One on One 35th note「Side by Side」ネタバレ感想

期間:2024/2/8(木)〜2/18(日)

劇場:赤坂RED/THEATER

 

あらすじ(公式サイトより)

ピンチはチャンス?冗談じゃない

ピンチはピンチ チャンスはチャンス

大逆転を起こせるか? ただ それだけ

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 伏線という名の謎が明かされてあー!って膝を打つ瞬間が楽しい作品なので、まだご覧になっていない方は今すぐ配信を買ってください。しかし今日の21時まで販売なんですが果たして21時までに書き終わるのか?(追記)無理だったのでhttp://oneonone.shop-pro.jp/?pid=179392748: DVDを、買おう!!!こちらの記事は2/21から書いており、配信でお話を聞いたあとに加筆修正していますがしきれていない部分で時空の歪みが発生します。

 もうとにかく楽しかった!!一言にするとこれに尽きます。泰江和明さんのご出演を機に『コムロ探偵事務所シリーズ』と「One on One」に初めて足を運んだのですが、とても特別な作品になりました。脚本が当て書きであること、どころかセリフの数々が作・演出・音楽の浅井さんと泰江さんとのディスカッションにより生まれたということがあり、好きな俳優のとても歓迎できない現状がたくさん反映された作品。泰江さん演じるオオバヤシくんが懊悩する様を苦しいようなもどかしいような思いで見つつ、でも周りの力を借りて立ち直るオオバヤシくんの姿や「今ここに選んで立っているのが楽しくて仕方ない」と言うようなエネルギー溢れる泰江さんの姿に救われたり元気をもらったりしていました。わたしは泰江和明さんという人のオタクなのでこの感情は切っても切り離せないのですが、そういうことを考えず、あるいは知らずに観てもかなり楽しめる作品かと思います。何せお話の作りが丁寧で、物語を膨らませるための要素や仕掛けが随所に散りばめられていて、上手い。脚本としての完成度が秀でて高いのにセットと衣装で作り込まれた世界観、卓越した技術を持っている人しかいないキャスト、それらを補強する演出と演奏。キャッチーな音楽。ここは好みの問題かと思うのですが小説でいう地の文に当たる「説明」が大抵の場合、曲で進行するのもよかったです。歌詞に説明する・される登場人物の感情が組み込まれるのも単調にならずにかなり見やすい。説明台詞ってその舞台に通っていると正直話が聞けなくなったり飽きちゃったりこともあるんですが、おかげで最後までずっと全編楽しく観劇できました。以下キャストやキャラクターについてもう少し踏み込んだ感想で、ネタバレしかありません。

 

 

コムロ演:藤原祐規さん)

 偏屈な探偵で重度の花粉症。多分ツンデレ

 藤原さんは極上文学シリーズの「高瀬舟山椒大夫」で拝見して以来、2度目でした。あの作品9年前らしい。怖。高瀬舟の方で演じられていた庄兵衛の、自身が情熱を持てないことへの嘆き*1を濁流のように畳み掛けられて震撼したのがそれでも記憶に新しいので今回かなり楽しみにしていました。

「不器用な仏頂面」の変化が大袈裟でないのに顕著。アケチにワダくんが自分を心配していると聞かされたときの表情の緩み方、痛いところを突かれたときの気まずそうな雰囲気、オオバヤシくんに2作品目がめちゃくちゃ面白かったと言われたときの嬉しそうな顔、慰めようとする際の力の籠った眼差しなど、ベースは変わらないのにそれでもコムロさんの感情がひしひしと伝わるようで、きっと事務所の面々はコムロ先生のこういう不器用さも愛しいのだろうなと思います。地味に「じゃあな、アケチ」「じゃあね、ロクちゃん」と、アケチの返答をしっかりと待ってから電話を切るところが好きでした。この「じゃあな、アケチ」の声色に込められている親愛も塩梅が絶妙で、聞くのが楽しみだったセリフの一つです。歌が歌として上手くて声が良いのはもちろんですが、歌い方が情緒的でセリフとして伝わってくるのが素敵。特にこの作品はキャストの全員がそういう歌い方をされているように聞こえました。「失敗する深呼吸」の苦さが特に好きで、印象に残っています。あとビヨーン!とした動きが面白すぎる。取り調べを受けている最中のコムロさんの顔も何度見ても面白くて結局最後まで笑ってしまいました。自分がマエクラさんやワダくん、コグレさんに与えられることに慣れてしまって彼らをある意味軽んじていたと気付かされたときの痛みや罪悪感を覚えた表情も印象的でした。オオバヤシくんはそんなコムロさんにとって身近な「初めて薬を飲んで世界が変わった(変わっている)人」だったのかもしれないな。今思いました。

 

ワダ(演:新正俊さん)

 探偵の助手をする傍らで小説を執筆している。目指せワトソン。

 新さんはお名前を度々拝見していたものの機会がなく、初めましてでした。声質と滑舌が良いので台詞が聞きやすく、視野が広くて頭の良い方なんだなという印象。何かアクシデントが起きたときにも瞬時に対応する冷静さがありながらお芝居に乗る感情が鮮やかですごかった。コムロ先生と2人のシーンは毎度痛みを感じるほどでした。

 愛らしく純粋に見える反面、言いたいことははっきりと口にする強さとマエクラさんに「ワダくんなんかイキイキしてるね」と言われた際に見せる悪戯っぽい笑顔が印象的。初日に「ここにいたら皆さんに甘えてしまうから」で泣いて顔を伏せてしまったオオバヤシくんがその顔を上げるまで待ってから「甘えちゃ、ダメなのかな」と言っていたのが特に記憶に残っています。

 ワダくんは受け手であるイメージが強かったように思います。そこも助手で、小説家っぽい。あと観てもないのにアレなんですがなるほどソシャゲの顔の見えない主人公にも向いているだろうなと思いました。個性の強いキャラクターたちに引けを取らない癖の強さと、確固たる意志、そして高い順応力。マエクラさんがフェイク動画を作ったと気づいたときにやんわりと本人にだけ気づいていることを伝える辺りがかなりツボ。恐らくマエクラさんはワダくんが気づいてもその場で暴くようなことはしないだろうと信用してコムロ先生がカップラーメンを食べようとするあの映像を使ったのでは……と思っています。「悪趣味な右腕さんが一体何を考えているのか」についても結局聞いてなさそうだし。そういう関係性もこの作品の好きなところの一つです。踏み込みすぎない心地よさがある。

 物語の終盤で機嫌の悪いコムロ先生と対峙する場面のワダくんの感情が公演によって毎回違っていて、楽しみなシーンのひとつでした。涙が出ちゃってたり(個人的には悲しみの涙というよりぶつけようのない感情が溢れたように見えました)千秋楽ではワダくんからそれまでにないくらいに怒を強めに感じたりと、その場で生まれた感情をぶつけているのが好きでした。

 

マエクラ(演:田村良太さん)

 コムロ探偵の右腕。趣味は盗聴とハッキングらしいけどあんまり初対面の人にそれ言わない方がいいと思う。

 田村さんも初めましての役者さんでした。ふとした表情や仕草、台詞回しになんだか異様*2に色気を感じた。お歌が堪能で特に高音が素敵に響いて聞こえます。田村さんがアフターライブの気まぐれな風のソロパートでめちゃくちゃアレンジを入れながら歌ってくれたのですがそのアレンジが入る度に泰江さんが声をあげて喜んで、それを皆さんでニコニコ見てるのがかわいかった。

 飄々としているように見えて胸の内にアツいものを秘めているようなキャラクターが好きなのでマエクラさん、とてもすごくかなりツボでした。「お前が本気だったことなんてあるのか?」と言われたときの「えー、コムロちゃんにもそう見えてた……」*3からの「ねえ僕の本気どうだった?」がまあ堪らなくて……。前作のFace to Faceをわたしは配信で一度見たきりなので詳細には覚えていないんですが(1作目も間に合わなくて見れず)、彼らの出会い、エピソードゼロは恐らくセバタさんのすり替えた茶碗を作ったのがマエクラさんで、ただ「才があるから」という理由で流されるがままに動いてきた彼がコムロ先生に「これを作ったのは誰だ」と怒鳴り込まれ、散々説教され、コムロ先生に興味を持った。そんな彼は3年もの間、情報屋と発明家としての腕を磨くために修行をしあの日名前も聞かなかった探偵の前に「ボクを雇って」と姿を現す──。みたいな経緯だったように思います。細かいところ間違えてたらごめんだけど「雇われるために3年修行してた」は合ってるはず。そんなん“““本気”””じゃん!!!そりゃ怒るぜ!?? 途中、確か14日の夜くらいからかな?もうちょっと前?「見たいって言ってたでしょ、僕の本気」に続いてコグレさんが気づく前にコムロ先生が「本気?」って聞き返してハッとしてたの、『鋭すぎる観察眼と推理力』で良い追加でした。

 コムロ先生に自身が使い込んでしまった大金について相談されていたアケチに、マエクラさんが何に使ったのか聞こうとして「知りたければ自分で調べれば?」と言われるシーンがあり、秘密って暴かれるものではなく信頼する相手に打ち明けるものではないのか……などと過ぎったんですが、『秘密主義』のコムロ先生がやろうと思えば『一瞬で調べられる男』を傍に置いている時点でそれは立派な信頼だよなあ。何に使ったかについて調べていたのはお話で出てくる通りですが、その後アケチとコムロ先生の関係が明らかになったときにマエクラさんは1人だけ知っていたような素振りを見せていたので*4完全に「ロクちゃんが望まないことは調べない主義」ではなくなったんだなーと思っていました。コムロ先生はドアを開けて踏み込まれることで失望や落胆されたくないと思っていて、マエクラさんは逆に踏み込むことで嫌われたり嫌がられたりするの怖がっていたのかなーとか。わかんないけど。そこにコムロ先生に遠慮なんてされたことがない、全てを許されている(ように見える)アケチが来てなんだこいつってなっちゃったのかな?という勝手な想像。ドライブレコーダーの映像*5を皆で見たあと、逮捕勾留の決め手になったと聞かされたときのマエクラさんの表情や態度がかなり好きでした。

 

コグレ(演:千田阿紗子さん)

 パピラ。事務所に出入りしている刑事。

 千田さんも初めましてだったんですが素敵だった〜。アニメみたいにくるくる変わる表情がかわいくて面白くて、そして歌声がめちゃくちゃ綺麗。あと声をあげて笑い出したオオバヤシくんに向ける優しい顔がすごく記憶に残っていて、あの表情を思い出すと泣きそうになるし何なら今マジで泣いています。*6OPでコグレさんがオオバヤシくんの車椅子を急に押したときの表情も無償の優しさや愛みたいなものを感じて大好きです。あそこで片足を跳ね上げるのもかわいい。

 コグレさんの「放っておけないのよね」という台詞と言い方が特に好きです。コムロ先生のそういうところを理解して傍にいるんだろうなという感じがして。その信頼が窺い知れる「先生が人を突き落とすようなことする訳ないって思うし」も好きで、これも思い出すと涙が出てくるシーンです。今書いてて思ったけどワダくんが特に心配してなさそうだったのも先生の潔白を信じていたからか。遅。刑事として公正な判断をしなければいけないと悩むコグレさんにワダくんが励ますような言葉をかけない辺り、大人の繋がりって感じが強くて本当に良い関係性だなと思います。関係性と言えば「自覚してください!」からの流れもやっぱり大好き。謝りたくても素直に謝れないコムロ先生にああいう形で赦しと気づきを与えるみたいな。大層な言い方になってしまいましたが。「チョーメイワクゥ」のあとのふんっがワダくんとマエクラさんにねーっ?って言うのに変わってた回があってあれもかわいかったです。ところでコグレさんの髪型*7もオオバヤシくんが花粉研究者*8になったのもその場の勢いらしいのにパピラの形とコグレさんのシルエットが一致したの凄すぎる。アケチが「君がコグレ警部補か。確かにパピラそっくりだ!」って言ったところでオオバヤシくんが全身を大きく早く使ってブン!!!って真顔で頷くのが好きだったんですが配信には入ってなかった。あれ勢い怖すぎる。アケチ、奥の部屋でパピラについてオオバヤシくんに散々聞かされてたんだろうな……というのが垣間見えて良いですよね。ところでいつかの公演の挨拶で千田さんが「あんなに自分の顔が大きく印刷されたのは初めて」「あの布どうするんですか?って皆に聞かれるんですけど公演が終わったら持って帰ろうと思います」というようなことを仰ってたんですが、浅井さんとの配信曰く本当に持ち帰られたらしいです。良かった(?)

