと自然と笑顔になる、そんな舞台でした。このタイミングで観られたことに大きな意味と喜びを感じています。数公演だけあったアフターライブでは3曲披露してくださり、3曲目だけ動画撮影可能でした。これが後生に残らないのは勿体なさすぎる!!と思っていたのでDVDに収録されることになって嬉し〜。DVDも楽しみです。

こちらその3曲目の様子。確かこの回H列のセンターでめちゃくちゃ見やすかったです。動画見たら泣けてきてしまった。コムロ探偵事務所の皆に会いたい。本当にいとしい人たちです。どうかまた会えますように、希望と期待を込めて。

*1:実際は庄兵衛の台詞ではなく森鴎外のエッセイからの引用だったはず

*2:超良い意味です

*3:ここ割と毎日言い回しが細かく違ってて「そう思ってた」の日もありました

*4:「知ってました!?」って聞かれたときも「知ってた」って言ってたはず

*5:ところで車の持ち主がいない問題はどうなってたんだろう

*6:わたしの涙腺は蛇口です

*7:https://x.com/sayachin_asai/status/1760102515100750130?s=20

*8:https://x.com/sayachin_asai/status/1759364351323234306?s=20、1枚目ALTより

*9:泰江和明FC LIVE配信#8より

*10:わたしは花粉症じゃないのであんまり詳しくないんですが

*11:普段からそうなんだろうけど照明さんや音響さんは見えないので

2022年度爪まとめ

今年編。2022年9月〜2023年8月まで。今年と言いつつ年が明けてしまいました。

 

f:id:omaenannyanenn:20240116031646j:image

4週ごとに通っているので周期の関係で9月と言いつつ10月のレボライ直前に。炎を描いてもらうことしか決めてなかった割にかわいく仕上がったな〜と思っています。かわいい。左右同じデザインでもアシメが好きです。

 

アクリルは岩城くんのオタクの子とその友達の坪倉くんのオタクがいたので3人でお名前を作りました。というやつ。

f:id:omaenannyanenn:20240116032042j:image

もうあんまり覚えてないんですけど確かテーマが紙芝居なので基本白ベース、題材になるお話が若草物語と三銃士だったのでなんかそれっぽいかなと思ってアンティークネイルにしてもらったんだと思います。石も三銃士の仲間を意識した色味にできてよかった。

 

泰江さんのバースデーイベント。親指にイベントのロゴを描いてもらいました。ロゴがふんわりお花って感じだったのでそっちの方が雰囲気に合うかな〜と珍しくマット。通っているサロンにただの青のジェルがないことは知っていたので買ってから行きました。そのあと色味をそれっぽく調節してもらった。チェックの部分もベースは同じ青のジェルだったはず。

 

なんかそうらしいです。進撃の巨人に合わせたネイルにしようと思ったんだけどどうしたらいいか全く分からなくて普通に趣味に走っただけのやつ。あとフォロワーの影響でツイードネイルがやりたかった。進撃を知ってる人に泰江さんがマルコになるんだよ〜と言ってはああ……とそれこそどうしたらいいのか分からないような微笑みを返されて来ていたので、とりあえず赤を基調にすることと天使を入れることは決めてました。

 

かわいいやつ。ちょうど現場が被らない時期だったので好きにしました。マグネットが好きだしマグネット+ちょっとしたアレンジはもっと好き。確か親指に乗ってるハートが3Dで薬指のがパーツです。

 

お花が理想以上にかわいくて嬉しかったので全てを大浮かれで載せている。ぽこぽこネイルです。色味が薄いけどそれぞれ黄色と紫のミラー。ぐんにゃりした形がダリっぽいのか?みたいな安直さでやりました。ゴテゴテが続くとシンプルにしたくなるのもあるし他の手が浮かばなかったのもある。

 

耳が飛び出てるのさえ愛しかった。ポチャッコ……。苺は普通に関係ないけど大きいパーツ(ポチャッコ)とのバランスを取るために乗せてもらいました。前回の3Dポチャッコはインスタで見つけためちゃくちゃ上手い方がたまたまオーダー受け付けてたのでお願いしたんですが、今回はサロンで作ってもらいました。よく作ってらっしゃるだけあってかわいい。リボンの下にパールが縦に点々と並んでいるのはタキシード意識です。サンリオ男子のタキシード大好き!!

 

本当に急拵えすぎてあんまり言うことがない。

 

なんか確かこのときこの猫のシールを使いたかったのに持っていくのを忘れてて、どうしようもなかったのであとからシールとパーツを自分で付けた記憶があります。確か左手の親指と右手の人差し指と小指のはず。確か。三毛猫もうちょっとオレンジだよ〜と思ったけど最終的にまあいっかってなったし今もまあ黄色の方が親和性あってかわいいな…クロの色だしな…と思っています。

 

まほステ……。仕事で2週目に行こうと思っていたら3度目のコロナ陽性になってしまい行けず。吟遊詩人役で、吟遊詩人ってなんやねんと思いながらアンティークネイルに。なんかそういうイメージだったので月とか星とかも描いてもらってその上からゴールドのミラーをしてもらっています。ベースは白に青っぽいミラー。この吟遊詩人のビジュがフォロワーに「純欲メイク」って言われてたのまだ好き。

 

f:id:omaenannyanenn:20240116151320j:image

わたしは美世なので(錯乱)柔らかくて大人しくてかわいらしいデザインがいいな〜と思って選びました。フレンチの部分はピンクに近いラベンダーです。小花が桜っぽくもあるのではと思ってお気に入り。親指は余白が出ることを心配してネイリストのマリ(仮名)がリボンを乗せてくれたのですが、ちょっと美世よりメシアっぽくなってしまった。つまり超好きってこと🎵(よかったね)

 

これで今回ラスト。実は上のときからマリ(仮名)の調子が芳しくなかったため、オフとラメグラデと薬指のリボンパーツのみの施術でした。調子が芳しくないのにそれを45分で終わらせるマリ(仮名)ってやっぱり最高……。と、そういう事情で帰宅してからシールだのパーツだのを見よう見まねで付けました。確かこのときもうすぐサーステだ〜と思って浮かれて買ったシールが届いたから入江にしようと思ったはず。入江です。

 

懇ろネイリストのマリ(仮名)は個人サロンをやっていて徐々に回復はしているらしいものの復帰はまだなので、未だに代わるような理想のサロンを探しています。でもオフ込みのやりたい放題で8,000円切ってオフ含む施術が早くて持ち込みをめちゃくちゃ容認してくれてオタクの話ができる(これは別に必須ではない)サロンって他にないよ〜。毎月割と困っている。大阪でいいところあったら教えてください。終わり。

遠征毎日メイクの話

現場のときはなるべく毎日変えたい派なのでその時点で「毎日メイク」ではないんですが。どんな化粧したくなるか分からないし…と思って山盛り持っていきました。荷物を軽くしようとするのは諦めています。コンタクトケースの片方に下地、もう片方にファンデを入れる方法もあるんですが、このときは10日間の滞在だったので。2日目までちゃんと何をどうしたか書いてたんですが、3日目くらいから割と忙しくてどんなことをしたのか忘れたので途中まで書いて放置してました。メモ取っておけば良かった。なので2日目より先はどの日にどれかは分からないけどたぶんこういう使い方をしたんだろうな…で行きます。なお8月の話です。

f:id:omaenannyanenn:20230814142509j:image

雑多すぎる。ベースメイクは共通。

下地の良し悪しがいまいちよく分かってないまま使っています。夏でも崩れにくいのは良い下地なんだと思う。よく分からんけど。伸びて崩れにくくてトーンアップします。

クマ、小鼻の赤み消しとシェーディングに使用しています。色を混ぜて使えるのがいい感じ。伸ばすよりその場で叩き込んだ方が綺麗に隠れます。

色番もこれ。1番ピンクで2番目に明るい色味です。色だけ見ると#6602の方が明るく見えるんですが仕上がりは#6601の方が明るくなる。ちょっと明るめの仕上がりが好きなのでこちらを使っています。ワンプッシュがビビるほど少量なのですがその少量でビビるほどカバーできます。くすまないし透明感のある仕上がりになるところが好き。

ツヤ系が好き!って言ったらフォロワーが誕生日にくれました。現場の日にだけ大事に使っています。化粧したてでも崩れてもフィルターをかけたみたいな肌になれる。ピンク黄色水色茶色の配色も好き。かわいい。

韓国で叔母にもらいました。フェイスラインと顎に入れています。本当にブラウンが発色しない上に重ねると汚れのようになって終わってしまう肌をしているので鼻などには使いません。

 

1日目

いちばん使い込んでるパレットかもしれない。

f:id:omaenannyanenn:20230814142925j:image

右端上をずっとベースとして使っていたのですが、使い切ってしまったので最近は左端下をアイホール全体に入れています。下段の右から2番目で陰影をつけて上段中央のゴールドラメ、その1個左の多色ラメ、その1個下の多色ラメを混ぜて涙袋と黒目の上辺り。あと左端上がクマ隠しに良い色なのでコンシーラーの上から更に被せることもあります。その左端上と右端下の濃い色を混ぜて涙袋の1/3より下に入れてぼかして陰にしたり。あと適当に色を混ぜてその日使ったシャドウと色味を寄せた茶系の眉を描いています。

Amazonのリンクを貼ってますがメガ割期間中にQoo10で1+1のものを買うのがおすすめです。カールキープ+睫毛がコーティングされて太さの出る下地がこのピンク。もう1つの水色っぽいのが繊維の入ってるロングタイプのマスカラ下地です。併せ使いすると短い・細い・少ない悲しみの睫毛にこんなポテンシャルがあったのか…と驚くくらい睫毛が最強になる。ただめっちゃ落としづらくなるのでマスカラリムーバーはあった方がいいです。長く使えるのでコスパはめちゃくちゃ良いんですが、古くなってくるとロングの繊維がちょっとダマになりやすいのでホットビューラーもあった方がいいかも。睫毛を盛るために手段は選ばないけど双眼鏡の邪魔になるので付け睫毛したくない人向け。これは他の日も共通なので次以降は省略します。

バズっただけあるマスカラ。何年もカラーマスカラばっかり使っていたら反動か時流か、最近黒のマスカラに良く手が伸びます。淡い色のアイシャドウに黒のマスカラの組み合わせかわいいですよね。スカイハイ、睫毛がよく伸びて嬉しい。