 

オオバヤシ(演:泰江和明さん)
 泰江さんのファンで良かったなあ。出演作を観る度にそう思ってるけど今回はこの作品に出会えたことがあって、その気持ちが特に強かったです。こんなに千秋楽が寂しい舞台は久しぶりでした。毎日毎日新鮮に楽しくて、苦しくて、面白くて、ジェットコースターに乗ってるみたいでした。ほんと楽しかったー!!!オオバヤシくんだけ急にめちゃくちゃ長くなるんですが、一番特別で一番好きで一番観ていてそれだけ考えていた時間も長いのでご容赦ください。(?)

 泰江さんは左足を怪我されていると聞いていたのでどう出てくるのか考えていたら車椅子で初見は力技だ!!と思いました。わたしはあんまりショックではなくて、なるほどなーと思っちゃった。でもその怪我が取ってつけたような設定じゃなくてちゃんとお話の最後まで活きるのが面白いし、本当にすごい脚本だなとつくづく感じます。それぞれの登場人物の持つ要素が物語の中でオムニバス的に固まるんじゃなく、点在して絡まっているのであとから繋がっていくのが気持ちいい。初めの方で書いた通りオオバヤシくんは泰江さんの現状が如実に反映されているとのことで、「やりたいことだったはずなんですけど……」と「どんな仕事でも上手くいかないことはあるよ」という台詞が結構ナイフでした(結構ナイフ)。あとオオバヤシくんが母子家庭で、泰江さんも聞くに母子家庭でちょーお母さんっ子(本人談)らしいので「母さん聞いて!」のシーンは重なって仕方がなくて、オオバヤシくんが泰江さんくらいお母さんを大事に思ってたらそんな、しかも病床に臥せっている母親を置いて自殺未遂をしたかもしれないなんて耐えられないのでは……と考えてました。勝手に。そこと発見をしたオオバヤシくんの瞳がキラキラと輝いているのに、顔を上げた瞬間に瞳が翳って、実用化は難しいという判断に至ったシーンに移り変わっているところが好きです。髪と瞼の開き具合で入る光を調整している……。その前の「調査内容オオバヤシ青年について」ははっきり目を開いてるけど内側からの発光はなく、ただ光を反射するガラス玉みたいになっているところも合わせて好きでした。あのコムロ先生と縦に並んでるところ漫画の扉絵っぽくて格好いい。探偵モノみたい!(探偵モノです)

 そういえば「事務所に来ないか、君の身の安全は保証する」と連れて来られたオオバヤシくん、ワダくんが「もしかして誰かに狙われているとか……!?」って口にしたときに3日目くらいからかな?「えっ……?」って神妙に聞き返すようになってて、コイツもしかしてその発想もなかったのにノコノコ病院から出てきたのか!?骨折までしたのに!?!と思ってたんですが(口の悪さイエローカード2枚)、あれって恐らくお母さんが入院して一人暮らし中のオオバヤシくんは「自分が自殺をしないように見張ってくれる人が必要」で、だからコムロ先生について行ったのかもなあ。あの時点でワダくんとマエクラさんとコグレさんにとって転落した原因は事故or事件(不注意or傷害)だけど、オオバヤシくんにとってはもうひとつの可能性があって、それが一番の懸念だっただろうと思うので。オオバヤシくんも一緒に歌ってたから気がつかなかった。いや全然的外れな可能性もありますが。

 ぶっちゃけ記者会見のところでメンソーの社長と吉平がオオバヤシくんをどうしようとしていたのかを洗いざらい喋ったら駄目かなと考えていたんですが、「社長には謝られました」と庇う言葉が出てくる辺りオオバヤシくんの望むところではないのかもなあとも。あとまあ多分流石に(わたしが)野暮。しかし社長にとって自分の弱みを握っているに等しいオオバヤシくんが会社に戻ってくるのは結構恐ろしいのではと思っていたのですが、良く良く考えたら手元に置いておかないと何されるか分かったものじゃなくてそっちの方がよっぽど怖いですね。それなら戻ってきてもらって給与に色つけた方がまだ安心できそうだし(社長はめちゃくちゃ保身的に見えるので……)自分で呼んだのかな。何にせよメンソーで研究を続けることを選んだのはオオバヤシくんで、そこはもう揺るがないと思いますが。

 潜入したワダくんがめちゃくちゃ棒読みなのを聞いたオオバヤシくんがぱかっと口を開けて愕然としていたのがかなり好き。お話のメインではないのでそりゃそうと言えばそうなんですが、ここも配信に入ってなくてちょっと寂しい。そういえばあそこの次のシーンでコグレさんとワダくんがスーツカバー?をバサバサやって見せつけてるのも好きです。かわいい。役に入ったときの、感情が滲み出るどころか感情そのものがそのまま表れているみたいな泰江さんの歌声がすごく好きで、作戦が成功したあとの気まぐれな風があんまり晴れやかなのでそれに胸が打たれて泣きました。今思い出したから唐突に書くんですが(メチャクチャ)コムロ先生が薬を飲むのを皆で見守ってから歌い出す、あの空気感も好きで毎回更に泣いてたなあ。素敵な作品だほんと。

 あとこれはどうでもいいんですが初日もっと元気そうに動く泰江さんを見て泣いちゃうかなと思っていたら、泣いたは泣いたけどオオバヤシくんのかわいさに脳が破壊されて帰ってきたのが忘れられません。しゅごいでしょ!?を当て書きされる29歳男性実は肩幅広め。←これ台本ではすごいでしょ!?だったところが稽古中に噛んじゃってそうなったらしいです。*9いやそっちの方が何なんだ。ざーっつらい♫で明らかに今かわいいと思った人の声が客席から上がるのが面白かったです。でもあれはかわいい。しかしあれだけ凄さを皆に分かって欲しがってた花粉のことを憎むようになってしまったの、面白いけどやっぱりちょっと切なかった。「花粉をこの世から〜」のシーンの表情シンプル獰猛だし。追記ですが浅井さんと千田さんの配信で浅井さんが「(オオバヤシくんは)パピラのことはそれでもかわいいと思ってると思う」って言ってくださっててなんだか嬉しかったです。花粉自体はまあともかくあんなにキラキラ楽しそうに語ってくれたパピラを嫌いになっちゃったんだとしたら悲しかったので……。

 その配信でさせて頂いたこちらの質問なんですが(名前が読みにくくてすみません)、これ「(最終稿での)オオバヤシくんにとって、この世から花粉が消えてしまうのは“嫌なこと”ではないのかな?」という意味でした。浅井さんのノートは拝読していたので元々原案からの流れだったということは理解していたのですが、言葉が足りなかった。でもまあ花粉症が製薬会社とのマッチポンプ説である置いておいても*10日本全土のスギ花粉が殲滅されることは恐らくないだろうし、莫大な利益が生じる発見なのを理解してそっちをとりあえず優先したのかな。あ。わたしは観ながらずっとオオバヤシくんはこんなに好きなパピラの観測が新たにできなくなってもいいのかな?という疑問があったんですが、今書いていてそれってすごく「俳優のオタク」的な視点なのかもしれないなと思いました。研究者の視点で見ればまた違う感覚があるのかも。

 コムロ先生が破ろうとしていた吉平の名刺をオオバヤシくんが手にして破る、というシーンがあって、恐らくベースはコムロ先生に車椅子で近づいてひったくり千切るというものだったのですが、ここも毎公演細かく違ってその瞬間に産まれた情動のまま動いている様がオオバヤシくんの生をリアルに感じられて好きでした。Side by Sideはキャストの方みんなそうで、観ている内に覚えたセリフの聞こえ方も感じ方もその公演によって全然違って、それがセッションみたいで楽しかったんですが。手を伸ばしてコムロ先生が名刺を渡してくれるまで待ったり(その日下手だったので先生の表情は見えなかったんですが、そこですぐ渡さないで逡巡する素振りを見せていたのも良かった)、動く前に「待って」って周りに聞こえるか聞こえないか分からないくらい小さな声でか細く呟いたり、配信であったように車椅子から立ったり(ワダくんが驚きながらオオバヤシくんの体を支えてくれるの大好きです)、特に千秋楽で破ろうとしたコムロ先生の手に手を重ねて一緒に破ったのが一番心に来ました。

 ごめんあとこれだけ言わせて!!記者会見が終わってアケチとコムロ先生の回想に入る前のオオバヤシくんの、抜け落ちた記憶──って歌い出すときの表情や歌声に苦しそう、というか苦しい感情そのものを差し出されているような感覚があって、後半はずっと胸が押し潰されそうになって逆に涙も出てこなかったです。確か16日から歌う前にオオバヤシくんが慟哭するようになっていたんですが(配信の17夜は何度も左膝を叩きつけていてそれもしんどかった)、そうでなくても歌に入れない日に演奏のはんださんがそれを待ってくださっているのが分かって、それって生演奏ならではのことだし、あの瞬間みんなでオオバヤシくんという人間の表現をしてくれていたんだ……みたいな感慨がありました。*11コムロ先生のどこかのシーンでも似たようなことがあって、演奏のことは全然わからないんですがはんださんが役者さんに息を合わせるのもお上手なのだろうなと思います。最後はんださんの話になった。

 

アケチ(演:佐々木崇さん)

 アケT。脳と心のお医者さん。

 佐々木さんは某ショーと新テニミュシリーズ、リビングルームミュージカル、わたしの幸せな結婚で拝見しています。泰江さんと3連続共演で嬉しい。今回もすごく楽しみでした。佐々木さんを拝見した中で一番鮮烈な記憶はやっぱり新テニミュsecondの鬼VS平等院と、リビングルームミュージカルでそんな鬼を演じた岡本さんが歌い、佐々木さんが踊った『エリザベート』の「最後のダンス」です。しなやかに蠢く手足がまるで追い立てるようで、ただただ圧巻でした。あんな目も口も開きっぱなしで1曲聞く(見る)経験って滅多にない。2年前の夏のことですが、結構な頻度で思い出します。

 アケチと言ったらカメラアイ、というくらい大切な設定ですが、かつてその能力のことでコムロ先生に救われたアケチがその能力でコムロ先生(と皆)を救う構図になるの、良すぎる〜〜ッッ あの手帳を拾い上げて記憶するまでの流れ、格好良すぎますよね……。そういえばアケチのスタイル(劇中では「スタンス」と言われていましたが)について言及するようなシーンがありましたが、手帳をファントム20より早く拾えたり人より速く走れそうだったり、そういう佐々木さんならでは、みたいなものがあるとなんと言うか視覚からのリアリティみたいなものが増して、よりキャラクターたちの実存性が感じられる気がします。大丈夫?この感想は時代に逆行してないですか?俳優さんが演じていたキャラクターをキャスト変更することなく、消すでもなく、物語のそれもかなり重要な部分にその存在を関わらせているあたりにもわたしはその実存性を強く感じていて。普通舞台って千秋楽が終わったら全部が幻みたいに消えてしまうのに、まだどこかの世界で生活をしているような、そんな感覚が彼らにはあります。それが嬉しくて愛しい。

 アケチとオオバヤシくんの「君を引き抜いてくれた恩人が企業価値を優先して君を切ることを提案した?なんか矛盾してる」「それがビジネスなんですよ」というやり取りや、「でもオオバヤシくんは進言してたんだよ!?」で結構子どもっぽいことを言うんだなとちょっと意外でした。最初の怪しさからもう少しシビアな人に見えていたので。でも藤原さんFC『ふじけあそなが』の佐々木さんゲスト回配信を視聴して、アケチはとにかく優しいので利己的な人があんまり理解できないのかな〜という印象に。そりゃ脳科学の道にずるずる進むし電話の相手に「大丈夫ですよ、もう大人なんで」と言わされるくらい心配されるかもしれない……。お兄ちゃんちょっと10年も会ってなくて大丈夫ですか?他人の悪意に鈍感というか善性を信じすぎてはいないか?そうやって自分を守ってきたのか?(論理の飛躍) と言ってもなんだかんだ周りにかわいがられてやってそうだけど。電話の相手もその筆頭なのかも。愛され兄弟たち……。最初どうも〜!怪しいで〜す!みたいな感じで出てきたアケチの挙動が全部お兄ちゃんの現状とその周囲に興味津々な弟ムーブだったのがかわいい。後日談で本を読むコムロ先生の後ろにいるアケチが早くページめくってよーみたいな感じで急かし、コムロ先生が鬱陶しそうに眉を顰めながら無視する、というのを隅にあるデスクでやっていたのもかわいかったです。

 そしてやっぱり『水の記憶』という曲。途中ロクちゃんことコムロ先生への悪口をつらつらと並べるアケチの歌声と表情から滲み出るコムロ先生への愛情があまりにも優しく伝わってきて、毎公演心が揺さぶられて泣いてしまうシーンのひとつでした。ここの直前が個人的に今作品で最も摩耗するオオバヤシくんのシーンなのですが、(ただ見てるだけなのに)心身ともに全力疾走したあとのような状態の中でもアケチが記憶に引き込んでくれるので、しっかりアケチやコムロ先生とその関係について思いを馳せることができて良かったです。それでも入りの虫の声みたいなのが聞こえる度にあと2分待って!と思ってたけど。忘れたくても忘れられない『アケチのソロ曲』が「俺は全部覚えてる」という歌詞で終わるのも美しいですよね。きっとアケチにとってコムロ先生からのあの「逃げればいい」って言葉って本当に特別で、留置場での「俺は全部覚えてる。あの日ロクちゃんが差し出してくれた、傘の柄まで」って物語上での役割は伏線かと思いますが、アケチ自身はきっと今更コムロ先生に対して記憶力の良さを誇りたくて言ったわけじゃなくて。“全部覚えてしまう”アケチの、“覚えたくて覚えている記憶”なんだろうなと感じました。取り出したい記憶と言うか。

 あと彼の人物像として、足が他人より速いことを優位に感じない人なんだなあというのをハンデ云々の話を聞きながら考えていました。カメラアイのせいで「出る杭は打たれる」を経験してしまったせいなのかなとも思ったり。日本から出て良かったね……。ラストの「うわーっ!グレコちゃん今のカッコいいもう1回やって!」ってはしゃぎながら真似してるアケチが好きです。かわいい。

 

 脚本についてこちらXでポストしたのとほぼ同じ文ですが、シリーズ物にも関わらず例えば最初にアケチが本を手にして「コムロ探偵事務所エピソードゼロ」と口にする→その後改めて「エピソードゼロが小説である」ということをマエクラとワダの会話で示す→アケチが「エピソードゼロを見た」と言う部分など、 違和感を持つタイミングがシリーズ初見とそれまでの作品を見ている人でズレが生じないように上手く調整されているのでかなり見やすかったです。そういう仕掛けが散りばめられつつお話はしっかりと且つコミカルに展開していくのがすごい。観ていてあそこはどうなったんだろう?この人さっきと言ってること違わない?みたいな引っかかりが全くなく、最後に畳み掛けるように伏線が次々に解消されていくのが気持ち良かったです。浅井さんと千田さんの同時視聴配信を拝見していたとき浅井さんがここ好き!ってたくさん仰ってて、そのツボが全部同じなのでだからこんなに良い作品なんだな〜!って嬉しくなりました。作り手の好きがいっぱい詰まってる作品は最高!

 楽しくて面白くて優しくて、帰ったあとでも思い返すと自然と笑顔になる、そんな舞台でした。このタイミングで観られたことに大きな意味と喜びを感じています。数公演だけあったアフターライブでは3曲披露してくださり、3曲目だけ動画撮影可能でした。これが後生に残らないのは勿体なさすぎる!!と思っていたのでDVDに収録されることになって嬉し〜。DVDも楽しみです。

こちらその3曲目の様子。確かこの回H列のセンターでめちゃくちゃ見やすかったです。動画見たら泣けてきてしまった。コムロ探偵事務所の皆に会いたい。本当にいとしい人たちです。どうかまた会えますように、希望と期待を込めて。

*1:実際は庄兵衛の台詞ではなく森鴎外のエッセイからの引用だったはず

*2:超良い意味です

*3:ここ割と毎日言い回しが細かく違ってて「そう思ってた」の日もありました

*4:「知ってました!?」って聞かれたときも「知ってた」って言ってたはず

*5:ところで車の持ち主がいない問題はどうなってたんだろう

*6:わたしの涙腺は蛇口です

*7:https://x.com/sayachin_asai/status/1760102515100750130?s=20

*8:https://x.com/sayachin_asai/status/1759364351323234306?s=20、1枚目ALTより

*9:泰江和明FC LIVE配信#8より

*10:わたしは花粉症じゃないのであんまり詳しくないんですが

*11:普段からそうなんだろうけど照明さんや音響さんは見えないので

舞台Oh My Diner感想

期間:11/7(土)〜11/15(日)

劇場:ステラボール

あらすじ(公式サイトより)

現代。
アメリカ、マンハッタンにあるダイナー、その名も『Oh My Diner』 (オーマイダイナー)。

そこで働くスタッフ、店に集まる多彩な常連客…
ダイナーを舞台に、個性豊かなメンバーが繰り広げる シチュエーション・コメディー。

それぞれが持ち込む日常、小さなドラマ…
そんな温かくて楽しい時間を、洋楽の名曲たちとダンスをまじえて、 軽快なタッチで描きます。

お芝居のあとは華やかなライブショー!
豪華キャストによる歌とダンスを、心ゆくまでお届けします!!

さあ、あなたも『Oh My Diner』の扉を開いてみませんか?

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急いで撮ったポスター。入場口の小物やデザインもかわいかったな〜。

ところで今あらすじをコピペして「あ、現代だったんだ」と思いました。

 

今回見る部分やそれによって得られた情報がいつも以上に偏ったためどう書くか迷ったのですが、今回群像劇だったのでお1人ずつのあらすじと感想を書いていく形式で。

あらすじは「忘れていて言葉にできなかった」り「文章にどうしても組み込めなかった」り、「他のキャラクターのあらすじに投げている」場合があるため、いずれも完璧とは程遠いですが、なんとなくの補完とそれぞれのキャラクターの視点の整理のために書いています。今回この時勢で観劇ができなかった方もいらっしゃるでしょうから、再演か続編の決まった未来で(ある前提)「どんな舞台なんだろう」と思った未見の方に少しでも伝わればと思います。キャラクター個人の中で起こった出来事は大体順番も覚えてはいる(つもり)ですが、Aの出来事とBの出来事はどっちが先だったっけ?となることが多々あったため、全体のあらすじを書けませんでした。なので「被ってる出来事を照らし合わせながら読んで頂く必要」があり、全体の流れを把握したい方には不向きかもしれません。 

 

さて、やっと見出しのやり方が分かったのでお名前をタップあるいはクリックなどで飛べると思います。これ使えるようになって嬉しい。

引用しているセリフなどは記憶を頼りにしているため、間違いもたくさんあるかと思います。

観た日によってもかなり印象が変わりそうなので記載しておくと、わたしの観劇した公演は8日昼夜、9日、10日、15日でした。

全ての文章は筆者の勝手な解釈と憶測を含みます。

 

 

 

 

プリンス/三浦宏規さん

地元に帰ってきたことが大きなニュースになるほど一世を風靡するバレエダンサー。しなやかな動きと、どれだけ高慢な態度を取ってもそれが不遜にならない説得力と嫌味のなさが印象的でした。

「懐かしいこの街、貧乏なニオイ」から始まるモノローグ(という名のどデカい独り言)を前奏中に言い切れなくてゴチャッとさせたまま歌唱に入る登場シーンもお茶目でかわいいですよね。

「尊厳を傷つけられると少し可笑しくなる」プリンスの癇癪の起こし方も振り切ってて面白かったし。しかし今回当て書きらしいので無意味な前提ですが、なんと言うかこう、あれ三浦くんじゃないと目も当てられなかった可能性がありますね。三浦くんだから面白いとかわいいで収まっている…。

 

  プリンスは幼なじみのノアイーサンに連絡も取らず*1突然地元に帰って来るのですが、その理由は『スポンサーにレセプションでトップの女性ダンサーと組んで踊るよう言われたもののそれを突っぱね、機嫌を損ねた』から。プリンスについて「大人になってから知り合っていたら顔も見たくない1人に選出する」と語るノアが指摘するには『その女性に嫉妬していたこと、負けるのが怖かったこと』が突っぱねた要因だったようで、それを言い当て挑発して焚き付けると殴り合いの喧嘩に発展しかけます。そんな状態とは知らず店に入ってきたマシューが大学でコミュニケーション学科を専攻していると知り、プリンスは自分のせいで傷つけた相手にはなんと言えばいいか、と質問。「それは当然というか…ごめんなさい、です!」と答えるマシュープリンスは「違うな」と一蹴し、「人の過去のミスに拘ると未来を歩けないぜ?この愚か者が!」こそが正解だ、と言います。は「ごめんなさい」を庶民代表の言葉だと思っており、どうしても口にできなかったのです。

 その後転んでしまったキャンディに謝罪するマシューや、喧嘩をしてしまったリビアイーサンの仲直りにプリンスが衝撃を受けていると、プリンスに夢中だったパトロン志望のジョシュアマシューに鞍替えをします。親切にしてくれる周囲に「ここへ来て良かった」と零すマシュー。その言葉にプリンスは激昂するものの、「過去は捨てて未来を歩けって教えてくれたのはプリンスさんでしょ」「(信頼したいから)友達になりたい」と返されます。

 プリンスに結婚を迫っていたもののマシューへの真実の愛に目覚めたキャンディプリンスに対して「これからはわたしに指1本触れちゃダメよ」と忠告。「もしかして、わたしと結婚したくなっちゃった!?」と言う軽口に戸惑っていたプリンスは答えます。「それはごめんなさい」。言えた言えたと喜ぶ幼なじみ3人。ノアは「これからは全てキャンディの求婚に変換して謝れ」とアドバイスします。そのアドバイスを聞いてか物の弾みか、スポンサーに電話で謝り、無事許してもらい皆で安堵する…というのがプリンスの、そして全体の物語。前半部分はかなり端折っていますが。

取捨選択ができない上に語り口が日本昔話すぎる。視覚的に判別しやすいかと思って色分けしてみましたが、逆にチカチカしたらすみません。

 

このビジュアルかわい〜(100回目)

こちらのインタビューもプリンスの核心に迫るお話があるのでまだお読みでない方は是非。 

ところで疑問があるのですが、これ、根本的な問題は解決してなくない?いや、もう1つのウィークポイントたりえた問題である「謝れない」というのは解決しましたが、そもそも「女性ダンサーに負けるのが怖かった」というところが起点で、そこは解決してないんですよね。もう誰かと踊らなくていいってことになったのかな。最後の謝罪のみ英語で、わたしはso sorryしか分からなかったので実はそこも条件としてスポンサーに呑んでもらってたのかもしれない。レセプションを中断したからといってまた改めて同じメンバーで再開、とはならなさそうではあるけど。でもプリンスちゃんまた同じようなことスポンサーに言われたとき無理ですごめんなさいって言える?

ザックに「お前は生まれながらにして天才だったわけじゃない、たくさん努力を積んできた」というようなことを言われるシーンがあるので、そこで負けるはずがない!と持ち直したのかな?でもトップって皆努力してるだろうし、そこは根拠になるんでしょうか。この疑問は英語の件も含めてわたしが見落としてるだけかもしれません。まあでもプリンスは強くてカッコいいから負けないってイーサンが言ってた(言ってない)(イーサンは恐らくそういうタイプの信頼はしていない)

 

登場人物の中でいちばん共感したのがプリンスでした。選民意識とプライドが高く、しかし三浦くんの言葉を借りるなら構ってちゃん。

周囲にちやほやとされるマシューに「そこは俺の場所だ」と感じたんじゃないでしょうか。しかも自分に対しては厳しいノアまでマシューには優しい。その理由が何かと思えば、自分にはない素直さだと言う。きっと女性と踊れと言われたときに芽生えた“誰にも見向きされなくなる恐怖”が振り返して、だから「ここに来て良かった」と笑うマシューに対して怒りを覚えたのかなと思いました。「俺と取って代われて良かったのかよ」という怒り。全ての文章は筆者の勝手な解釈と憶測を含みます(2度目)

 

「ごめんなさい」に対して愚民がひれ伏すときの言葉とも言っていたので、自分の非を認めると相手(=庶民)より下になってしまうという気持ちがあったのかな。

しかし他人のことを庶民だの愚民だの貧乏だの…。ほんとオリビアちゃんの言う通りどういう育ち方してきたんだ。蝶よ花よと育てられてきたんだろうな…。でも期待に応えるためにそこに甘んじず、努力を重ねたんだなと思うと格好いいですよね。

三浦くんを拝見したのは全国立海後編ぶりでしたが、また一段と歌に厚みが増したなあと聞き入りました。マシューの履いている靴を見て倒れ込む一連の動きと*2Twitterアプリのスワイプ音の真似がイーサンの「音うまっ」含めてかなり好き。

 

 

マシュー/増子敦貴さん

田舎出身の大学生。夢を叶えるためNYへ。本人の素直で暖かな気質が出ていてかわいかったです。マシューの、というか増子くんの天然力(てんねんぢから)を見せつけられる時間がまあまあ長いので、お歌の上手さよりも英語をいっぱい覚えられてすごいな…というのが先に来てしまいました。ハスキーな声が柔らかく豊かに響くのが素敵だなあと思います。

 

 マシューは自身の通う大学の構内をうろついていたSJに大学生?と声をかけたところ、激怒されてしまいます。話の流れでマシューを宇宙人だと勘違いし、思い込むSJに戸惑いながらもと友人になるマシューSJはビショビショに濡れたマシューの靴を見てどうしたのかと尋ねると、「クラスメイトに嫌がらせでやられてしまった」と答えます。