色がかわいい。淡いシャドウだとその色が映えていいですね。新幹線の中で隣に座っていた反ワクのお爺さんが資料を作ってるのを見ながら化粧をしていたのであんまり覚えてないのですが、目玉の上だけを避けて目尻数センチ出しつつアイラインを引いた気がします。

一生なくならないチーク。これもフォロワーが誕生日にくれました。一生添い遂げるからな。溶け込むように発色するので調整が自在です。ピンクメイクのときは大体これ。なのに5年使ってもなくならない。なんでなんだ。

Amazonになかった。Dreamyの方です。白ベースにピンクや紫色のパールがぎっしり入ったハイライトです。透明感が出てかわいい。

この日のハイライトは上のリリーバイレッドの方だったのですが、これを激細の筆に取って涙袋のここがぷっくりしてるかな〜というところに短く細くシャッと引きました。最近は一応ある涙袋をどうやったらより立体的に見えるか試行錯誤しています。

めちゃくちゃ飲み物を飲むので落ちないかと言えば微妙なのですが割と重宝しています。粘膜色系リップ。

 

2日目

なんか表示されなかったんですが02のオレンジの方を持って来ています。

f:id:omaenannyanenn:20230814153003j:image

粉が細かすぎてブラシで取ると結構舞うんですがその分密着力は高めです。右エリアの左上をベースにその下とその右で陰影と涙袋の影を作ったら濃いブラウンがマジで濃くてビビったのでベースの色でぼかしました。ハートの外側のハイライトと左エリアの上段2つを混ぜて涙袋に使いました。

塗りやすい上に重ねても重ねてもダマにならなくてかなり好き。ブラックも欲しいな〜と思いつつまだカーリングのブラウンのストックが家にある…。

何本目か忘れた。いつもはアイラインを細くするために睫毛を仕上げてから引くんですが、シャドウもマスカラも柔らかい色味なので先に引きました。

赤い。オレンジチークのつもりで買ったら思ったより赤かったけど日焼けしちゃった感が出てこれはこれで良かった。わたしが塗ると割とニュートラルめな色味に発色します。彩度の高い色なので深くない色たちで秋メイクするときにも入れたい。

冬ビビ的粘膜色。は冗談としても実際かなりちょうど良いフューシャピンクです。公式的にはピンクレッドらしい。わたしは冬春のベースまたぎなので青みすぎても浮くのですが、透け感があるからか問題なく使えます。もうすぐ使い切るな…と思って2ヶ月は経つ気がする。ただ塗っていると唇の表皮がふやけて落ちてくる感覚があるので、成分自体はそこまで合ってないんだろうなとは思っています。そのせいか落ちにくさもそんなに実感してませんが色が好きだからほぼ毎日使う。

2日目終わり。ここから覚えてないのでイカしたメンバー紹介です。

わたしが持ってるのは旧パケの方。左上のマットなブラウンが時間経過でくすんで変色しまうので使い方に困っています。アイホールに塗りたいけど…という感じ。でも今画像見てて思ったけど左下のラメを下に敷けばもしかしたらいけるかもしれない。ちょっと明日やります。あと涙袋の陰とか書くのにもちょうどいいかも。1日目のクリオのパレットを使い終わったら代用できるかもしれません。結構思いつくやんけ。右下のピンクバームがかわいくて、それ使いたさに持って行きました。

起きて上記の太字のやり方を試し、それを軸に持って行ったもので組んだので擬似的にこれを3日目とします。まず右下以外を触るのが久しぶりすぎて完全に忘れてたんですが、左下のラメの質感がぷにっとさらっとしてるやつでした。ハイライトにたまにあるやつ。なんて言うんだっけ。それを指で全体に伸ばしてからラメを透かせるように左上のマットをブラシでグラデーションにし、目尻のアイホールと眉下の間に右下のピンクバームを塗りました。締め色を使う気分じゃなかったので右上は涙袋の陰に。今思ったけどこの塗り方みたいなの皆興味あんのかな。なかったらここまで読まないか😄‼️

やってみたものの手持ちのコンシーラーでは全くクマが隠れずに全体的に暗くなってしまったので、やっぱりわたしには色が合ってるとは言えないっぽいです。逆にスモーキーメイクとかしたいときにベースに使うのはいいかもしれない。あとオレンジ系のコンシーラーを持っていればまた違ったかも。1日目のクリオのさプロアイパレットのラメ3色を混ぜて1日目と同じように黒目の上と涙袋に入れて、下段中央のラメ入りピンクで下瞼の粘膜を拡張して*1アイシャドウはおしまい。時間経過でくすむことはなかったです。

使った色がAmazonになかった。チェリーピンクです。これとテラコッタピンクのリニューアル前のものを持っています。テラコッタピンクはアニメの大和部長の髪色に似ている。シャドウが苦手な色なので他を得意な色で纏める方向に。リニューアル後のものは分かりませんがブラシが細くて塗りやすく、かわいい色が睫毛にしっかりと乗る以上の特徴はあんまりないマスカラです。特に伸びなければカールもキープされない。でもかわいいのでOKです。

上のチェリーピンクと色味が似ている。現場で泊まったときにアイライナーを忘れてフォロワーに貸して貰ったらかわいかったので買いました。キャンメイククリーミータッチライナー以上に擦れに強いアイライナーを知らない。韓国から現場に直行する際に化粧ポーチを忘れたのでフルメイク分一式購入したんですが、アイライナーはそのオリーブヤング*2中のもの全て試してみても勝てず、東京着いたらマツキヨで買うか…になりました。

コンシーラーだけではどうしようもなかったのでクマの上から直接指でいきました。上からチークとパウダーを重ねることも考慮しつつ濃いめに頬の三角ゾーンにも。これを同じセザンヌのハイライトの01でやったら光りすぎてエラいことになると思います。肌なじみのいい04だからできる。あとは鼻根部分とか。三角ゾーンにハイライトを入れたときはその内側に、具体的に言うと眉尻から唇を繋いだ外側には塗らないようにします。変に光らせると膨張して見える気がするので。

チークは1日目のローラメルシエをブラシに薄く取って余分な粉を叩き落としてからハイライトの上に重ね、リップは2日目のリップモンスターです。リップどうせ見えないしな〜と思って2本しか持って行かなかった。

擬似的4日目。

いちばん最初の画像には映ってないんですがこれも旧パケの方を持って行きました。左上のメインカラーがちゃんとオレンジなんだけどくすんでいるのでオレンジメイクに良くあるジューシーな印象ではなく、雰囲気ある感じの仕上がりにしてくれるところが気に入っています。夕焼けっぽいアンニュイさと言うか。でも他の人のレビューを見る限りイエベの人やくすみが苦手でない人はそこまででもないかも。他にない色なのは間違いないんだけど。左上の色を上瞼のキワから上方向に広げてグラデーションにします。下瞼は範囲も狭いのでガッツリ塗っちゃう。右上のラメの入った締め色を上と下のキワに目頭から目尻まで囲うように塗って、左下のゴールドラメを瞼の真ん中に指で塗りました。右下のハイライトをいつもの部分に入れてからそういえばベージュ〜ゴールド系のシャドウはいけるけどハイライトは無理だったことを思い出します。擬似的4日目としましたが別にこんなメイクが必要な場面(?)ではなかったので実際の現場ではもう少しオーソドックスな塗り方をしています。この日はママナイの衣装合わせだったので……(演者?)

このシャドウには黒いマスカラを合わせてこそだと思っています。赤〜ボルドー系でもかわいいんだけど。エチュードのマスカラ下地→メイベリンのスカイハイで伸ばしたあとにこれのコーム部分で束を作ると3ない運動まつげもバッチバチになる。たぶんピンセットとか使うよりコツいらずです。わたしはこれ単体や下地との併用だけだとちょっと物足りなかった。睫毛バチバチなのが好きなくせに自睫毛がスカスカすぎるせいです。

目尻というか目尻からはみ出したところだけに引いて、目頭から目尻はキャンメイククリーミータッチライナー07で埋めました。でも恐らく持って行った用途は下睫毛を描くためだったと思う。目尻が痒くなって良く掻いてしまうので、そうするとやっぱり消えてしまいます。1日5回くらい掻いてしまうので(埃アレルギー)わたしが悪い。

選抜メンバーから外れたけど持って行ってた人たち。

絶対使ったのに書くの忘れてた。圧倒的に違うからなァ‼️アイシャドウベースがあるとなしでは‼️‼️

かわいい〜。分かってると緑にしか見えないんだけど言うまで気づかれないささやかさも気に入っています。オレンジのシャドウに合わせるのが好き。フォロワーへの質問タグみたいなやつで聞いたのをそっくりそのまま真似しています。

廃盤商品です。クリームタイプなのに乾くとサラッサラになって全くヨレないし二重にも溜まらないしぴったり密着するので未だに重用している。あと米粒くらいの量で瞼の上下左右全て賄えるので一生無くなりません。ちょっとだけくすんだピンクがかわいい。ゴールドのシャドウと相性がいいなと思っています。

かわいい〜。ハイライトとして使ったりチークの上に重ねたりしています。なんかパールの入ったチークが今夏の流行りって聞いた。秋っぽくはないかな〜と思いつつ今季もそんな感じで使いたいと思います。かわいいから。
涙袋ライナーとか結局新品のまま開けてないアイシャドウとかも持って行ったんですがまあ対して書くこともないのでこんなもので。今エチュードのシェーディングの02番が欲しいな〜と思っています。いちばん最近買ったのはロムアンドのリップ。遠征先に忘れたときにオススメしてもらったのでので買いました。相性がいいのか同じロムアンドのティントより色が保ってくれるような気がする。良い色。

 

 

*1:目が縦に大きく見える効果があります

*2:日本でいうアインズトルペみたいなところ

2021年度爪まとめ

 

omaenannyanenn.hatenablog.com

前回の続きです。2021年9月〜2022年8月分。

Astrologhiasに合わせたネイル。天上の国の話で神々の遣いがメインの話らしいのでじゃあ天使だろうと天使にしてもらったんですが、蓋を開ければみんな元人間でした。泰江さん演じるアクエリアス青い花冠をしていたので親指は青い花のシールの上にミラーパウダーを塗ってもらいました。ただシールを乗せるより馴染んでてお気に入りです。かわいい。

 