 「代わりの靴がある良い場所を知っている」と言うSJに連れられ、足を踏み入れた店こそがザックの経営するOh My Dinerでした。

その店に飾られていたバレエシューズSJキャンディの制止も聞かずマシューに履かせ、SJはこれで跳んで母親に会いに行けるな!と喜びます。店内の人々に見守られながらザックマシューがじゃれる中、プリンスが帰還。

 SJは帰ってきたプリンスへアイビームを出すようマシューへ指示します。「マシューがメガネを取ると目からビームが出る」。SJはそう信じていたのです。メガネを外されたマシューでしたが当然目からビームなど出るはずもありません。で?と鼻で笑うプリンスでしたが、マシューの履いている靴に気づきます。「アーーーー!!!」甲高い悲鳴と共にソファーの背もたれへ倒れ込むプリンス。強い衝撃を受けたもまた、マシューを宇宙人だと信じ込んでしまいました。その靴は俺のものだと主張するプリンスに、貴方のものだという証拠がないとマシューは反論。証拠も何もリビア以外の周りの人間の全員の証言で証明できるはずなのですが*3、靴が濡れていて履けないので今日だけは貸してほしいと頼むマシュー。周囲に宥められても憮然とするプリンスに、リビアがバレエシューズの飾られていた台にマシューの靴を飾ります。

 次の日。一部始終を見ていたジョシュアが経営するブティックに来るよう誘われたマシューはそこで大量の服や靴を与えられ、改めてOh My Dinerへと向かいます。何やら気まずい空気が漂う中、靴を返そうとしたプリンスマシューは「そんな物見たくもない」と突っぱねられてしまい…。というのがマシューの物語。ここから上記の全体のお話へと繋がっていき、彼もダイナーで働くことになります。

 

J.Y.ザックについては「じゃれている」と表現するしかできなかった。文章であの面白さを伝えるの、難しい…。増子くんの天然力を見せつけられる時間とはここのことです。アドリブ爆発大会。

マシューくん、大体何を言われても2つ返事でハイ!!!って言っちゃうので悪い大人に騙されないか心配です。実際騙されかけるし…。ダイナーの皆に守ってもらおうね。

いちばん好きだったやつ。

ところで冒頭のマシューとSJの会話なのですが、下にいたカップルを注視していたのでちゃんと聞けておらず、掴み損ねているところも多々あるかと思います…。

 

ふわふわとしながらも自分の言いたいことはバシッと言う芯の強さが印象的でした。「だからボクはあなたに媚びない!」と激昂するプリンスに対して言い切れるのすごい。

いわゆる幼なじみや腐れ縁って選んでそうなるというよりは自動的にできるものなので、プリンスが初めて自力で1から関係性を作り上げた相手ということになるんじゃないでしょうか。元々プリンスはあまり他人に興味がなさそうなので余計に。性質が真逆だからこそこれから良い関係を築いていけそうでかわいい2人だ…。カーテンコールでマシューが握手しようと差し出した手に応えようとしたプリンスが一旦引っ込めて、お互いの人差し指同士をくっつけるやつしててかわいかったですね。どうでもいいけどETのネタってもう10年くらいやられてる気がするけどどの世代まで通じるんでしょうね。今調べたんですけどETって1982年公開なの!?ET年上!??!ヤダ…先輩ナマ言ってすみません…。ET年上って何?

増子くんも全国立海後編ぶりでした。先々月くらいに斬月の映像を見せてもらったときも思ったんですが、もっといろんなお芝居を見てみたいな〜。彼のグループでの活動を見ていない分際で言うことでもないんですが。言葉が生き生きとしていて好きなので。

マシューの好きなシーンは既に書きましたが「だからボクはあなたに媚びない!」だなあ。他のシーンとのギャップも込みで好きです。マシューの膨大にある夢ってなんだったんだろうなあ。

 

 

SJ/諸星翔希さん

チケット売り。イーサンの弟でプリンスの元舎弟でキャンディの同級生。弟という立場上か、ちょっと特殊な立ち位置のキャラクター。人との関係にこれだけ違う名前がついている人物はこの作品では珍しいんじゃないでしょうか。公式ツイッターでのキャラクター紹介では悪ガキとのことでしたが、本当にガキでかわいかった。この〜〜!って捏ねくり回したいタイプのガキ。身長も小さめなので(周りがデカすぎ)胸からズンズン歩く様が自分を大きく見せたい小物っぽくて愛しかったです。

 

 SJには嫌いなことがありました。ひとつは大学生と間違われること。もうひとつは差別。マシューに大学生かと聞かれ憤慨するSJでしたが、ふとマシューの靴が濡れていることに気づきます。いじめられているのかと尋ねるSJに、ボクはこんなだから…と答えるマシュー。「差別なんていけねえよ」と嘆くSJ自身に散々詰められたマシューどの口で言ってるんだろう…と言いつつ、SJに友達になってくれないかと提案します。SJのような人が友人になったら、自分をからかってくるような“怖い人たち”から逃れられるのではないかと考えたのです。一度承諾しかけるSJでしたがマシューの詩的な言い回しに嫌気が差し、マシューへ襲いかかりますが返り討ちにされてしまいます。マシューは運動神経がよく、ボーイスカウトの経験があったのです。そのあまりに鮮やかな身のこなしにSJは「マシューは実は宇宙人で、メガネを取るとアイビームが出る」と勘違い。宇宙人の友達ができるなんてと喜ぶSJは強く否定できないマシューを連れて馴染みの店へと連れて行くことにしました。SJにはビショビショになったの相棒の代わりとなる、ぴったりなを思い出したのです。

 ダイナーに到着したSJはまず、新しくできた友人のためにレエシューズを手に入れました。しかしそこでキャンディが「そんな簡単に触っていい靴じゃないのよ!」とマシューに詰め寄ったので大変です。のアイビームにキャンディが焼かれてしまうかもしれません。触れるな! 割って入るSJキャンディの求愛も聞かずにマシューへ靴を履かせてしまいました。そんな彼らの様子を見ていたジョシュアの目が光ります。ジョシュアを利用し、プリンスの近くにいる邪魔な存在を排除しようと目論んだのです。自分には金があり、それが成功した暁にはUFOを直してマシューを宇宙へと帰してやると話すジョシュア。それを快諾したSJは、その後帰ってきたプリンスに対してマシューにアイビームを打たせようと指示します。プリンスさえ討てば積年の恨みが晴らせ、自分がこの街で目立てるようになり、ジョシュア妄執から解放される。とびっきりの案でした。マシューの凶弾に倒れたプリンス(シューズを履いていただけ)との語らいで最終的には分かり合ったり、の命令に体が勝手に動いたり。結局友人が増えたこと以外はいつも通りに、SJの夜は更けて行くのでした。

 

文章で大暴れ感を伝えきれないのが残念。あらすじでは切ってしまいましたが、もちろん2日目にも彼は登場します。この項に限らず記憶に自信のないところはちょこちょこ端折っているのですが(小癪)、順番など間違っていたら教えてください。

小生意気でちょっと粗暴だけど心優しい男の子。オリビアちゃんのことを「散々バカにしてくる」ものの、なんだかんだお互いの間で家族愛みたいなものが芽生えているようでかわいい。たぶん他の一見さんみたいなのがオリビアちゃんに自分と同じようなこと言ったら怒るんだと思う。「昔からSJは好きな子にイジワルなんだ」*4と聞いたオリビアちゃんがへえ〜って寄ってきたときの振り切り方もガキでかわいかったです。いちばん好きなのはあー!って指差してそっちを向かせた隙にピュッと逃げちゃうやつ。オリビアちゃんに頭を撫でられたときに照れて振り払うのも、祖母のことを「おばあちゃん」って呼んでるのもかわいい。全人類の弟?

J.Y.ザックのコーナーで良くオリビアちゃん(というかもう雷太さん)と目を見合わせて笑ってるのもかわいかったです。あのシーンだけは皆もう素で笑っちゃってて好きでした。あと「かったりぃぜ!」の言い方がすごく好き。

 

諸星くんは今回初めて拝見したのですが、表現力が本当にすごい!表現力という地盤に卓越した技術が乗っかっているので演技も歌もダンスも素敵でした。それで楽器までできるんだから神さまに連れて行かれちゃうよ…天に見つからないようにしなきゃ…。あとお名前の漢字の並びがすごい。格好いい。

諸星くんのファンの方々の感想を読んでいると割と役とご本人との気質が近かったらしいのですが、香さんのブログを読むにそれもたまたまだったようで。面白いですね。いやでもあの小物感はめちゃくちゃ研究されたんだろうな…。パーソナルな部分を何も存じ上げない身分で申し上げることでもないですが。動きのひとつひとつがコミカルにディフォルメされていて、アメリカのアニメーションみたいでした。カートゥーンネットワークだった。

 

これツイートでは間違えていて、本来はサイモン・ジェンキンスでした。千秋楽の幕が開く15分前にSJの本名が決まったと風の噂(ツイート検索)で聞きました。

 

ノアの「この兄弟は怖いものに弱い」のときの並んだイーサンとSJの表情が絶妙で大好き。ジョシュアに「何が?」って聞くときの言い方も好きです。感覚的にバカにされていることは分かるけど、何を言ってるかは分からなくて質問せざるを得ない苛立ちみたいなのが出てるようで。

彼は部屋に置いておくといつのまにかお金が湧いている不思議なツボとか買わされちゃいそうで心配です。SJもダイナーの皆に守ってもらおうね。

 

 

ノア/神里優希さん

ダイナーの店員。プリンスやイーサンの幼なじみ。伊達男という表現がぴったり当てはまる人物。カッコつけてると言うよりはカッコついちゃうタイプの男。ストーリーテラーの役割も担っていて、キャラクターの人物紹介も彼の仕事です。もちろん普段のセリフもですが、この地の文を読み上げるときの声や言い方が最高に良かった。

 

 ノアはある大事な決心をしました。それはせっかく受かった大学に行かないこと。早く辞めてくれればいいのに、なんて嘯くザックに、ウソを見破る方が好きなので弁護士は性に合っていないとノアは言います。今日もの城は平和でした。腫れっぽいウェイトレスのキャンディに、そんな彼女に好意を抱いているサボり常習犯の店長ザック。気の弱い幼なじみのイーサンと、彼のパートナーであるデザイナーのリビア。同じく常連のジョシュアここを潰そうと躍起になっていますが、今日も恐らく、大した策はないでしょう。そんな折、イーサンの弟であるSJが新しくできたという友人マシューを連れてやって来ました。初めて会った青年に店の鍵を渡そうとする店長に苦言を呈すなどしていると、プリンスが現れました。あちこち飛び回っていたもう1人の幼なじみが、久しぶりに帰ってきたのです。

 次の日の朝。リビアと喧嘩をしたイーサンが、眠っていたソファーから身を起こしました。そこに昨日、好物のミートローフを食べ損ねたプリンスもやってきます。2人の朝食を仕込むザックを尻目に、ノアは口を開きました。には、確認しておかなければならないことがあったのです。それはプリンスの帰ってきた理由。大方、ノアの想像通りでした。怒らせてしまったスポンサーに謝るべきだと諭すノアですが、プリンス聞く耳を持ちません。終いには「俺はダンサーをやめる」と言い放つプリンスと殴り合いの喧嘩に発展しかけます。ノアはプリンスの帰ってくる場所として、ダイナーに留まることでこの場所を守ろうとしていたのです。また、親友として、の暴挙をこれ以上許すわけにはいきませんでした。しかしその後、プリンスと店に飛び込んできたマシューの会話によって、プリンスも自分と同じようにこのOh My Dinerを大事にしていると、改めてノアは知ったのでした。

 ところでマシューとは素直で気持ちのいい青年です。キャンディも本気で惚れ込んでいますし、店主のザックも気に入ったようです。これはジョシュアの毒牙から守ってやらなければなりません。ノアザックにこの店でを雇うことを提案しました。ザックは笑って言います。「ノアのそういうところは好きだ」

 

慣れてきてだんだん文章がクドくなってきた自覚があります。

法学部なら弁護士じゃなくて検事にもなれるんじゃ?と思ってたんですが、「お前(プリンス)がそんなに弱腰なら、俺弁護士になればよかった。必死にここ守ろうとしなくて良かったのかよ」とのことだったので弁護士には本当になりたかったのかな。ウソを見抜くのが好きっていうのは周りへの言い訳というか、「説明するための理由」なのかなあと感じました。見抜くこと自体も好きではあるんでしょうけど。