ママナイネイル。リップのパーツとディスコ的な要素を入れたくてこんな感じに。右手はシルバーのオーロラミラーです。虹色にギラギラしてとても良い。手に持ってるリップは2020年に現場がなさすぎて気が狂って「💋MAMA」と刻印してもらったイブサンローランのリップです。

 

きぬひかりのメンカラが白だったのでずっとやりたかったオーロラネイル(うるうるネイル?)と組み合わせてもらいました。フィルムをめちゃくちゃ爪に合わせて切りながら貼ってくれたので次やるときはちゃんと自分で切ってから持っていこうと思いました。薬指のキラキラしたデコボコは透明なクマちゃんです。米の感じも出せて(?)良かった。

 

死柄木イメージ。手のパーツに合わせて黒ベース。パンクっぽい感じでパーツ盛り盛り。ネイリストのマリ(仮名)に「手はいくつつけたいですか?」って聞かれて「あればあるほど良いです」って答えたものの2個乗ってる親指が分厚くて結構大変でした。でもかわいい。

 

シカマルが影遣いなのでそれっぽいイメージにしたくてマットの黒にジャッと影風にクリアジェルを乗せてもらいました。額当てのイメージでシルバーのミラーも。親指もなんか考えがあったはずなんですがタコの吸盤に見えるのでタコ足と呼んでいます。

 

https://twitter.com/omaenannyanenn/status/1493601842672148490?s=20&t=ypRoDnvwAgy7mMbQu_7zkw

チョコチップクッキーのパーツが手に入ったのでそれに合わせて白〜黄系に。

入江はストーンよりパールのイメージがあります。入江と派手・武装がかけ離れているので入江とメシアの真ん中を取るのにいつも苦戦します。結果めちゃくちゃメシアになってしまう。

 

これは割と真ん中を取れた方。今年度でいちばん気に入ってるかもしれない。親指の豪奢なフォトフレームのようなW奏多(と言い張る)がめちゃめちゃ好きです。次の新ミュでもやりたい。サーステまだかな〜。

 

タイのネイルがめちゃくちゃかわいくて見まくってた時期だったのでそれっぽいイメージでやってもらいました。あとゴテゴテにちょっと飽きた頃だった。確かワンカラーだけの爪があるのはこれが初だった気がします。タイのカラフルなネイルもかわいいのでいつかやりたい。

 

飽きたんちゃうんかい。好き要素ばっかり盛り盛りにできて良かったです。中華ネイルや中華モチーフがかなり好きなんですがあんまりやる機会もないので楽しかった。色も中華ネイルにしては珍しくてかわいい。

 

特に現場がなかった&海外幽閉が決まっていたのでとりあえず夏ってことで。

花びらと筒状花の部分がクリアジェルなひまわりがお気に入り。かわいい。めちゃくちゃ四天宝寺が好きそうなカラーリングになりました。

 

かわいい〜。こういう爪がいちばん自分って感じがします。紫は初演のダイナーでオリビアちゃんのキャラのカラーだったので。水色はなんでか忘れたけどたぶんダイナーっぽいと思ったんだと思います。ボックスチェックめちゃくちゃかわいいけどめちゃくちゃ大変そうだったので1本だけにしてもらいました。豹柄はデザイナーだし一丁入れたろうみたいな謎の連想ゲームでしたが上手いこと纏まった気がする。

 

8月なのでこれで最後!グッズなどを見る限り伏黒のメンカラ(?)がエメラルドグリーンだったのでそれに合わせてもらいました。帳が降りるイメージで垂れてるやつが欲しかったのでそれに合わせて地雷ネイルっぽい感じで。今そのまま「垂れてるネイル」で検索したら画像いっぱい出てきました。それ正式名称でいいんだ。そっちを目立たせたかったので他も割とシンプルめ(当社比)です。ボディピアスパーツはやっぱかわいい。

 

纏めるまでに4ヶ月かかってしまった。ほぼ大晦日の新幹線の中で書いたし今もこれを新幹線の中で書いています。今年もお互い1年楽しくやっていきましょう。次は2022年のベスコスか現場まとめを書けるといいなと思っています。

舞台「呪術廻戦」感想

期間:7/15(金)〜7/31(日)/8/4(木)〜8/14(日)

劇場:銀河劇場/メルパルクホール大阪

 

あらすじ(公式サイトより)

辛酸・後悔・恥辱…。
人間が生む負の感情は呪いと化し日常に潜む。
呪いは世に蔓延る禍源であり、最悪の場合、人間を死へと導く。

驚異的な身体能力を持つ高校生の虎杖悠仁は、
自身の高校に現れた呪霊を倒すため、
特級呪物「両面宿儺」の指を飲み込み、
肉体を共有してしまう。

最強の呪術師である五条 悟の案内で、
対呪い専門機関である
「東京都立呪術高等専門学校」へと編入し、
同学年の伏黒 恵、釘崎野薔薇と共に呪術を学ぶことに―。

 

以下、公演中の作品のネタバレ、マイナスな意見を含みます。

感想の総括としては「よく2022年にもなってこんな原作とそのファンを蔑ろにした作品を作れたもんだなあ」です。

わたしは泰江さんのファンです。友人が元々原作のファンなのでアニメをちらほら見せてもらっていたり話を聞かせてもらっていたり、ちょうど舞台キャストが解禁になったあとでジャンプ+で4巻まで無料開放だったときにさらっと読んだ程度でした。自分の東京公演が終わったので*1もう少し深く理解したいなと思い1〜11巻と0巻、ファンブックを買いました。今7巻の途中、背中を見せたくない呪霊(まだ名前が出てない)と戦うところまで読んでいます。

 

わたしの理想の2.5作品は「予備知識がなくても楽しめるが知っていればもっと楽しい」という、原作ファンも俳優ファンも満足できるものです。昨今の2.5舞台は大体1回3時間1万円、娯楽の中でも高い部類なんだからそこは最低限だろと思わなくもないのですが。まあ好みもあるし。そして2.5作品に求めるものは「原作の再現性」「舞台という形になったことで生じる没入感」です。
舞台「呪術廻戦」はひとつの作品として、そこまで悪いとは思いません。ただ“2.5舞台”としては少なくとも、わたしが見てきたものの中ではワーストの部類です。
俳優のファンと原作のファン、劇場に足を運んで席を埋めている以上そこに優劣はありません。ただ原作の人気を利用して人を呼ぶ以上、原作に対する誠意を見せて然るべきではないでしょうか。*2あんなに大きくタイトルと作者名をスクリーンに映しておいて恥ずかしくないのかな。

 

メインストーリーはほぼダイジェスト、かと思えば挟まるアドリブの寸劇(しかも3回)、脚本・演出のキャラクターの理解の浅さ、登場人物のバックボーンや信念など大事なセリフを軽い曲に乗せて繰り返し歌う、そのタイミングも謎、こちらも繰り返し行われる妙なダンス、統合性がなく猥雑で無駄なプロジェクションマッピングに視界を覆う紗幕。変なところで曲がカットインしない2幕は普通に観られたものの、戦闘シーンはただ2人が戦っているだけで漫画の再現にはなっていないな、という印象でした。

 

わたしは小林さんの手がけた他の作品を拝見したことはないのですが得意とする演出は今回の舞台で良く分かったので、ひとえに原作との相性の悪さが問題だったのだろうと思います。今までの作品が好評だったようなので、オファーされた時点でそのご自分の色が求められているのだと考えても無理はないのかもしれません。なのでこれはネルケが彼にオファーをしたのと完成作を見てOKを出したのが悪いです。2.5舞台への新規参入も多数得られそうな人気原作で本当に良くここまで下手を打ったものだなあ。

「原作のどの部分を愛しているか」は人それぞれですが、それにしたってほとんどのファンがシリアスでスタイリッシュな彼らの活躍する姿見たさに足を運ぶだろうことは原作のファンではないわたしにも容易に想像がつくのにな。ハムレット楽しみ〜!って観に行って吉本新喜劇が始まったらそりゃキレるのよ。

 

どなたかが「忙しい人のための呪術廻戦」と仰っていましたがメインストーリーは大体そんな感じです。

ここ省くの!?といちばん思ったのがファミレスのシーン。あそこで呪霊たちを引き連れた夏油(じゃないらしい)が「1人です」って言うことと漏瑚が人を燃やすことで呪霊の残忍さや人間の命への軽視が伝わり、のちの虎杖の「コイツらはどこまで行っても呪いなんだ」がより強く響くので*3省くには惜しいと感じました。あと五条先生が「最強」である以上は漏瑚がどうしても噛ませ犬っぽくなりかねず、彼の強さがぼやけてしまうので領域展開後の「並の術師なら領域に入った時点で焼き切れる」という漏瑚のセリフもいまいち説得力に欠けてしまうのも惜しいです。何も知らない人が見たら漏瑚がドリフぶっ飛び映像と相まって面白噴火おじさんだと思われてしまう。やっぱり「先に示された力を圧倒するほどの力で捩じ伏せる」というのが強さの証明としては分かりやすいかなと思うので、そういう意味でもちょっと勿体なかったですね。

 

そのメインストーリーを削ってまで入れ込まれる小劇場っぽいアドリブコーナー。わたしは好きじゃないけどマダニの部分はまあいいとして、ヒエッヒエの劇場で特に何の思い入れもない俳優が1人でコントさせられている様、胃が痛い…。これから大阪に来るかと思うともっと胃が痛いです。ヤジ飛んだらどうしよう(発声禁止) でもそのせいでメインストーリーが割を食ってるので歓迎もできないし面白くなければ笑えないしで、こういうとき矢面に立たされるのはいつも俳優だよなあと思います。良くも悪くも評価がダイレクトに伝わっちゃうし。あと段ボール。陀艮だって大事な仲間なのになんでわざわざそんなことを?雑な扱いが面白いみたいなのは平成までですよ!!

 

歌詞がほとんど大事なセリフの転用と繰り返しなので、これ以上のことが書けないほどキャラクターのことを良く知らないんだな…と思いました。特に野薔薇の「スカウトされたらどうしよう」は飽くまでも田舎出身のお上りさん的発想であって夢見る少女みたいにされてるのが良く分からなかったです。「(田舎が嫌で東京に住みたいがために命を)懸けられるわ」「私が私であるためだもの」の清々しい表情が素敵だったのでそっちをフィーチャーしてほしかったなあ。同じく野薔薇の「学ランでの特訓がしんどい」がメインな感情のはずの場面で可愛いジャージのことしか考えてないみたいな歌詞にされた上に何故か真希さんとキャットファイトを始めるの、ええ〜??「釘崎野薔薇」じゃなくて「女」というキャラクターを見ているのかなという印象でした。

あと学長との面談というか、「自分が呪いに殺された時もそうやって祖父のせいにするのか」「……アンタ嫌なこと言うなぁ〜」も大事なところだと思うので歌でふわっとやらないで欲しかったな〜。というか普通あそこをあんな手拍子パチパチコミカルミュージックにするか?