ノア、めちゃくちゃ格好よくないですか?頭の回転が早くて思いやりとセンスがあって…。そして本当にお声がとても良かった。艶のある滑らかな声で、すっと耳に馴染むけどしっかり余韻が残るのでナレーションにぴったりでした。個性に富んだ面々の中では抑え気味ですが良い意味で主人公っぽくないというか、観客に対して“感情移入をさせる装置”として働いていないのが良かったです。彼は彼のために存在していて、あの場にいるために何も削ぎ落とされていなかった。ちょっと語彙が乏しくて説明が難しいんですが。ナレーションが一貫して主観的なのも良かったですね。セリフ自体も言い方も、“ノア”から出た言葉だった。だから彼が感情を露わにするシーンでも突飛さがなくて良かったです。ノアの項良かったしか言ってないな。

 

神里くんは2018年の方のトラベルモードぶりでした。今回みたいな役は初めて拝見したんですが、本当にめちゃくちゃ良かったな…。気が弱くて心優しいレイモンももちろん良かったんですけど。プリンスに対するアメがイーサンでムチがノアになってるのも幼なじみたちのバランスが良くて好きです。今まではムチになりきれなかったというか、それをちゃんと振るう前にプリンスがそのスター性を世界に見つけられてしまったんだろうな…。大丈夫かなと思いながら送り出した友達が大丈夫じゃなかったんだからその焦りも分かる。プリンスの帰郷理由を言い当てるシーン、厳しい表情のノアとそうなんだ…と言いたげに感心するイーサンとどこかバツの悪そうなプリンスが三者三様でかわいかったです。あのイーサン、ノアはすごいな…って顔してるのが微笑ましかった。素直すぎる。そういうバラバラの3人が友情を保って集まってるのいいですよね。

眠らない街、ニューヨーク」に対して「眠りたくないんだ、みんな」って口にするときのどこか自嘲的な言い方も印象に残っています。皆が、ノア自身が抱えている寂しさをちょっと見せてもらったような感じがして。みんな表には出さないけど居場所を求めてダイナーに集っているのが垣間見えるようで、好きなセリフです。

雷太さんが神里くんのことを「楽屋では一番愉快」と評していて舞台裏がめちゃくちゃ気になります。本編は諦めるからバックステージの映像だけ売ってくれないかな。たぶんカメラ回してないだろうな。今回映像として残らないのは恐らく権利関係の問題なのでしょうが、著作料くらいこちらで出すのに!ってこういうときいつも思ってしまう。実際はお金だけじゃなくてもっといろいろ複雑な問題があるんだろうけど…。あれが記録に残らないの、未来の人類にとっての損失だよ〜。まあでも何事も外野が言うだけなら簡単って話なんでしょうね。皆やれるもんならやりたいだろうし。

 

 

イーサン/田中涼星さん

フォトグラファー。プリンスやノアの幼なじみでSJの兄でオリビアの恋人。SJの項で「これだけ関係に名前がついてるキャラクターは珍しい」というようなことを書きましたがイーサンも多いですね。というかよく考えたらノアとキャンディは同僚だし彼らとザックは雇用関係にあるし、普通に皆いろいろあるな。なんとなく性質が違うように感じるなという話がしたかったんだと思います(憶測?)

これは直感的にそう感じただけで特にこのシーンを思ってどうと言う根拠(こじつけと読む)などはないのですが、イーサンが登場人物の中でいちばん孤独を感じていないんじゃないかなあ。人や人との繋がりに「これ以上」を求めていない唯一の存在に見えました。他者に責任を求めずに自分で痛みを抱えてしまう人、という印象を受けました。

 

 イーサンの気分は、あまり良いとは言えませんでした。のパートナーであるリビアのワガママに困り果てていたのです。発端はダイナーでのイーサンの注文でした。マッシュルームオムレツと、クリームチーズスクランブルエッグ。*5それを聞くやいなやリビアが「どんだけ卵摂取すんの?タンパク質と浮気する気?」とヘソを曲げてしまったのです。それだけならまだしも、「今すぐ傷ついたぼくを抱きしめて愛してるって耳元で叫んで!」と口にするのだからたまりません。なんとか宥めようとするイーサンでしたが、リビアはこの場で抱きしめなさいよと聞く耳を持たず、キャンディさえ楽しそうに焚きつけてきます。イーサンが助けを求めると、ノアが言いました。「モロッコに行きなよ」。その意図を尋ねると一夫多妻制だから、とノア。いいかも、と検討するイーサンでしたが、今すぐ実行するには見過ごせない懸念がありました。ノアと離れ離れになるのも、いつ帰ってくるともしれないプリンスの幼なじみが1人となるのも大変な問題に感じられたのです。真剣に悩むイーサンに、リビアが言い放ちます。つまんない男! その言葉に闇に飲み込まれそうになるイーサン。ぐにゃりと世界が歪む中、イーサンは「確かに僕はつまらない男だ。だが君はそんな僕を好きになった。だから君もつまらない男だ!」とリビアに言い返します。その反動でか泣き出しそうになったイーサンノア「泣いたらスーザン(だっけ?)先生のマネするぞ」と言うと、または飲み込まれそうになってしまいます。ノアはしまったと眉を顰め、リビアもむくれていますが、イーサンはそれどころではありません。彼がなんとか勝利を収めると、その様子を見ていたキャンディが笑顔で言います。今日も賑やかで平和!

 そんな平和を壊す影がダイナーに潜り込んできました。ジョシュアです。プリンスの才能に惚れ込んでいるは、プリンスが大事だと語るこのを潰そうといろんな策を講じてきました。どれも大事には至っていませんが、このダンディながここを脅かす存在であることには間違いありません。はこちらの警戒が正しいことを裏付けるような含み笑いでイーサンノアに聞きます。「ハイスクールの連絡網は破り捨てでもしたのかね」。望まぬ人の襲来は、しかし望んでいたニュースをくれました。なんと2人の幼なじみであるプリンスが、この街に帰って来ると言うのです!

 

べそかきイーサンのぐにゃぐにゃ演出、わたしが聞いたのは「闇に飲み込まれる」と「闇の部屋に閉じ込められる」の2種類だったと思います。千秋楽ではいよいよプリンスに「なんだそれ」って突っ込まれてて面白かったです。それ聞いていいことだったの?

カップル、かわいかったですね…。もうオープニングでの登場からかわいかった。ショッピングバッグやたぶんメイクボックスを両手に持たされたイーサンがヨタヨタ歩いて、走って追いついたオリビアちゃんがこれもよろしくね♡って手に持ってた荷物をイーサンに託して投げキッス、走ってまたどこかに行っちゃうオリビアちゃんの後ろをイーサンがしんどそうに着いていくの、かわい〜。

イーサンの普段の気質が優しく脆いので、オリビアちゃんとの喧嘩のシーンで見せる怒りに驚くを通り越して慄きました。怖かった。あの場面、サイレントで行われていたのが2人の感情を浮き彫りにさせていて良かったですね。またお2人とも表情や間がどんな言葉よりも雄弁で、気づけば固唾を飲んで見守ってました。ダンスも素敵だったなあ。

しょうもない話なんですが田中さんも雷太さんも手足が長くてダンスのキレが良くて曲の振りもダイナミックなので♪My Boyfriend's Backでいつも風速500メートル…と思ってました(本当にしょうもないね)

料理が出てきたあとの2人がソファーでいろんなことをしているのでついそっちに目が行ってしまいました。オリビアちゃんが卵にケチャップやマスタードをかけて「召し上がれ?」ってツンと澄ましてたのも、イーサンが文句もそこそこになんとかソースを除けながら食べてるのもかわいかった。1回オリビアちゃんがソース類じゃなくてお冷をかけてて(確か9日でした)それはマジで最悪!と思いました。

https://twitter.com/omaenannyanenn/status/1327875199702757376?s=21

好きだったやつ。

 

田中さんはフェルマータぶりでした。フォロワーが終演後みんな口を揃えてジェキ…って言いながら出てきたのが面白くて、良く覚えています。ほんとに周りみんな言ってたしわたしも言った。My Little Ruby BirdとXデー、何度見返したかなあ。ジェキも最高でしたが今回も最高でしたね…。ところでデビミュのウリエルートを心待ちにしているんですけど。

あ、ウソ。裁きの塔の方がフェルマータより後だったしなんならしょばミュ(って呼ぶんでしたっけ)も観た。今回のメンバーの中では雷太さんに次いで複数の役を拝見してる方ですね。映像だけど孤島の鬼も観たし。関東氷帝の乾VS手塚で特に乾推しというわけでもないのに毎回めちゃくちゃ泣かされた記憶が今急に蘇ってきました。話がかなり脱線してしまった。

リビアちゃんと喧嘩してダイナーで夜を明かしたあとスクランブルエッグを注文してノアに「(卵を)愛してるんだな」って言われたときの「やめられないよ」、ノアとプリンスが殴り合いになりそうになるシーンでの「そんなのやだよ!」が好きです。前者は肩を竦める仕草とアクセントやテンションが好きで、後者はこの場面でイーサンから出てくるのが話し合ってよ!などの代替案でなく、“自分の感情”なのが面白かったので。この面白いはfunnyではなくinterestingの方です。イーサンはおそらく事態が飲み込めていないので、そうなるのも已むなしという感じもしますが。良い意味で感情的なキャラクターですよね。オリビアちゃんは悪い意味で感情的だけど、そこがめちゃくちゃかわいいと思います。イーサンもそう思う?

 

 

リビア/雷太さん

モデルになる夢のためにニューヨークに来たものの、それが叶わずファッションデザイナーに。オリビアちゃんが道を歩いていたら2秒でスカウトされそうなものですけどこの世界のモデルって30頭身くらいあるのかな?デザイナーなら自分でデザインした服のモデルを自分でやるのも難しくないと思うのですが、そういえばレディースっぽかったですね。オリビアちゃんの中でそこが切り分けられてるのなんかいいな。

この4枚目。オリビアちゃんのデザイン画の表紙も‪ハートがいっぱいでかわいかった。お化粧も化粧品も大好きなので日替わりメイクが楽しくて仕方なかったです。千秋楽のメイク、クレオパトラだったなあ…。

リビアちゃんも比較的新しいメンバーな上にこの中では割と感性がまともなので、ツッコミ役に回ることが多かったイメージです。オリビアちゃんをイーサンがダイナーに連れて行ったのかダイナーでたまたま出会ったのか…。突然のことにシャッターが押せなかったイーサンに「記者には向いてないね!」ってピシャッと言ってたのはツッコミというより恋人へのイジワルって感じでかわいかった。

 

 リビアの気分は、あまり良いとは言えませんでした。のパートナーであるイーサンの態度に呆れ果てていたのです。の仕事先の女編集長はイーサンを口説こうと熱心なようですし、 そんなイーサンは自分よりも卵料理にご執心です。昔はどこでも抱きしめてキスしてくれたのに、人目があるからと言って傷ついたリビアを慰めてもくれません。極めつけは彼らの幼なじみとかいうです。イーサンは「そんな関係じゃない」と言いますが、会いたいと目を輝かせるのですから油断はできません。そして彼女の警戒は、あながち間違ってもいませんでした。プリンスがこのダイナーに足を踏み入れるやいなや、みんなに夢中になってしまいました。イーサンもです! リビアは熱心にシャッターを切るイーサンをつついたりカメラのフレームに入ったりとしてみますが、どれもこれも軽くいなされてしまいます。更にノアのジョークを真に受けたイーサンプリンスに一夫多妻制について聞くのですから、リビアももう黙ってはいられません。突っかかるリビアを前に、プリンスイーサンへと尋ねます。「こちらのお嬢さんは?」のことをお嬢さんとは、なかなか見る目のある人物です。リビア彼女をパートナーとイーサンに巻きつきながら、プリンスに自己紹介をしました。「ぼくはオリビア。イーサンとの関係は深いんだから」。牽制するリビアに、プリンスは2人にとって思いもよらないことを口にします。「君は美しい。俺の親友イーサンの恋人でなければその唇、奪ってたな」たまらずリビアが、次いでの言葉を聞いたイーサンがそれぞれ叫びます。「今すぐ別れます! お願いします!」「なんだよそれ!」

 夜も更け皆が散り散りになっていく中、プリンスへ靡いた素振りを見せるリビアイーサンが詰め寄ります。激昂するイーサンに突き飛ばされ、突き飛ばし返してしまったリビア。そのまま荷物を引っ掴むとイーサンを残し、リビアを後にします。外を歩いていると、聞き馴染みのある声が聞こえてきました。キャンディです。プリンスの言葉に傷ついたキャンディを慰め、リビアダイナーに戻ると、ソファーに横たわっていたイーサンと鉢合わせします。引き止めるイーサンの手を振り払い立ち去るリビアでしたが、次の日「わたしが悪かったの。ホントはプリンスなんかに興味はないの。でも、意地悪したくなった」と謝罪。イーサンも「僕の方こそ抱きしめてあげれば良かった」と謝罪し、2人は「ごめんなさい」という言葉に震えるプリンスにも気づかずに抱きしめ合うのでした。