「苗字で呼ぶな!」と言ったあとに高らかに自分の名前をフルネームで3回も歌う真希さんも意味が分からないし(自分の苗字は言いたくないし聞きたくないイメージ)原作で同じセリフを言っていた伏黒よりも近しい存在の真希さんが狗巻のことを「語彙がおにぎりの具しかない」と言うのは揶揄にも聞こえかねなくて、ちょっとそれはそのまま転用しすぎなんじゃないの!?そういうキャラクター個人にも関係にもストーリーにも興味がないのが透けて見えちゃうと特にファンじゃなくても盛り下がっちゃいますね。脚本家と演出家もオーディションしろマジで。公演前日にアップされたインタビューで演出家の方が「原作をそのままやっても面白くない」と仰っていたとありましたが、原作そのままを面白く舞台で表現できない人の言い訳だと思います。でも人には得手不得手があるのでそれを正しく見極めてオファーしなかった方も悪い。

 

元々作っていたものを流用したようなキャラクターっぽさのない曲、歌声を掻き消す楽器、今?というタイミングで始まる前奏。曲自体が昔のJ-popっぽくて元の世界観に合わないと言えば合わないけど悪くはないので、振り付けとタイミングさえ合えばまだ良かったのかも。セリフで余韻を持たせて決めてほしいところを歌で流すので、キャストの方々のせっかくの歌唱力がほとんど活かされていませんでした。エンディングではハミングしながらゾロゾロと出てきた皆が天井に両手を伸ばして〜完〜  いやそこは歌わんのかい!!!!!

 

本当に振り付けがダサい!!ステップもダサい!!そして繰り返す!!!エンドロールで振り付けの方が2人いらっしゃると知ってびっくりしました。1人しかいない舞台でももっとバリエーションある。伏黒が曲中で津美紀について語るとき表情は切なそうなのにバックダンサーと共に激しく謎のダンスを踊っていて、首の上と下で別の話をしてる…と思ってしばらく混乱しました。あとなんか五条先生がくねくねしてた。

 

映像については開演前の焚き火と海からもう意味が分からないし、俺はこんなに弱かったのか…の曲で血の海に浮かんでは沈む頭蓋骨(誰?襲われた囚人?)が紗幕に映されたたくさんの光に覆い隠されて良く見えないし(そもそもあんな絶望…みたいな曲でなんで光?)、赤字がバーッと大きく映し出されるのは昔のフリーホラーゲームみたいだし、「これが死か!」って衝撃を受ける真人の後ろにささやかな““死””の文字が出てくるのはダサいしで、ことごとくどうして今そんなことを?と首を捻りたくなるようなものばかりでした。いや““死””自体は原作にもあったけどあんな明朝体で変な線に囲まれて…変なの…。

 

 

わたしが観たのは15日の配信と17昼夜,18昼公演なので少しずつ変わっているかと思うのですが、以下その時点でのキャストの感想です。キャラクターに関してアニメの記憶はあんまりないので(1人で映像を見られないタイプ)漫画を読んだときの印象に則っています。

 

虎杖

昨年末に観たナルステのサスケで声の圧と迫力がすごかったので期待していたのですが、ちょっとイメージとは違ったかも。確か原作者の方が「苦手なタイプを主人公にした」とどこかで仰っていたかと思うのですが、佐藤さん演じる虎杖のことは別に苦手じゃなさそう。知らんけど。虎杖よりも宿儺が受肉したときの演技の方がハマっているように見えました。

「俺はこんなに弱かったのか」の部分は嘆きや悔しさに近い感情だと思っていたのですが、なんかめちゃくちゃ絶望していた。ミュージカルにする上で曲に緩急をつけたかったのかな。曲の終わりの方でセンター上手寄りから「もう行って大丈夫ですかね…」みたいな感じでソロソロと出てくる特級呪霊がツボです。でもあの曲自体は佐藤さんの声や歌い方に合っていて何も考えずに聞くと好き。

カーテンコールのイジリの件でちょっと言われてるみたいですが、そもそもカーテンコールでキャラステイさせるような演出家なら本編があんなことにはなっていないので…。でも本編がまともならそこが引っかかるって人も少なかったんじゃないかなあとも思います。

 

伏黒

想像より元気そうだった(お見舞い?)。今まで声を荒げるようなキャラクターを演じてらっしゃるところを見たことがなかったのでかなり新鮮でした。読む際も泰江さんが演るんだ…の気持ちで読んでいたので邪念が混じっちゃってこれが世間の伏黒像と合致しているかは分からないのですが、「クールぶってるけど感情が表に出にくいだけでコントロールをしきれない未熟さを持つ子ども」みたいな印象を受けました。高専がコントロールしなくていい場所なのかもしれないけど。陽のパワーはなんかめっちゃ出てたけど。ハッ!

個人的に好きなのは「なんとかしてください!」の言い方です。「どういう状況?」って現れた五条先生を見て一瞬考えるように下を向いてパッと顔を上げるのも、五条先生の力と彼は自分の頼みを聞いてくれるという2つの信頼が表れているようで。あと「あの子が死んで悲しむのは私だけですから」でグッと自分の脚に爪を立てるところも好きです。彼の信念において正は助けるべき人ではないけど、それをその人の身内から客観的な意見を突きつけられたときの罪悪感や何もできなかった(しなかった)無力感かな〜と勝手に解釈しています。あと「俺は不平等に人を助ける」の最後の構えて赤いライトに照らされてるときのバッチバチの表情がとっても好き。俺の可能性!!の笑顔についてはなんかもう良く分かんないのですが、腰に当てる手の位置まで計算していた人がなんの考えもなしにやるとは思えないので見解をどこかで聞けたらなと思っています。歌ってるときの表情(というか口角)はかなり気をつけてるように見えるんだけどな〜。配信のときは正直めっちゃ笑ってるけどいいのかな…って思いました。

野薔薇の「喜べ男子、紅一点よ」で真顔のまま眉だけ顰めたり踊り出す2年の先輩たちにこれも真顔のまま首だけ引いてびっくりするのもかわいい。「歌うの自体が解釈違い」って言ってる人もいたけど2巻のカバー裏で伏黒もカラオケ行っとるやろがい!!!

 

野薔薇

いい!!歌もダンスも上手いのにトンチキボックスを踏まされている…。沙織ちゃん私東京に来たよ曲が良かったな〜と思うけど登場した瞬間に深刻すぎるオーラを出すのも野薔薇っぽくないかなという気もするし難しいですね。歌声が伸びやかで気持ちいいしセリフ回しも好きです。特に「オマエ顔覚えたからな」が好き。どうしても伏黒と一緒に出てくることが多いのでお顔をあまり見られないのですが、声の表情がコロコロ変わってなんだコイツ感と憎めなさが両立しているところが読んだときに感じた印象まんまでした。口が悪いながら素直でいいよね。

 

真希さん

☆禪☆院☆真☆希☆なんやねん。身のこなしが軽やかで綺麗!以前別の舞台でも拝見していたので楽しみにしていたのですが、期待以上でした。ビジュアルよりかわいいし風格がある。もう少しカラッとしていて野薔薇と取っ組み合いなんかしないイメージですが、これは歌詞と演出が悪いと思います。

 

狗巻

かわいい〜。曲中の合いの手のようなおにぎりの具めちゃくちゃかわいかった。声や言い方もかなりイメージ通りでした。伏黒が野薔薇に投げつけられたスリッパを普通に押しつけられてたのもかわいかった。先輩やぞ。狗巻ではないし映画のシーン自体はアレなんですが、指名待ちの五期の異様に澄んだ瞳がツボです。なんであんな果敢な顔ができるんだ。

 

パンダ

パンダ。エンディングの紙吹雪を拾いそうで拾わないキャラクターNo. 1(拾いそうで拾うNo. 1は伏黒)。「パンダに持たせてる」「ムキ」のテンポと言い方が好き。どうでもいいんですが寺山さんを見る度にいつかのドリームライブでゲストに来たときご自分たちが出演されていたときの映像を見ながら「これが人生のピークです!」と声高々に言っていたのを思い出します。爆死するヒロインのオープニングの曲とダンスを自作していたの仕込みがすごすぎた。2年の先輩たち好きなので京都姉妹校交流会も早く見たいです。違う演出家で。

 

ナナミン

あのスーツだと尚スタイルの良さが際立ちますね。あと横顔の額の山がすごかった。重箱の隅をつつくようで恐縮ですが術式開示の例を虎杖に見せるときに首の辺りを切っているように見えるので、せいぜい2:8かなあ…と毎回思ってしまいます。倒れた虎杖を前に急に大きい声出し始めるのもちょっと笑ってしまう。成人男性の大声に弱いので…。

パン屋さんでの1件の演出は好きです。曲についてはわたしからはなんともという感じなんですが、連番した原作好きフォロワーが曲の始まった途端に固まってたのがリアルでした。ナタをマイクにするのは…って意見も結構見たんですが、ラケットはマイクになるからなあ…(?) 興が乗ったら武器もマイクになりかねないんじゃと思ったけどナナミンは万が一歌うことがあっても興は乗らないですね。ミュージカルでの曲中ってたまにキャラに催眠でもかかってんのか?みたいなことあるよね。殺陣が綺麗でした。

 

伊地知さん

良い意味で演出にもキャラクターにもハマっていたと思います。順平の対応について蝿頭の籠を右手左手に持ち替えながら説明するところが好き。初めて見る方だったのでほとんど存じ上げないんですが、普段小劇場に出てらっしゃいそうな器用さだな〜と思いました。五条先生の僕には夢があるんだ曲で目と口を真ん丸にしてホホウ!って顔して聞いてるのがかわいいです。

 

硝子さん

目の下が暗くないからかなんと言うかこう、健康的な色気を感じました。喋り方が男子生徒の夢みたいですごい。けど虎杖に「お前が殺したんじゃない」って言うシーンではちゃんと律する口調が“教職者”らしくてとても良かった。先生じゃなくて高専所属の医師だけど。この辺の役職みたいなのがいまいち曖昧です。保健室の先生ではないらしい。

石井さんの兼ね役である順平の母親役はもう雰囲気からガラッと違ってすごい!あっけらかんとして豪胆で、でも他人の機微に優しく触れられる人。そりゃこんなお母さんが側にいたら殺しは躊躇うし、殺されたと思ったら何もかも恨んじゃうだろうなという説得力がありました。映画のシーンはもういいです。あと本当にネギが絶妙に似合わなかった。

 

真人

スゲー。2幕はとにかく真人を見てれば楽しかった。変なタイミングで歌わないし。残忍で無邪気で異質で茶目っ気があって、すごく魅力的でした。せっかくの無為転変が演出としてあんまり活きていなかったのがちょっと残念です。こここそお得意の映像を使って補ってもよかったのでは?と思ったら補われたのは““死””でした。成長途中の真人が「なんて新鮮なインスピレーション!」って衝撃を受けている瞬間の、こちらもビリビリと肌で感じるようなある種の熱量が絶対いらん映像で笑いに塗り替えられたときの気持ち。2幕は劇場で初見だったのであの映像が目に入って普通にめちゃくちゃウケてしまいました。何? このシーンに限りませんが舞台の全景を1枚の絵として切り取ったときの、悪い意味での情報量の多さが仇となっている気がします。すごく言葉を選ばずに言うと、親が目を離した隙にガキが料理を取ってきたホテルビュッフェの皿って感じ。

真人は1幕の終わりに上手から出、順平と肩を組んで下手へと捌けるときに蕩けるような笑顔を客席に向けて来るの、ウワ〜!!って引っくり返りそうになります。わたしはこういう男が大好き。男なんですか?

ナナミンとの激しいアクションの最中に舌を出したり顔芸(って言っていいのか分かんないけど)の再現か口元を恐らくわざと歪ませたりするのが本当にすごい。あれだけ手足をブン回しながら毎回違う表情を作れるの、脳が2つあるとしか思えない…。曲が真人っぽくないながら歌がとても上手いのですごくハッキリと聞こえる。楽器が掻き鳴らされてないのもあるかも。「食べるように」で舌を出していたのが好きです。

 

順平

上手い。ミミズ人間2について弾かれたように話し始めるところがめちゃくちゃオタクっぽくてオオ…と思います(引くな) 蹴りまくってるときのアクションが巧い人のそれで目を惹きます。ダンスも得意としてらっしゃる動きなのか綺麗なんだけど如何せんワンパターンで、もっと技量が引き立つ振り付けがあるだろうに…と思ってしまいます。

彼がイジメられていたという情報が舞台では後出しなので「めちゃくちゃ被害妄想を拗らせてるやつ」に見えかねなくて、どうしてこんな構成に…?先生を追い払ったあとの「嫌いなやついつまでも家の前にいてほしくねーだろ」という虎杖のセリフはかなり彼の人柄が表れているところだし、順平が心を開くきっかけになる1つだと思うので残しておいて欲しかったですね。確か18昼公演で先生のズボンと一緒にトランクスまで脱げちゃってた。

お母さんが死んじゃって順平の様子が一変するのすごかったです。憎しみの表現も虎杖に拾われて覗いた悲しみもひしひしと伝わってきました。「母さんも僕も人の心に呪われたって言うのか」の慟哭も凄まじかった。「真人さんは悪い人じゃないよ!」のあとの「悪い…人…」は今までの真人の行動を思い返した順平のセリフかと思ってたんですが、舞台だと真人のセリフになってましたね。それでより愚かさが強調されていたように感じます。「君が馬鹿にしている人間のその次位には馬鹿だから」にかかっていてそれもアリだな〜と思いました。順平の形を変えられたところはもうちょっとこう、ショッキングというか「取り返しのつかなさ」みたいなのが一目で分かるようなものが欲しかったですね。舞台だとどうしても難しそうだけど。

 

夏油(じゃないらしい)

声優っぽい声やセリフ回しをする方だな〜と思いました。分からないけどアニメに寄せてらっしゃいそうな印象。ところで2幕初めの呪霊たちの曲ってあれで良かったんですか?

ストーリーの都合上、印象的なシーンこそ少ないもののしっかり存在感があって良かったです。ミミズ人間が出てきて「長くなるだろ!」「長くなるでしょ?」のシーンは正直ダルいんだけどこれって脚本と演出どっちの罪なんですか?もう長くなってんだよ。歌がお上手だしあの声のまま歌えるのもすごい。

 

漏瑚・花御

好き!2幕はとにかく真人を見てれば楽しいし1幕は伏黒と漏瑚を見ていたら楽しいです。ちゃんと表情豊かですごく素敵。五条先生に「手出して」って言われたときの呆れたような表情が好きです。よく見ると俳優さんの目線であろうスリットが漏瑚の目の真ん中あたりに見えるのですが、瞬きはどうやってるんだろう。漏瑚については大体上に書いちゃいましたね。人燃やすところ見たかったな〜。

かわいかったのに…って真人と夏油(じゃないらしい)に言われて一瞬ちょっと満更でもなさそうな反応をするのがかわいい。声の厚みも好きです。

花御はせっかく造形が凝ってたのにほとんど出番がなくて残念でしたね。仕方ないっちゃ仕方ないけど…。花御の術式の映像は好きです。確かにあれはホッコリしちゃうかもしれない。「喋ってる言葉は違うのに意味だけ分かる」はずがなんか2幕の頭でめちゃくちゃ固有名詞を喋っていましたが、漫画でも花御の言っていることが頭に響いてるみたいな感じだったのでそういう変換がいつの間にかされていたのかもしれない。

 

宿儺

ベテランで貫禄出してくるのかなと思っていたので割と意外なキャスティングだったんですが、納得のアクションでした。エフェクトかかってるけど声も抑揚も諏訪部さんに寄せてらっしゃる気がします。

宿儺関連で気になることは特になかったかも。丸呑みしてる指の素材が何でできてるのかなくらいで。強いて言うなら伏黒の布瑠部由良由良で興味を持ったというのがちょっと分かりにくく、伏黒の歌と踊りに満足したみたいになってたのがちょっとシュールでした。あと「宿儺にとって七海が死のうと真人が死のうとどうでもいい」みたいなのは入れておいて欲しかったけど、天の声として宿儺に言ってもらうのも変だし(本当にどうでも良ければわざわざ主張しないので)あれで良かったのかな。

 

五条先生

歌が上手い!上手いんだけどあの謎のセットを潜って大移動しながらの「僕には夢があるんだあああああ(大ビブラート)」がどうしても面白い。いや三浦さんは与えられた仕事で最大限にお力を発揮しているだけなんですけど…。発声が明瞭でイメージより軽薄さが薄かった印象だけどこれはこれで。秘匿死刑についての説明がラップなの全然頭に入って来ないから勘弁してほしいです。振り付けも変だし…。

VS漏瑚で黒い紗幕の向こうにいるとき彼の服が黒いので顔だけ浮かび上がって、フォロワーがそれを「グリーンバックに緑の服着て来た人」と評していたのが忘れられません。素顔が出るシーンはカーテンコールを合わせても5分くらいしかないのにちゃんとカラコンも睫毛を真っ白にされているのも芸が細かくてすごいな〜と思います。今回メイクは自前とのことでしたがあんな白くするマスカラ日本に売ってるのかな。ネット?目隠しの布がブカブカなのが若干気になりますが擦れるとメイク崩れちゃうからかな〜。底知れない強さに説得力があって良かったです。

 

 

ここまで散々言っておいてなんなんですが結構楽しんではいます。ただわたしにとって「面白い舞台」ではなかったし、繰り返しになりますが2.5舞台としてはワーストの部類だと思います。こんな人気の原作で舞台化していない作品ってもう他にほとんどないし、舞台への新規参入も見込めるはずなのにどうしてこんなことに…?

ネルケの傾向的にポップで楽しくて歌と踊りがあって〜みたいなのがしたいのは分かるんですが(不景気のときは明るい作品が流行るって言うし)、駅に広告を貼り出すよりも大多数が求めるようなものを作った方が長期的な利益が見込めるんじゃ。いやデータを持ってるわけじゃないので知りませんけど。特に興味が湧かなかったので演出家の方の経歴は調べてないのですが一貫して「少年漫画らしくなさ」を感じたので、あんまり慣れてらっしゃらないのかなーという印象でした。見当違いだったら申し訳ないんですが曲が入るタイミングが変なのも失礼ながらセオリーが良く分からなかったのからで、それでご自分の手癖が優先になっちゃったのかなと思いました。本当に采配ミス。テニミュ4thのルド吹で「この人(演出家)話を聞いてくれる気はあるけどテニスの王子様を読んだときの感覚が絶望的に合わないんだ…」と感じたのが記憶に新しく、わたしが原作を読んで好きだと思って大事にしていた部分が踏み躙られたとすら思いました。なので正直それと混同して怒っている節はあります。もちろんどちらの舞台も良かったと思った人を否定したいわけではないし、わたしも何もかもが悪かったと思っているわけでもないし、劇場などで反応をダイレクトに感じるのはキャストなので申し訳ないなとは思うんですが。

でも呪術はこの1週間でキャストの演技もどんどん変わって演出も追加されたっぽい?と聞いているので、それを期待しつつ無事公演が最後まで駆け抜けられることを祈ろうと思います。早く観たい!楽しみです。

何についてもそんなに詳しくないので、ここ間違ってるよ!っていうのがあれば教えてください。調べてから必要であれば追記にて訂正します。では続きを読んで来ます。

*1:結局大阪公演が中止になる前にと東京増やしました

*2:俳優への誠意ももちろん必要なんですがそこは表出する部分ではないので…。

*3:虎杖はファミレスにいないけど

2021年現場まとめ

観た舞台の感想を書こう!とブログを始めたはずが、今年はひとつも書き切れなかったのでせめてここに纏めておこうと思います。感想の他にも割と好き勝手に。気づいたら書いてる最中に半年以上経ってました。

f:id:omaenannyanenn:20220621171815p:image

ブログのデザインに合わせようと思ったら視認性が悪くなった。あと年数を間違えました。2021年です。

 

ミュージカル「新テニスの王子様」First Stage

この公演を目の当たりにしたことは、きっとこれからもわたしの財産になり続けるだろうなと思っています。あんなにただわくわくして毎日会場まで走りたかった舞台って今までなかったし、きっとこの先もなかなか巡り会えないんだろうなあ。ここから泰江さんを追いかけ始めたので、2021年全てのきっかけになった公演でした。

ツイートもしたんですが最初は新テニミュにさほどの興味も関心もなく*1、ほとんど何も知らない状態から双眼鏡なしで2階5列の確かセンターで観ていて「すごい人がいる!!」って思ったときの衝撃が、これを書いている1年後の今も続いています。幸せ!