 

これだと途中で荷物が消えるバグが起こっているので、荷物持って帰っちゃったのはイーサンと鉢合わせてからのダンスのあとだったかもしれない。袖で置いてきた可能性もあるけどオリビアちゃんには(というか皆には)袖とかないので…。どうだったかな。まあいいや。

しかしこれ色分けが反映されてなかったら意味の分からない文章ですね。個人的にオリビアちゃんは男性でもあり女性でもあるというか、肉体が男性で精神が女性である自分が好きなのかなあというポジティブな印象を受けたので、その印象に準じた作りの文です。ここは作中で明言されているわけではないので感想など分かれるところかと思いますが。

「プリンスなんかに興味はない」と言いつつ、正気を取り戻したプリンスに鼓動を高鳴らせてたり、イーサンとプリンスを交互に指差しながらどうしよう〜!になってたりと、ちょっと怪しいぞ…と思いました笑 でもお腹の底では心は決まってるんだけど悩むふりするのが楽しくてそういうことしちゃうときもあるよね。誰にそれを見せるわけでもなくね。

帰り際のプリンスに手を振るオリビアちゃん、本当にやってることと言えば手を振るだけなんですけど、もう明らかに「気がある相手への挙動」ですごかった。しかもそれが後ろ姿だけで伝わるんだから、わたしが姫川亜弓さんだったら客席で白目を剥いてたな(?) ちょっと躊躇いがちに、でも弾かれたように動き出してて…。そりゃイーサンも怒るよ。ところでイーサンが「オリビアは君(プリンス)にキスをしようとした」って言ってたけど、そんなシーンありました…?席が下手に偏ってたから見えなかったのかな。それともあのまま行ったらってこと?喧嘩中にそうよキスしようとしたわよ!とか言ったのかな。ここちょっと分かんなかったです。

嫉妬するオリビアちゃんはシャー!ってよく爪を立てて威嚇してたんですが、「(プリンスが)帰ってきたら(オリビアを)紹介したいって言ってある!」ってイーサンが言ったときにその手をキュッと丸めて「合格♡」ってご機嫌で座り直したのがすこぶるかわいかった。そのあと手首をくいくいさせて猫のポーズしてたのもかわいかったですね。あの不機嫌な方向に素直な感じといい、気位の高い猫ちゃんだったなあ…。

あとこれはたぶん偶然なんですが、仲直りにきたオリビアちゃんが柄の細かいグレーのチェックパンツに履き替えてるのがイーサンの格好に合わせてきたみたいでかわいかった。イーサンがギンガムチェック、オリビアちゃんがグレンチェックでしたね。オリビアちゃんがかわいかった話スマホ換算であと20行はできるな…。

リビアちゃんの挙動や仕草、台詞の言い回しが正にアメリカの女!という感じで好きでした。特に「感情の波がいろいろよ!これから出会うイケメンに嫉妬するべきなのか、マイフレンドとして大らかに迎えるべきなのか迷ってる」と「そんなデカい独り言、自由の女神にも聞こえてる」が好き。

肩を竦めるときに腕を大きく広げて肘を90度くらいに曲げてるのが良くて。SJの動きは海外アニメを想起しましたが、オリビアちゃんの動きは海外ドラマを思い出しました。ティーンの女の子がいっぱい出てくるようなやつ。

 

ヒロステぶりの雷太さんでした。会いたかった〜……。舞台なので会うと言うと語弊があるんですけど(向こうは分かんないし)、ここ8ヶ月ほどずっと雷太さんの全身から発散される光を浴びたくて仕方なかったので万感の思いでした。

ダンスの最後にポーズをバシッと決めながら肩で息をする姿が大好きなんですが、それが約1年ぶりに見られたのも本当に嬉しかったです。今書いてて思い出したけどこの自粛期間中にインスタライブでKAWAII FESTIVALを全力で歌い踊ってくれたときにも見たな。でもやっぱり練りに練られたパフォーマンスを眩しいほど鮮やかに見せてくれるところが特に好きだなあと再確認しました。あと卓越した身体表現から生まれる細やかな心象描写が好き。そんな雷太さんがかわいいオリビアちゃんを演じてくれたのも嬉しかった〜。幕が開いて110分ずっと夢みたいな気持ちでした。

 

「ぼくはオリビア」ってぼくと言いつつ女性名を名乗るのが好きです。「こっちの方がカワイイから」という理由でオリビアって名前を使ってたらいいな〜と勝手に思っています。何かのっぴきならない事情があってもそれはそれでいいけど。

心理学において恋愛における嫉妬(ジェラシー)は自信のなさの現れと言えるらしいです。わたしはジェラシーにしろエンヴィにしろ、嫉妬っていうのをしたことがないので昔に聞きかじった知識がベースで実感がないんですが。

嫉妬は強くて深い劣等感にもとづいているのがわかる。嫉妬深い人は、パートナーを自分のもとに引き止めておくことができないのではないかと恐れている。(アドラー心理学)

今検索した。強くて深いまでは言い過ぎにしても、何かしらあるのかなあという気はしますね。想像しやすいのは女性性への劣等感だけど、彼女にはあんまりそぐわないようにも感じられて。そぐわないというか恐らく葛藤はあったんでしょうけど、それをある程度は乗り越えてるんじゃないかなあ。どうだろうな。個人の所感です。雷太さんに持っているハッピーなイメージを引きずってる部分もあると思う。

まあでも卵に関しては嫉妬というよりちょっとしたワガママみたいなものなのかなあ。本来は嫉妬って自分に近しく、自分より優位な者に向けられる感情のはずなので。まあオリビアちゃんも栄養素的にはタンパク質だし、食は生命維持に繋がるという面において優れているから卵もそれに当てはまると言えるのかもしれませんが…(?) どうでもいいけど「意地悪したくなった」って言い方かわいいよね。

 

 

キャンディ/社家あや乃さん

ダイナーのウェイトレス。メインビジュアルより舞台でのヘアメイクの方が好きでした。くるくるのポニーテールに目尻のダブル跳ね上げアイラインが睫毛っぽくてかわいい。アクビちゃんみたい。

そして歌声が本当にすごかった!鈴を転がすような高く透き通った声なのにパワフルで、ソロはもちろん、男声での合唱に彼女の声が入ると声の層がぐんと広がって聞き応えがありました。台詞回しも仕草もかわいかったなあ。オリビアちゃんとキャンキャンやり合ってるのも好きでした。

 

 キャンディは色めき立っていました。なんと、プリンスが帰ってきたのです。性格も顔も最高な、キャンディと将来を誓ったあのプリンスがです! 彼女と同じくこのダイナーで働くノアの笑顔や眼差しにも胸をときめかせてきましたが、やはりプリンスへの愛には敵いません。マシューという自称(他称)宇宙人の登場に尊厳を傷つけられたプリンスはおかしくなってしまいましたが、そんなのだって些細なことです。それにキャンディにとってこれは、の本心を聞き出すまたとない機会でした。結婚を迫ったキャンディプリンスが言います。「お前と結婚するくらいなら宇宙人と結婚する」。その言葉に高鳴っていたキャンディの心は一気に氷点下へと突き落とされてしまいました。しばらく固まっていたキャンディリビアに揺り起こされますが、の言葉は深く突き刺さり、なかなか抜けそうにありませんでした。

「ねえ、聞こえた? 彼、わたしとは結婚したくないって言ったの。あれは何かの間違いだったのかしら? それとも、本心?」キャンディは窓の外に向かって投げかけます。「こんな明るい街で、独りぼっちで、誰にも愛されてないって不安になるの。みじめったらしいし腹立たしいし、でも何に腹立たしいのか分からない」「自分によ」感情を持て余すキャンディに、応える声がありました。リビアです。愛されてないって思う方がラクよ。頑張んなくていいんだもん。でも、誰かを好きって楽しいじゃない?」この感情ほんとにウザいんだけどね、とリビアは眉を顰めてみせます。固まっていたキャンディには知る由もありませんでしたが、リビアイーサンは喧嘩をしてしまっていたのでした。彼女は続けます。「女の子は生まれたときから治らない病気を抱えるの。好きになったら、まっすぐにしか走れない病気。大きな傷を作るまで止まれないのよ。変なの」治らないんだから諦めて、とリビアに言われたキャンディは聞きます。「男の子はそうじゃないの?」リビアは笑って答えました。「さあ。あたしには分からない!」

 翌日。店にはほとんど皆揃っています。ザックノアイーサンマシュー、そしてプリンスキャンディリビアの言葉を胸に、プリンスへと一目散に駆け出して行きました。「女の子は、まっすぐ走る!」プリンスに避けられたキャンディは勢い余って転んでしまいます。でもまだまだこんなの、大きな傷と言うほどのものではありません。額の汗を拭うキャンディに、思わぬところから光が射し込んできました。マシューの手です。嫌! キャンディは堪らず叫びました。なんだか胸がドキドキして落ち着きません。どうやらキャンディは、マシューに本気で恋をしてしまったようです!

 

惚れっぽいと言いつつ、ザックの求愛に靡かなかったりカップルの2人には好きって言わなかったり、結構節操あるな…と思いながら見てました(言い方)

たぶんキャンディちゃんの「好き」って「愛されたい」の裏返しだったんじゃないかなあ。だから他人の物は素敵に見えないし、誰でもいいけど誰でもじゃダメで選んだ人から選ばれたい。みたいな。

そんな子が本当に恋を知って「どうしよう!本気だと好きって言えない…!」に言ってるの、かわい〜。

「ホラ!彼(ジョシュア)だって言うよ、あんなドブ猫(キャンディちゃん)に恥ずかしげもなく愛してるって!」リップサービスだよ!」「じゃあ、ぼくへの愛してるはリップサービスじゃなくてぇ」「本心だから簡単に言いたくないんだ」「やだ!好きっ」「知ってる!」「ムカつく〜〜〜〜!!!!」←全員かわいい

リビアちゃんがキャンディちゃんのこと「小娘」だの「ドブ猫」だのと呼ぶのまあまあな悪口だと思うんですけど、この序盤にキャンキャンワーワーやってる2人が、相手が落ち込んだときには慰められる関係なの良いですよね。言いたいことを言い合える悪友よりの友達って感じで。窓辺のシーン好きだったなあ。窓辺のシーンって言うのかな。場面と場所の切り替えもすごかったですね。そこでキャンディちゃんの歌にオリビアちゃんがコーラスで入るのも好き。

 

リビアちゃんの「あたしには分からない」について未だに感情を言語化できないのでちょっと詰めたい。ごめんねちょっとオリビアちゃんのお話するね。モデルって自分の体を使う職業だから、それを目指してたってことはオリビアちゃんは結構自分の外見を気に入ってるんじゃないかなあと思うし。鏡に向かってかわいい顔だけの百面相してたし。

可能性としてはコンプレックスかジョークかその両方かなあと思ってるんですが、みんなはどう思う?(?)

コンプレックスって言っても先に否定したような劣等感ではなく、女性性ないし少女性への憧れという意味で。その憧れを認めて表せる素直さみたいなものを、オリビアちゃんは持ち合わせてない気がするんですよね。プライドや気位が高めなので。ただオリビアちゃんがキャンディちゃんがこれから一生獲得することはない少年性をひけらかすとは思えないし、その線もあるかもしれない。ああでもオリビアちゃんが「男の子として」誰かを好きになったことがないってことなのかも!? えっこれじゃない!?わたしの結論これです!!(そうですか)

結論とは言えそれだけではないのかなと思うけど。今ここで書いたようなことも書いてないことも、いろんな感情が混ざり合って表れたのかなあって思います。キャンディちゃんってすごく“女の子”だから、そういう存在に焦がれたこともあるんじゃないかなあ、とも。オリビアちゃんのお話終わり。あ、キャンディちゃんが出したハートを鷲掴みにしたオリビアちゃんがイーサンに臓器移植してるのも面白かわいかった。

 

頭から爪先まで「かわいい」のエネルギーに満ちていて、元気で無邪気な、鮮やかなまでの“女の子”だった!

プリンスが帰ってくるって聞いたあとだったかな?ソファーで1人座りながら、何か想像してキャ〜〜!!って脚をジタバタさせてるのがめちゃくちゃかわいかったです。これから毎日近くに好きな子おってどうすんのアンタ〜!!(近所のおばちゃん?)

 

あと早口言葉の日替わりもすごかった〜!滑舌もいいしお声もかわいくてリズミカルなので聞いててすごく楽しかった。舞台に即したオリジナルの早口言葉まで飛び出してたのすごいな〜。すごいの三段活用みたいになってきた。

いちばん好きなオリジナル早口言葉です(そうでしょうね)

これあとでオリビアちゃんがほんとにイーサンに折り紙持ってきたらしくて見たかったなあ。観劇日と合わずオリジナル早口言葉は聞けずじまいでした。元のやつも素敵だったのでそれが聞けただけでも嬉しい。

あと関係ない話で恐縮なんですけど、社家ちゃんすごく綺麗な丸アーモンドアイだな〜と思います。横幅も縦幅も大きくて目頭もスッとしてて印象的。

これキャンディちゃんの手帳(?) このリンクはアフィではないです。サンリオの公式サイトでは売り切れてた。たぶん10月始まりなのでダイナーの予定が書けるぞ!(違ったらすみません) わたしが行ったお店にもこれはなくて、クロミちゃんの手帳をオリビアちゃんだ〜って買って帰りました。オタクはすぐにそういうことをする。

 

 

ジョシュア/小野田龍之介さん

ダイナーの常連客。実業家。最初あのチョコレートのキャラみたいなマスコットに準拠してイーサンより薄い黄緑にしていたのですが、はてブのデフォルトだとあんまり色の差がないので途中からしれっと色を変えてしまいました。

登場シーンの印象からもっと悪い人なのかなと思ってたら結構お茶目でかわいかった。

グランドミュージカルに出演されてる方って、その方たち特有の発声をされてるように感じます。何がどうとは言えないけど。声が音になってる感じ?リズムがあって節があって、みたいな。なんというかこう、すごく“舞台っぽい”のでダンディで底知れないジョシュアとマッチしてるように感じました。

 

 元子役スターのジョシュアにはある1つの特別なニュースがありました。最年少プリンシパルに選ばれた、あのニューヨークが産んだ稀代のスター、プリンス・クーパーが帰ってくると言うのです。彼の憎き幼なじみたちはこの素敵なニュースを知らないようですし、その点でジョシュアは彼らより優位に立っていると言って差し支えないでしょう! 聞いていたオリビアが「コドモね」と眉を顰めていますがそんなのは些末なことです。ジョシュアはステージに立つプリンスを一目見たときから確信していたのです。彼こそが運命の金の成る木だと。ああ、湖の畔で手を繋いで歩く自身と彼の姿が見えます。それを現実のものとするために、やるべきことはいくらでもありました。まずはプリンスを産んだこの街に銅像を建てること。場所はこのダイナーの跡地が望ましいでしょう。まだこの店は潰れてはいませんが、遅かれ早かれそうなるのですから同じことです。「ミートローフがないと怒るからダイナーは潰すな!」イーサンが口にしますが、それなら銅像にミートローフを持たせてやれば良い話。そして自分がプリンスのマネージャーになって彼を支え、さらに世界を支配するのです。それにしてもこのイーサンもノアも憎らしくてなりません! 幼なじみなどと宣いプリンスとお近づきになるなんて身の程知らずも良いところです。しかもこの素晴らしき計画に誰も耳を傾けようとしないのだから尚更です。後から現れたザックに『プリンス博物館』の計画書すらビショビショにされてしまいました。

 しかしそんなジョシュアにも好機が訪れます。SJが宇宙人を連れてきたのです。それもなんとメガネを取ればビームが打てると言うではありませんか。そのビームで邪魔者を片付けてしまえばいい。ジョシュアはこの素敵な思いつきを叶えるべく、SJを呼びつけました。自分には金があること、その金でマシューを帰るべき宇宙に帰してやれることを説くと、SJはまんまと乗ってきました。しかしジョシュアの目論見はまた外れてしまうこととなります。なんとSJはコイツが一番の邪魔者だと愛すべきプリンスに向かってビームを打たせてしまったのです。彼を前に倒れてしまうプリンスでしたが、なんとか正気を取り戻しました。ジョシュアはマシューに明日、自身の経営するブティックまで来るように言いつけます。そしてプリンスに「それまでマシューくんに靴を貸してあげなさい。これは命令だ」と言うと、「俺は命令されるのが一番嫌いなんだ」とSJにジョシュアを追い出すよう指示しました。狂乱の中追い出されるジョシュアでしたが、しかし収穫はありました。明日、マシューという輝く原石が店にやって来るのですから。

 翌る日。たくさんの服や靴を出世払いとしてマシューへ与えたジョシュアに、また新たなニュースが飛び込んできました。それはニューヨークが産んだ稀代のスター・プリンスが、ダンサーを辞めるかもしれないという噂でした。

 

マジでしょうもない話なんですけどあらすじを書きながら『ヤンデレの妹に死ぬほど愛されて眠れないCD』の「幼なじみとか言ってお兄ちゃんに擦り寄って来るけど?結局は赤の他人じゃなーい!」の部分が延々と頭の中で繰り返されてなりませんでした。このネタちょっと前のインターネットにズブズブだった人以外に通じるのかな。ダンディな紳士に愛されるものの興味がないのでスヤスヤ眠れるプリンス(なんて?)

先に書いた通り、もっと悪いやつでもっと悪どいことをしてダイナーを窮地に陥れるのかなと思ってたら意外とそんなこともなく。実際お金はあるみたいだし、本気でやろうと思えばいくらでも終わらせられちゃいそうなので、実は今更「仲間に入れて」って言えないだけなんじゃないのかなあと思っていたら、実際2部のショーでザックに私のことも雇って〜!って駄々こねてましたね。あれはマシューが働くことになったからと、プリンスが訪れたときにすぐに分かるからみたいなことを言ってましたが。あの制服着て「いらっしゃいませ〜!」って笑顔のジョシュアさん想像したらめちゃくちゃ面白くない?

SJに叩き出されるとき「なぁに!やだぁ!」ってIKKOさんになるのが好きで毎回喜んでしまった。ジョシュアさんが追い出されて、オリビアちゃんがご機嫌に手を振ってるのもかわいかったです。手の振り方も綺麗だったし。あとキャンディちゃんがジョシュアさんに向けて言う「今日は何を企んでるんだか!」もかわいかったな。ジョシュアさんが「原石を見つけた!」って言ってるときにオリビアちゃんが「あたし?」って両肩に手を置いて自分を指し示してるのも好きでした。そんな磨かれてたら原石どころか宝石だろうが(なんで怒ってんの?)

 

わたしのテニミュは2ndからだったので、小野田さんも今回初めて拝見しました。これ100万人が言ってるんだろうけど本当に歌がすっごかったなあ。圧倒的な歌声の前じゃ特筆することはないくらい平凡なステラボールの音響でも帝国劇場になるんだ…。いやステラボールもそんなに悪くはないですけどね。

ジョシュアさんのくるくる変わる表情もいちいちコミカルで素敵だったなあ。9人全員の個撮映像欲しいよ〜。

 

ザック/おばたのお兄さん

オーマイダイナーの店長。そういえばザックっていわゆる傍観者的な立ち位置なので、彼の物語らしい物語は今回ないんですね。傍観者というか、一歩引いたところでそれぞれの営みを見ているような。プリンスにとってあまり周りにいないタイプの大人なのかなと思います。「スターであるプリンス」のことも「ただのプリンス」のことも、同じくらい認めてる感じがします。ジョシュアさんは分かりやすくスター側に全振りだし、大人ではないっぽいけどノアやイーサンはプリンス自体が枝分かれした先にスターの部分があると思っているイメージ。存在として分裂してないって言うのかな。かなり感覚的な印象の話ですが。

 

キャンディちゃんに言い寄っていて、でもあんまり相手にされてなくて、舞台の脚本を書いていて、でもあんまり相手にされてなくて。それでも悲壮感がないのは、ザック本人がそれで構わないと思ってそうだからでしょうか。

とは言えプリンスの言葉を借りるなら「こんな最低で最高なダイナーのオーナーでありながら夢(脚本家としての大成?)を叶えるためにもがいてる」らしいし、ほぼ全員に「つまんない」と一刀両断されてるレベルのようなので、それは本当になんとかした方がいいよと思います。好きな俳優の演技を観られること以外は何の利もないつまんない舞台を見せられてきた怨念パンチを喰らえ!!!!*6

 

部屋にテレビがないのでおばたのお兄さんのことを知ってたか知らなかったかすら定かでないのですが(見たことがある気もするしなかった気もする)、今回でばっちりくっきり記憶に刻まれました。

お芝居も歌もダンスもアクロバティックもできる上に頭の回転も速い!あと物真似が上手い!(本業!)

増子くんの投げる球が豪速球でもへろへろボールでも、状況に応じてしっかりと面白く返されるのがすごかった。あと増子くんはあれを素でやってるのが本当にすごい。

お兄さんももちろんですが、他の舞台では一握りしかいない「なんでもできるマルチプレイヤー」が一堂に会してるのがこの舞台のすごいところでしたね。どこを見ても何を聞いても楽しかったです。噛んでも噛んでも味がなくならないのにいろんな味が楽しめる魔法のガムだった。

 

店長がメインのお話も見てみたいな〜と思いつつ、彼が“大人”である以上、この登場人物の中では難しいのかなあとも思います。キャンディちゃんのことは本気じゃないというか、邪険にされる前提のアプローチだといいな…。他人の気持ちをあんまりとやかく言うものでもないですけど。

舞台だと難しいかもしれないけどちょっとした小話みたいな感じで見てみたいですね。『店長の1日』。

 

 

まとめ。

終わった…。毎日少しずつでもと進めてきたのですが書いても書いても終わりが見えず、だんだん仕事か?という気持ちになりました。これ別にそんなに分かりやすくないな…と気づいたのがキャンディちゃんのあらすじを書いているときだったので後の祭り。でも視点の整理という部分においては成功した(その後の感想が書きやすかった)のでまあいいかな〜と思っています。たぶん二度とやらないけど。感想の感想って何?

 

普段舞台を観ていて好きな俳優の演じた人物について考えることは多いのですが、他の人物について考えることは滅多にないのでかなり新鮮で面白かったです。理屈を捏ね回して感情を分かったつもりになるのが趣味なので(最悪)全然ピンとこないな…というところもたくさんありそう。

でもやっぱり“好き”ってもう1階層奥に進む力を得られる感情だと思うので、それぞれが好きなキャストやキャラクターについてもお話聞きたいです。観客の境遇や性格によっても受け取り方が全然違うだろうし、もちろんオリビアちゃんの話は死ぬまで聞きたいのでよろしくお願いします。

救済箱

仰々しい名前に排他的な説明文ですがただのお題箱です。

 

 

さて、全体とキャスト以外の部分の感想です。

物語の基本的な骨組みが起承転結ならこちらのお話は承承承承という感じかなあと思っていました。皆の日常の中に「プリンスが帰ってくる」という非日常こそぶつけられたけど、それだってマシューやオリビアちゃん以外にとっては日常だったし、これから彼らにとっても日常となるし。カップルの喧嘩は個人的にはかなりの大事件だったので非日常であってほしいですが(願望?) 

舞台に「演出」と「演者」があるから光るお話だな〜という印象でした。あの迫力があって派手な演出と、役として生き生きと動く演者がいてこそだなあ、という。

それぞれに結構満遍なく見せ場があるからキャラクター皆のことが好きになって、情が湧いて、もっといっぱい見たいな知りたいな〜って気持ちになれてよかったです。再演か続編やって〜!どっちでも嬉しいけどいろんな姿が見たいので続編がいいな。続編がいいです!!

あとやっぱり2部のショーがめちゃくちゃ楽しかった!!楽曲のパワーにエネルギッシュなパフォーマンスを背景の映像がドーン!と後押しして、楽しい以外存在しない時間でした。見てる最中はもちろんずっと楽しい!!と思ってたし終わって3週間経った今でもあー楽しかった!って記憶の箱を開いては思える素敵な舞台だった。だからこそ円盤が欲しい…(発作)

わたしは洋楽に明るくないので(それでも知ってる曲が多かったですが)オープニングやエンディングも何か有名な洋楽なのかな〜でも曲担当の方いらっしゃったし…?と思っていたらオリジナル曲でたまげた記憶があります。以前観た別の舞台でも作曲してらしたのですが、そちらは純和風!という感じの曲だったので何でも作れちゃうんだなあとびっくりした。

 

書き漏らしてることも多々ありそうですがとりあえず以上です。

OMD、スピンオフがいっぱい作れそうで良いですよね。テレビで放送してくれないかな。フルハウスみたいな感じで…。

さ〜て!来週の『Oh My Diner』は〜!?「プリンスの社会勉強」「イーサンとオリビアの結婚式」「SJ、壺を買う」の3本です!来週もまた見てくださいね♪ジャンケンポン✋ウフフフフフフ!

フルハウスは?

*1:元々そういう間柄っぽくもあった

*2:ここで倒れたプリンスをオリビアちゃんが突っついててかわいかった

*3:しかもキャンディちゃんに返してよ!って言われたときは素直に従っていたのに

*4:小学生の頃好きな女の子に虫けしかけて泣かせたりしてそう〜

*5:これ逆だったらすみません

*6:今メインで追ってる俳優では1回もないです

「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 感想(死柄木編)

※9.5割死柄木の話です

 

おは令和!(気に入った)

平成最後の現場が終わりました。超楽しかった平成の締めくくりがめちゃめちゃ楽しい舞台で平成イチの幸せ者だった!!