公演を観ていないフォロワーに当時のことを振り返って「人ってこんなに急速に落ちられるんだって思った」って言われたのが面白くて印象に残っています。それはわたしも思ってた。何せ1公演だけの予定が15公演になったので。

映像を見るのが得意じゃないので円盤買っても人に見せるときくらいしか見返さないんですけど、唯一たくさん見返している作品です。大阪楽のあの気迫や熱気を映像に残して欲しかった気持ちはずっとあるんですが、情勢や状況的に簡単とは思えないし*2、残らないからこそあれだけキャストも観客も燃やし尽くせたのかなあとも思います。今まで見た光景の中でも5本の指に入るほど美しかった。次の公演も楽しみです。*3

f:id:omaenannyanenn:20220524001724j:image

手持ちのを忘れて慌てて買った双眼鏡。メルパルク大阪近くのスポーツDEPOは元日でも空いてるし8倍の双眼鏡が1種類だけ売っています。でも店員さんも売ってるの知らなかったので諦めきれず探してたらあった。

 

ミュージカル『刀剣乱舞』-東京心覚-

悪口を書くので読み飛ばしてください。

2回見ればやりたいことも言いたいこともまあ分かるのですが、初見でひたすら置いてけぼりを食らった挙句に会場にいない人へのメッセージを切々と語り始めたときは何か悪い冗談かと思った。いるが?

物語に必要な説明が足りず、また起承転結もないので全てが曖昧で抽象的な中、急に現在の情勢の話をし始めるのもめちゃくちゃダサいな〜と思ってしまいました。そこに熱が入る役者の気持ちも分かるのでそっちには寄り添いたくて、でもそういう気持ちにはなれないくらい怒りが勝って、悩んだり落ち込んだりしました。怒ってるくせに悩むなと言われればまあそうなんですが、怒りたくて怒ってるわけでもないので…。

『観客の補足・考察・妄想』に頼った作りになってるのも、どうしても物語に対して無責任で誠意がないように感じてしまって好きじゃなかったです。他の地方は全部手放しちゃったのと地元である大阪公演が中止になったことで東京初日からの3公演と千秋楽の配信でしか観ていないので、そこを生で観ていたら自分の中で何か変わったのかもしれないなあとは思っています。

 

ミュージカル「黒執事」〜寄宿学校の秘密〜

フォロワーからお誘いを受けて行った作品。生執事自体は2度目なのですが、めちゃくちゃ楽しかったです。お慕い俳優にも出てほし〜。脚本はテンポが良くて面白いし演出は派手だしキャストは上手いしですごく好みでした。ネクロフィリアの箱庭萌えなので(…)そういう点でもかなり良かった。

 

リビングルームミュージカル vol.15

リビミュは最高!これだけ観る前にその空気が掴みにくい公演も珍しいと思うのですが、実際に足を運ぶと多幸感でいっぱいになって何にも説明できなくなってしまう。端的に言うとバチボコに秀でた人たちが最高峰のパフォーマンスを見せながら愛と世界平和を謳うメドレーです。「ディナーショーみたいな感じ」と言うと結構みんな納得してくれる。キャストの出演作から宝塚やRENTなどのグランドミュージカルナンバーが多いのですが、全く通ってないわたしでも毎回めちゃくちゃ楽しんで帰って来ています。この情勢になる前は同じテーブルを囲んだ方たちとお話もできたんですが、「RENTが好きで来たけど出演者は1人も知らない」って方とも楽し〜!!って言い合ったくらいなのでミュージカルを楽しむ素養さえあれば大丈夫だと思います。

 

円神プロデュース公演Vol.1『幕末バトルサークル』

全公演中止になってしまったため配信でしたが楽しかったので書いちゃう。本当は次回vol.2か再演があったときのために記事を書いてたんですが、どうにも書き進められずお蔵入りになりました。

わたしは舞台を観る際に最も重要視しちゃうのが脚本なんですが、王道な中に捻りが効いていて、あれだけたくさんいるキャラクターもちゃんと立ってて面白かったです。

大阪在住なので馴染み深い地名がいっぱい出てきたのも面白かった。あと環状線の音!

泰江さん演じる天王寺さんがおやおや…しょうがないですね…(後ろからついていく)キャラだと思ってたらおやおや!しょうがないですねえ!!(率先)だったのが面白かったです。あのプロフィール*4でそんなことある?めちゃめちゃ好きでした。天王寺といえばあそこにあるスパワールドというプールのある温泉施設がおすすめです。治安はあんまり良くないので明るい内に行った方が無難です。今まで変な目に遭ったことないけど。有観客で再演してほしいな〜。

 

ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン お披露目会

めちゃくちゃ楽しかったからめちゃくちゃ期待したのにね。

 

This is a お感情博士!

総括するとわたしは結構好きでしたが、登場人物の倫理観と考えの足りなさ、価値観のそぐわなさから違和感や引っ掛かりを覚える部分も多少ありました。以下あらすじです。完全なネタバレなので今後再演や円盤などご覧になる方はご注意ください。あと円盤買ってないので所々間違ってるかもしれません。

 2100年。ロボットたちは『お感情博士』によって様々な感情を産み、人間と共存し生活していた。ロボットの修理工場を営む孝介の元へ、従業員の諒平が愛菜30685という1台のロボットを連れてきた。愛菜の修理を終えた孝介は依頼人の要望により、“怒り”や“楽しい”などの基本的な感情を愛菜に覚えさせる。そこから様々な感情を生み出した愛菜は工場で過ごす内、孝介に“愛情”──恋心を抱いた。人類初の快挙と喜ぶ従業員たちを他所に、ロボットから想いを寄せられた孝介は戸惑うばかり。自分の恋を受け入れてくれない孝介に、愛菜はとうとう“愛情”の消去を望む。

 彼女が“愛情”を手放したことを面白く思わない人物がいた。度々修理工場に出入りしていた増沢だ。彼は大手企業にて製造されたロボットで、儲けのために愛菜の“愛情”を利用しようと考えていた。増沢は企業に借金のある馬木田やスパイとして送り込んでいた諒平を使い、バックアップから愛菜の孝介への“愛情”の復元に成功する。そうとは露知らず、一度消したはずの“愛情”が再び愛菜に宿ったことにこれは本物だと囃し立てる従業員たち。また戸惑う孝介だったが、愛菜や従業員たちの熱意に心動かされ、彼女の恋を受け入れた。

 こうして両思いとなった二人だったが、愛菜は自身の“愛情”が肥大するにつれて孝介との子どもが欲しい、孝介と家族になりたいと願望を口にするようになった。ロボットに子は成せない。そう聞かされても彼女の気持ちは変わらなかった。それどころか日を追うごとにその願望は段々と強くなり、やがて愛菜は過ちを犯す。病院から生まれたばかりの赤子を連れ去ったのだ。初めは「川で捨てられていた」赤子に戸惑う孝介や従業員たちだったが、里親を探しても見つからなかった*5ことや愛菜の希望から、工場で未来と名付けられた赤ちゃんを育てることになった。順風満帆に見えた孝介の日々は、血相を変えて飛び込んできた馬木田と諒平によって切り裂かれる。馬木田は言う。その子は本当に川で捨てられていたのか?

 ──連れ去られた男の子の特徴などが未来と一致していること。増沢が通報し、明日にも警察が工場に来ること。*6増沢が愛菜の“愛情”を使ってビジネスをしようとしていること。そのために自分たちが行ったこと。馬木田と諒平に全てを告白された孝介は、ある決意をする。

 まずは愛菜30685の初期化。真実の追及をされても尚「この子は絶対に私が育てる」と未来を抱きしめて離さない愛菜から、孝介への“愛情”や未来への執着を消す必要があった。そして、警察への自首。孝介は自身が全ての責任を被る形で出頭した。ロボットを利用して罪を犯したとして、彼には重い罰が与えられることになった。

 孝介が“留守”にしている間、残された従業員とロボットたちは修理工場をロボットの産婦人科と改めた。これから愛菜のようなロボットがたくさん増えて行くだろう。人やロボットに恋をし、家族を欲しがるロボットが。人間の成長速度に合わせて素体を作り、データを移植しながら引き継がせて行く。そう語ったのは孝介だった。彼らは孝介の意志を継いだのだ。取っていたバックアップで愛菜の記憶を復元し、元の親元へ引き渡した未来を模してロボットを作った。愛菜と孝介の、正真正銘の息子だ。そうして孝介の帰りを待つ彼女たちに、一本の電話が入る。それは孝介が獄中で死んだという報せだった。未来は孝介の意志を継ぎ続けることを決め、かつて孝介に拾われたロボットは、初めて自身の涙を見る。終わり。

できるだけ孝介と愛菜に纏わる出来事について絞って書いたんですがかなり長くなってしまった。お話の矛盾や統合性のなさは描きたいシーンを先行させた結果かな〜と思いました。誰も愛菜に道徳を説かないのはそうすると今後の展開に都合が悪いんだろうなとか、愛菜の記憶=一緒に過ごした思い出を孝介が自分の手で消す部分がやりたいがための警察の怠慢なんだろうなあとか。役者たちの熱演には何度観ても涙でしたが、それだけ入り込まされるので愛菜の記憶戻るんかい!って毎度思ってました。

2014年の再演とのことでしたがおじさんが蔑ろにされるのも他人の性的嗜好で笑いを取ろうとするのももう良いよって感じです。涼平と増沢の会話に「リーと優作は愛し合ってますがその2人じゃダメですか」「我々が欲しいのは男女の恋愛です」とあったのですがむしろそんな前時代的な価値観の世界なら同性愛者への風当たりや偏見って2022年よりも強そうだし寧ろ周りにバレにくい状態で増沢の言う欲求を満たせるので需要はありそうだけどなあ。

泰江さん演じる増沢がめちゃくちゃ良くて、最初の好青年然とした姿から表情や声色や纏う空気までガラッと豹変する様がすごく好きだったのであんまり何にも言えません(散々言った)。増沢の豹変シーンで見える感情が毎公演違うのもガラスの仮面の忘れられた荒野を彷彿とさせられて好きでした。あまりにそのシーンが印象的だったのであとで配信を見返したら増沢の出番が10分なくてびっくりした。

 

ラクル☆ステージ『サンリオ男子KAWAII FESTIVAL

楽しかった!!人がたくさんいるので全員に見せ場がある…というわけにはいかないものの、それぞれの濃いキャラクター性が短い場面でもしっかりと表現されながらお話が展開していくのが良かったです。そしてサンリオキャラクターたちはもちろんセットも衣装もめちゃくちゃかわいい。あと人が装置として組み合う演出が面白かったです。東京公演よりキャストがはしゃいでて面白かったので京都公演もスイッチングで見たかったな〜。

ネイルの記事でも触れましたがキャラパーツ乗せて盛り盛りの爪にするのとうちわを作るってのがオタクとして1回やってみたかったこと*7が叶ったのが結構嬉しかったです。

f:id:omaenannyanenn:20220524003007j:image

サンリオ男子がすごくキラキラしててかわいくて楽しくて、連れてきてくれてありがとう〜!の気持ちだったのでただただ感謝のうちわ。柏木くんにも感謝だし、泰江さんにも感謝でした。

 

ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学VS不動峰

サンは森で、私はタタラ場で暮らそう。ともに生きよう。会いに行くよ、電車に乗って。

 

Live Musical「SHOW BY ROCK!!

超楽しかった!!!2021年観劇した中で3番の指に入る面白さでした。王道的だしキャラクターのそれぞれの個性や立ち位置が分かりやすく、主人公たちの成長と変化が感じられるストーリーがとても良かったです。何度見ても最後のライブが新鮮に嬉しくて本当に楽しかった。登場人物全員に愛着の湧く舞台だったな〜。ライブパートも迫力があるし演者の気持ちが乗っかってて最高でした。劇中ではほとんど特別授業(アドリブパート)でしか絡みがなかったものの、雷太さんと怜也くんの共演も嬉しかったです。好きな俳優が2人以上出てたら最早タダみたいなもん。

 

Astrologhias!〜mythos1〜

最初これあと何分で収集つくのかな…と思いながら観ていたら俺たちの物語はここからだ!みたいな終わり方してエエーッ!?ってなった。ナンバリングしてあるけど1回中止になってる+いろんなコンテンツで事前に全くそのことに触れられなかったので続き物とは思わなかったな…。この前のmythos2ではお話がどこまで進んだんでしょうか。キャラクターといいノリといい関係性といい10年前のドラマCDっぽいなという感じでした。でも泰江さん演じるアクエリアスがドンピシャ好きなタイプのキャラで楽しかったです。泰江さんの抑揚やセリフ回しが大好きなので、朗読劇だったおかげでそこに集中できてよかった。布からオリジナルの衣装もかわいかったな〜。

 

chemistry

山田健登さん主催のライブ。配信でいいかなとも思ってたのですが、しょばみゅを観たら生で怜也くんの歌聞きたいな〜と思ってチケット取っちゃいました。自認として怜也くんのオタクではないんですが、これからもふらっと歌声を聞きに行きたい。テニミュ繋がりの人しかいなかった上に歌声も皆さん澄んでて綺麗で技量があるので楽しかったです。テニモン皆ライブというものが久々だったからか静かでしたが、もうちょっと客席ではしゃぎたかったね。めちゃくちゃどうでもいい自分語りなんですが何年か前に人前で歌う機会があって、ああここは自分の居場所じゃないなってすぐ辞めちゃったんですが、彼らがトーク中に「歌う人たちって口下手だよね」ということを言い合うのを見て数年越しにだからか〜って思いました。自分の感情を表現するのに言葉以外を使える人間じゃなかったんだなと腑に落ちた。どうでもいい話でした。

 

MAMA's NIGHT

ママーーッ!!!(オタクの夜泣き) やっぱりママと雷太さんは最高。昨年は配信のみだったので、念願のリアルイベントでした。雷太さんが一流のパフォーマーなのはもちろんですが一流のプランナーでもあるのでずーっと楽しいしかなくて最高でした。セトリも大天才!!昨年リクエストしたくらい大好きな曲なので十戒が生で聞けたのも嬉しかったです。ところでママ衣装どこで買ってんの?

 

リビングルームミュージカル mini

やっぱリビミュなんだよなあ!!久しぶりに雷太さんとママのいるリビミュというものを味わえて最高の気分になりました。4月のリビミュももちろん楽しかったけど、わたしの「最高潮に楽しい」に達する最後のピースが雷太さんとママなんだな〜って思いながら帰ったので。いろんな曲聞けたしパフォーマンス力に長けた人しかいないから楽しいんですけどね。やっぱり彼らが出演してくれるともっと楽しい。ママの女優デビューもあったし。今年はリビミュないのかな〜。悠紀さんもお忙しいものな…。いつか雷太さんと泰江さんにリビミュで共演してほしいな〜と書いていた日に次のリビミュが発表されました。ワーイ!

 

RICE on STAGE「ラブ米」

混沌。意味が分かるとめちゃくちゃ普通のことを言っているのに意味が分からないので初見は思考回路がぶっ壊れたけど面白かったです。狭い集団の中での共通言語は連帯感を生みやすく、だからキマるキャストや客が多いんだろうな…と思いました。楽しかった。怜也くんの歌がたくさん聞けたのが良かったです。ネルケも同じ気持ちか?

 

舞台「ギヴン」

繊細に繊細に物語を紡ぐような舞台でした。山﨑さんが出演されるとのことで映画も観に行ったのですが、物悲しくも暖かい作品の空気感がそのまま再現されていて素敵でした。でも感情をセックスで相手にぶつけるのは、やめよう!

心覚はアレだったしビジネスライクプレイはコメディだし(楽しかったけど)FGOソロモンは出番がそんなに多くなかったしで、久しぶりに山﨑さんのお芝居の真髄を見たな!という気持ちでした。わたしは山﨑さんの役によって魂を入れ替えているような、笑顔ひとつ取っても目の細め方や口角の上げ方、そもそも笑うタイミングまで全部まるごと違うお芝居が大好きだったなあと思って、降りちゃいました。Twitterで一応明言は避けてたんですが、もうほとんどバレてるような気がします。山﨑さんはいつも通り期待値を超えるお芝居を見せてくれていたので自分の心が変わったんだろうなと思います。わたしの中で「お芝居を好きな人」から「お芝居が上手い人」に変わっちゃって、観ている最中の胸をグッと掴まれるような感覚もなくなって。でもおかげですごく楽しくて幸せな5年間を過ごせたので後悔は全くないです。最後がこの作品でよかったな。舞台の感想じゃなくなっちゃった。

 

僕のヒーローアカデミア The Ultra Stage 本当の英雄

前回は大阪初日だけで終わってしまったステイン編の再演。中止になったときのリスクを思うといつものようにホイホイ遠征するわけにも行かず、祈るような気持ちで待っていた大阪公演。ヒーローたちが踏み鳴らす足音に涙が溢れたのを覚えています。わたしがステイン編を観劇できたのはこの時点で1年半以上前に1回きりだったのでどこがどう変わったかは分からなかったんですが、なんかちょっともっさりしてるな…と思った部分が再演では改善されていてかなりスッキリして見やすくなっていたのも良かったです。

雷太さんが出演するからという理由で初演を観に行ったのですが、そこからヒロアカもヒロステも大好きになって、人生でなくてはならないってくらい自分の中で大きな存在ができた嬉しさを改めて噛み締める日々でした。

そしてトガヒミコ!!ヒロアカのキャラクターは本当にみんな満遍なく好きなんですが、その中でも特に好きで前回中止になったライブの情報解禁からかなり期待していました。でも拝見すると本当に期待以上で!陶酔したような楽しそうな声も狂気的に細められた目が一瞬で冷たく光る様も軽やかな身のこなしも漫画から出てきたみたいでした。ヒロステはみんな漫画から出てきたみたいだけど、だからこそ彼女の異質さが際立っていてすごかった。1Aは三奈ちゃんの動きがめちゃくちゃ好きでずっと見てました。1Aたちも好きすぎる…飯田くん…。憧れを奪われて憎悪しながらヒーローになろうと不器用に足掻く姿がとても良かったです。なりてぇものちゃんと見ろって道を間違えかけた轟くんにしか言えないセリフだなと思います。あそこで1幕が終わるのもすごく良い。度々ツイートしてますがお茶子ちゃんと飯田くんが男女関係なくフラットに友達やってるのが原作からとても好きで、舞台で2人の動きがシンクロしてるのを見る度に嬉しくなります。1Aがわちゃっと会話してるのも嬉しい。A組vsB組楽しみ〜。全員出して欲しい…。

デクと死柄木が歌う『オールマイト』が彼への2人の思いや立場・目的の違いが強調されていてとても好きです。初演で死柄木がオールマイトのことを「ラスボス」「社会のゴミ」と称するのにハッとさせられたんですが、デクが成長するヒーローなら死柄木は成長するヴィランなんですよね。そこの描き方が凄まじかったです。そして最後に手をバッと広げる死柄木の恐ろしさ!すごく好きなシーンのひとつです。

 

Astrologhias!DVD発売記念イベント

正直あんまり書くことがない。普通にいろんなお話が聞けて楽しかったし泰江さんのお誕生日当日に泰江さんが見られて、一緒にお祝いできて嬉しかったです。あとアクエリアスの作った薬が2次創作の乾汁みたいになっていて面白かった。実はイベントの様子がYouTubeの公式チャンネルにアップされているのですが、何故かグリフォンくんですら触れてくれません。何故。

 

ライブ・スペクタクル「NARUTO」〜うずまきナルト物語〜

漫画の方が面白かった。というかそもそもペイン編を1幕でやりきろうというのは無理がある…。連載当時ジャンプで原作を追っていたんですがファンというわけではないので脳内補完が追いつかず、それよりももっとじっくりあのシーンが見たかったなあという気持ちの方が残ってしまいました。ダイジェスト的で端折り端折りだけど物語に必要な説明はしなければならないのでずっと説明が続くのが中々しんどかった。特に同時期に公演していたヒロステが緩急どころか急の中にメリハリがあるので、正反対すぎたのもあるかもしれません。原作ファンの幼馴染やその友達は開幕直後から涙が止まらなかったらしく、2.5においていちばん重要なのは原作ファンの喜びだと考えているのでそういう点でなんと言うか、ちょっと安心しました。でも2幕は流石にこんな痴話喧嘩を間近で見せられる身にもなれよ…と思った。

元々賢い人やキャラクターが好きなのでシカマルはわたしにとってドンピシャで、しかもダルそうな態度から一転した機敏なアクションが本当に格好良かった。あとは出番だけもうちょっとあればな…と思うけど、原作を読むにあれでも忖度された方かもしれない。先述の原作ファンの2人は泰江さんのシカマルが出てきたときアスマ先生の面影を見て泣いたらしく、人がそれを思い出して泣いてるのにニコニコで話を聞いてしまいました。「わたしに理性がなかったらここ(メルパルクの下)で泰江さんありがと〜!って叫んでる」って幼馴染に言われて「二度と現場来られなくなるからやめて」って言った。そのお友達はナルステの公演後に泰江さん演じる入江の姿を見て同一人物??って言ってました。わたしもそう思う。

泰江さんを初めて見たときになんかすごい人がいる!!この人のこと明日も観に来る!!と思ったのが新テニミュ1の大阪初日だったので、同じ12/29にメルパルクに立つ泰江さんが見られたことがすごく嬉しかったです。

 

 

2022年も上半期が終わろうとしていますがもう既に2021年の楽しいを更新しまくっていて最高なので、下半期もめちゃくちゃ楽しく過ごそうと思います!!呪術廻戦もダイナーもレボライも楽しみ〜!!

*1:幼馴染が誕生日という理由で大阪初日に足を運べたので12/29に生まれてくれてありがとうって3回くらい言った

*2:バクステに一瞬映った映像の感じでいいから全編収めてほしいけど…

*3:楽しかったです!!

*4:殺生を避けるために肉も魚も口にしない

*5:まず警察に届けろ

*6:誘拐事件なんだから今すぐ来い

*7:うちわはやったことがあるものの如何せん出来がひどかった

お手紙の話

手紙ってどう書いていいのか分からない!って度々お題箱で頂くので、わたしの場合はこうだよという話をします。

こちらよりお題をお借りしました。質問は適宜削ってもよいとのことなので、「特になし」から話が広がりそうにないものは割愛しています。

 

お題「推しへのお手紙についての質問」

 

1. 手紙を書くのはどんなときですか?

今は公演が千秋楽を迎えるごとに1通出しています。地方公演が先にある舞台なら地方楽が終わっての感想、東京楽が終わっての感想という形で。プレボがあった頃は1日に1通でした。間に合わなかったり遠征時に友達とホテルに泊まったりで書かない日もあったけど。

2. 推し以外の人に書くことはありますか?それはどんなときですか?
主催兼出演者みたいな立場の方に出すことはままあります。どうしても感謝と自分の思う素敵な部分を伝えたい!と思って。もしかして上の質問の捉え方を間違えたか?好きな俳優に出すときの気持ちも一緒です。

3. 今まで何通書きましたか?また1年でどのくらい書きますか?
たぶん全部合わせると200通いかないくらい。1年の現場数で増減します。
 
4. どういう方法で出しますか?
郵送かプレボ。

5. 下書きは作成しますか?する場合どのように作成しますか?
書く相手によって違います。iPhoneのメモアプリかアドリブかルーズリーフにボールペン。特に書くときのスタンスが変わるわけではないんですが、それぞれに言いたいことがまとめやすいのがこの形な気がするなあと思います。
 
6. 便箋何枚くらい書きますか?また便箋はどのようなものですか?
2枚を目標にしています。手紙を読む・読まないは本人たちの自由であると同時にその読んでいる時間は無賃金労働なので…。あとこんな記事を書いておいてなんですが自分の手紙にそれほど価値はないと思うので、手短にがテーマです。Twitterで発散して満足した部分については触れず、特に本人に言いたいことだけ抽出して文にしています。
便箋はその公演や役に合わせたものを使いたいので毎回変わります。見つけられなかったら無地のレターパッドにシールを貼ったり。

7.  便箋や封筒、筆記具などへのこだわりはありますか?
便箋や封筒のこだわりは上記の通り。プレボの頃は便箋ではなく封筒にシールを貼ってました。最近無地の洋1封筒の種類がかなり少なくなってきて危機感を覚えています。宛名にぺんてるの限定でたまに出るデュアルメタリックペン、本文にサラサのヴィンテージシリーズを使うことが多いです。単純にそのシリーズたちが好きなので。色はその役のイメージや髪、服などに合わせています。
8. 誤字はどうしてますか?
修正機で消します。出先で書くときに忘れたら二重線を引いて←ごめんなさい ってやることもあります。誤字が多すぎて書き直してるとたぶん終わらないので…。

9. どんなときに文章を考えますか?
手紙を出そうと思ったときに。プレボのときは公演を観ながら今日の手紙はここ書こう!って考えてたかなあ。
 
10. 文章はどうやって組み立てますか?
ガチガチにではないですがある程度のフォーマットは決めていて、
①公演を通しての全体の感想(脚本や演出、照明などについて特筆したければここ。自分がどれだけ楽しんだかみたいな話も言いたければここに)
②書いている相手の特によかったシーンA
③よかったシーンB(セリフなどを抜き出して具体的に。この動作がこういう心情を表しているように見えて云々。いちばん楽しいけど読んで嬉しいかは微妙なところ)
④結びの言葉(①とは違う公演全体の感想や、観劇前と後でどのような心情の変化があったかなどを書きたければ書く。リプライをしないので細々した舞台以外のお仕事の感想なども纏めてここに。次の舞台も超楽しみ!で終わることが多いです)
という形です。これで大体便箋2枚になる。

11. 文章の作成において大事にしていることやこだわりは何ですか?
なんだろ〜。特にないかも。
 
12. 手紙の内容はどんな雰囲気ですか?
感想ツイートに近いと思います。

13. 書かないようにしていることはありますか?
陰口。当たり前だけど脚本や演出などについてうーんと思うようなところがあってもすっ飛ばしています。脚本が面白くなかったり時代錯誤だったりしたとして、それは好きな俳優のせいじゃないし。
 
14. 手紙にしか書かないことはありますか?
あんまりないと思います。どうしても書きたい内容はツイートせずに手紙に取っておくってことは結構ある。特に意味や理由はないんですけど。

15. ダメ出しなど、何か指摘することはありますか?
そもそも皆ダメ出ししたいと思うようなこと、ある!?好きな俳優って全部の瞬間で輝いてくれるから好きなんだし、そう見える人しか好きじゃないしなあ。
素行についてそれほど興味がないのもあるんですが、興味があってもよっぽど倫理に欠けるようなことでもなければ気にならないと思います。友達の欠点ってかわいいし。

16.  便箋一枚目の最初に「○○さんへ」「Dear ○○」など書きますか?
フルネームさん。
 
17. 手紙では推しを何と呼んでいますか?
苗字にさん付け。

18. 手紙本文の最初で名乗りますか?
いや…。礼節と身元の証明として最後には書くけど本当は別に書きたくない。
 
19. 封筒の宛名で相手の名前や宛先以外に書いていることはありますか?
プレボのときは出した日付と公演・イベント名を書いてました。どれがいつのか分からなくなると混乱を招くかもしれないので。郵送だと消印が押されるしまあいいかなと思って書きません。
 
20. 自分に関することを書くことはありますか?
どの立場からの感想かが明らかになっている方が傾向を読みやすいのかな?と思って、前提条件のようなものは書くことが多いです。傾向を読みたいかどうかは知らんけど。
 
21. 書き出しや締めに使うお決まりの言葉や文章はありますか?
公演お疲れ様でした!から始まることが多いです。書き出しを決めておくと流れに乗れるので便利な気がします。締めは気温の話になりがち。
 
22. 取りかかりから完成までどれくらいかかりますか?
取りかかれさえすれば全部合わせて5時間くらい。そろそろ出さなきゃな…と思ってる時間がいちばん長いです。

23. 手紙を書きながら予定していたより文章が増えることはありますか?
あんまりないかも。フォーマットが決まってるしワンシーンについて書き込める量もほぼ一定なので。
 
24. 清書して便箋などのスペースが思いのほか余ったときはどうしてますか?
特に良かったシーンCが追加されることもあれば、全体の感想が追加されることもあります。スペースの量による。
 
25. 下書きや手紙の文章は残しておきますか?またそれを読み返すことはありますか?
残しておくけど絶対に読み返しません。もしかして同じ内容書いたかも!で探すことはあったけど、今の頻度じゃそれもないので。

26. 手紙の中に好きという単語はどれくらい出てきますか?
思ったことをそのまま書いてるので結構出てくるかも。でも本人に対してというよりここのお芝居が好きです!って言いたいときに使います。

 

27.  手紙を書く上での悩みはありますか?
文字が大きくなりがちなこと!!気を抜くと青い鳥文庫でももう少し小さいわってくらい大きくなります。罫線と罫線の間で文字がぎっちぎちになる。
 
28. 手紙を通して一番伝えたいことは何ですか?
感謝と超楽しかったってこととおかげさまでハイパー幸せだってこと!(一番?)
 
29. 手紙について推しから何か反応を貰ったことはありますか?
直接的な反応は特にないです。死ぬまでに1回でいいから手紙の返事を手紙でもらってみたいなあ。お金を払うのでどっかの企業がそういう企画をしてほしい(他力本願寺)

30. あなたにとってお手紙とは何ですか?
返事をもらってみたいと吐かしておいてなんですが、言いたいことだけ言って言い逃げできる場。自分の手元に現物が残らないし(下書きは残ってるけど)自分向きの手段だなーと思います。
 
31. 推しへの手紙について語りたいことがあればご自由にどうぞ。
好きな俳優が壁にぶつかったときやもう辞めたいと思うほど辛いとき、わたしたちはきっとほとんどの場合リアルタイムで知ることはできなくて。でもそれだけ苦しい思いをしながら最高のお芝居やパフォーマンスで幸せにしてくれた彼らに、少しでもその幸せと感謝が伝わればなと思っています。終わり。