 

 

 


なんとなく点けていたアニメの第1話を見て何も知らないくせに大号泣したのですが、今回の舞台でも開始5分で泣きました。挫折を味わった主人公が資質を見出される展開アツすぎる。

 


登場人物の感情の現れ方やぶつけ方がリアルで、声や抑揚がいわゆるアニメ声(萌え声ではない)ので感覚としてはアニメを見ているのに近かったです。でも例えばクラスメイト同士の会話などの、漫画で言う行間やアニメで言う画面の外が描かれているのが舞台っぽくて、ここまで⒉5次元らしい⒉5次元ってもしかしたら初めて見たかもしれません*1プロジェクションマッピングを多用した演出も派手で、アニメと舞台のハイブリッドだ!!ってわくわくしました。

 

 

 

出てくる登場人物が皆それぞれひたむきで、夢を叶えようとしていて、眩しかった。そんな眩い光を闇で塗り潰そうとするのが雷太さん演じる死柄木弔でした。と言っても彼(ら)の目的は『平和の象徴であるオールマイトを殺すこと』なのですが。

 

 

 

も〜〜死柄木がとにかく悪役!!!見た目のインパクトの強さに負けない悪役っぷり。妙にゆったりとした動きで生まれる間、かと思えば瞬間移動と見紛うような俊敏な動きで生徒を襲う静と動の対比が鮮やかで、不気味な得体の知れなさがすごかった!!

「平和の象徴としての矜持を少しでもへし折って帰ろう!」からのスライディングと梅雨ちゃんの頭を掴むときにゆっくり1本ずつ這わせるように折っていくのがめちゃくちゃ怖かったです。

 


この死柄木、平和の象徴であるオールマイトをラスボスと呼んだり、「地獄の底へ堕ちろ」と歌ったり、悪というよりは悪役という印象が強く、『正義側と立場が違うだけ』なのだなあという感覚でした。ヒーローたちだって悪の根城が判るなら殲滅したいだろうし。それがヒーローらしい行為なのかはともかくとして。

 

 

 

劇中にある言葉のように悪意を持っているというよりは、本来誰もが道徳や良心で押さえつける子どもの残虐性を、抑制されることなく育ってしまった結果できあがってしまったようだなあと観ながら思っていたので後から死柄木の生い立ちを聞いて納得と同時に感服しました。子どもの心を持ったまま大きくなっちゃったらしい。

どうも!闇から生まれました!みたいな混沌はあってもコイツ悪!!!と思えないのはそのせいなのかも。本人が悪いと思ってないように見えるというか…。

 


オールマイトに「自分が楽しみたいだけだろう!」って言われるしそれに「バレるの早」って返すだけあってバリバリの快楽主義だとは思うんですけど。ところでバレるの早って死柄木がニタァと笑うところが最恐怖くてめちゃくちゃ好きです。配信だと途中からで残念…円盤絶対アップで抜いてほしい…。

 

 

 

「どうなると思う?平和の象徴がヴィランに殺されたら」って笑う死柄木のニタニタした声色に乗っかる無邪気さがアンバランスでおぞましかった。

雷太さんの演技はテニミュとピカイチとこれしか拝見したことがなく、ピカイチはノンバーバルだし知念はあんまり喋らないキャラクターなので動きの表現を重点的に見ていたんですがお声の表現もこんなにすごいんだ!ってびっくりしました。ほんとカッコいいぜ…。

 


ヴァリアーの、特にベルフェゴールが好きな人間は絶対死柄木のことも好きだという仮説があるんですがどうですか?(?)

「そうだ、やるっきゃないぜ目の前にラスボスがいるんだもの」ってセリフ、そんな口調で喋るんだ!?って最初ちょっと意外性も不安定な感じがして好き。

 

 

 

あとソロ!!あんなお歌を長く聞けると思わなくてめちゃめちゃ嬉しかった…。

高めで伸びやかなのに粘着質でじめっとしてるように聞こえるの表現力が高すぎてすごい。

 

 

 

表彰式でぬるっと出てきて顔全体を覆う手を取ってまた捌けていく演出が彼らヒーロー側に迫り行く不安や恐怖を表しているようでゾッとしたんですが、あの表情がま〜すごかった!

一切の感情を乗せない無表情に目だけが憎悪に燃えて仄暗かった。完敗だ!って転がって悔しがるシーンからその表情が来るのすごい。わたしが死柄木役だったら(謎の前提)あそこで笑っちゃうだろうな…。

 

 

 

他のキャラクターやキャストについても書きたかったんですが、気づけばディレイ配信の期間が今日までなので慌てて死柄木部分だけ書きました。でもまだ死柄木についても書き忘れたところあると思う。

 


すごく素敵な舞台だったのでいずれ他の子についても書きたいです。上海公演が始まるまでには…。上海日帰りででも行くかどうかマジで結構迷ってるんですけど、どうしよう。

*1:FGOも⒉5次元らしいな〜!と思いましたが

Fate/Grand Order STAGE -絶対魔獣戦線バビロニア- 感想


筆が遅くかなり日が経ってしまいましたが、大千秋楽おめでとうございました。素晴らしい世界を目の当たりにできたこと、その一部になれたこと、とても嬉しく思います。

後を追う形でプレイしているのでどうしても割りを食ってるなあと感じる子もいるのですが、3時間で纏め、原作を知らない人にも通用するような判りやすい物を作る以上、多少は致し方ないかな…という気持ち。


スタッフの方々の敬意にキャストの方々の力が篭った演技が光り、パーカッションの音楽が熱を、アンサンブルの方々のダンスが臨場感を生む素敵な作品でした。皆に観て欲しかった!!

配信をもう購入できないのが残念です。それまでには書き終わる予定だったんですが…筆が遅くて…
また配信してほしい。何度でも買いますから…。


以下内容やキャラクターについての感想です。メインは1人1人言及しているため長めです。今度こそ目次を作ろうとしたのですがやっぱり無理でした。

 

※プレイはこれを書いている時点で7章15節「決戦」まで
FateシリーズにはFGO以外触れたことがありません
※聞きかじった知識・自己解釈が含まれます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウルク市民

マイクを通して聞こえてくる賑々しい喧騒のお陰で実際にいらっしゃる人数よりずっと多く見えるので、ラフム爆誕後、残った市民の人数を聞いたマシュの「500人、たったの…?」が重く響きました。ウルク市民の生活が垣間見える楽しげな様子に街が燃え、滅びたときの絶望感がより強くなっているように感じます。


いずれ滅びることを知っている彼らが種を蒔くシーンで毎回泣いてしまう。「半年の後にウルクは滅びる」と予見した王の言葉をきっと疑う者は誰もいないのに、それでも滅びる寸前まで命を繋ごうとしてたんだなあ。あるいは植物も命ではあるから、祈りに近い感情だったのかも。

マシュの「収穫が楽しみですね」に微笑む彼らの表情に悲愴感が全くないことに、市民の強さを思い知るようでした。

 

マスター

未だに表記に迷います。主人公?ぐだーズ?

男主人公と女主人公に分かれていたのですが、これもWキャストなのでしょうか。見比べて感じたのは「同じ人間だ」でした。
どっちの方が良かったですか?と聞かれて答えに窮したくらいお2人とも「藤丸立香」だった。マシュが先輩と慕い、他人の心の機微を感じ取り、道徳と信念を優しさで支えるような男の子であり、女の子だった。

わたしは女主人公でプレイしているのでそういう意味で没入感はぐだ子の方が強かったのですが、穏やかな声音や誠実な眼差し、優しげな笑顔がすごくリアル。個性が出すぎていないので他キャラクターとの調和が取れ、でも存在感はある、ちょうどいいバランスでした。

お2人のセリフの抑揚のつけ方が似ているように聞こえたのも「性別が変わっただけの同じ存在」に感じた要因のひとつかと思います。

高めなマシュの声とぐだ子の低めで柔らかい声が重なったときの響きが好き。ジャパネットぐだ男は突き抜けすぎて何言ってるか一瞬判らなくなるところ含めて好きでした。

 

マシュ

かわいくて歌が上手い。これ女キャラほぼ全員に言います。元々好きだったマシュの株が6章で爆上がりしたんですが、ほんとに飛び出してきたみたいだった。

登場時は声が意外と高くてちょっとびっくりしたんですが、違和感はなくすぐに馴染みました。戦闘中の「ハア↑ッ」って声が大好き。ゲームだと特に気にしたことなかったんですが、あの自分の体ほどある大きさの盾を振り回してそれでぶん殴るのってすごいことなんだな…と思いました。

歌声の透明度にも驚きました。透き通るような声がどこまでも響いてすごく綺麗だった。2幕の花の名前を教えてもらう曲(?)が忘れられなくてナナヲさんの曲を聞き始めました。キャッチーで楽しい!

女マスター千秋楽の映像を配信で見た際、カーテンコールの合唱のとき涙で歌えなくなってたことに信頼関係だなあ…と思ってじんとした。カルデア組は主人公たち以外続投と聞きましたが、男女共に数多の苦難を共に乗り越えたある種の気安さというか、心を許し合っている距離感が見えて良かったです。はい!って声を揃えて返事するところもぴったりだった。

理知的で道徳的で献身的。ゲームで何も知らないこちらにマシュがサーヴァントの逸話などを教えてくれて、ロマニやダヴィンチちゃんが補足してくれるのが好きなので舞台でもダヴィンチちゃんが始めた説明をマシュが引き継いでくれたのが嬉しかったです。

 

Dr.ロマン

声を聞いて即わかる!と思った人。舞台の感想を漁ってたらゲームのシナリオのネタバレを踏んじゃいました。やだあ…。でもそれを舞台だけ観た人には判らないよう、プレイヤーに想起させる作りがすごい。

立ち振る舞いやちょこちょこした仕草がリアル。最終決戦のとき彼が叩くキーボードの位置が低くてなんで?と思ってたんですが、あれは我らの状況におとなしく座ってられなくて立ちながらコンピュータを操作しているということでいいんでしょうか。2幕の最初の方で座ってキーボードを叩いていたような気がするんですが…どうだったかな…。

「スタッフもごめんと謝っている!」の言い方がめちゃくちゃ好き。人間の味方なんだからね!でエルキドゥのモーション、サークル設置のときにマシュのモーションの真似をするのが微笑ましくてかわいい。

カンパニーの中で井出さんがパパ、RiRiKAさんがママと呼ばれているそうですが、正に父性のような愛情が滲んだ優しい声音が印象的でした。落ち着きなくわたわたしてるのに聡明で、命に意味はあるのかと問うマシュを諭す、あの言い方がとても好きです。

プロレスの解説もめちゃくちゃリアル。プロレスファンの友人が「こういう解説員いる」って言ってました。

 

ダヴィンチちゃん

美人で歌が上手い。第一声でいやわたしこの声ゲームで聞いたわ…と思いました。ショップの欄タップしたら「いらっしゃーい」って出迎えてくれる声。

宝塚っぽい話し方だなーと思ったら本当に元宝塚の方だった。見識が浅いのでどういう差があるのか説明できないんですが、なんとなく喋り方で判るような気がします。(自分の中の)最近だと『トラベルモード』ミレディ役の麻尋さんとか。

この作品アンサンブルの方も含めて歌の上手い方ばかりですが、その中でも飛び抜けて上手い。2幕で主人公たちが戦地へ向かう際にバックで歌う曲に鳥肌が立ちっぱなしでした。値千金の歌声。

いつの公演だったか失念してしまったのですが、マスターとマシュがカルデアに帰還した際、マシュとロマニが話している横で言うマスターの「ただいま」に温かく「おかえり」と返していたのが強く印象に残っています。

 

アナ

小さくてかわいい。お顔といい身長といい声といい、本当に幼い子供のように見えていたのでお年を聞いてめちゃくちゃびっくりした。なんなら16歳って言われた方が驚かなかった。いわゆるロリ声でもなければ淡々とした話し方なのにあんな幼さを感じさせる声や喋り方ができるのすごすぎる。

彼女の抱える不信感や疑心がおばあさんや主人公たちとの交流を通して氷解していく様が大好き。マーリンへの鋭いツッコミも良い。口が悪くて好きです。

ゴルゴーンと対峙して「私は人間が怖かった!」と吐露するシーンで毎回泣きに泣いて服がびしょびしょになりました(ハンカチを持ち歩きましょう)
あの独白、ゲームと舞台だとタイミングが違うんですね。個人的には舞台の方が見せ場らしさがあって彼女の存在が映えていたように感じました。

ゲームで共に消える瞬間、アナの初めて見せた笑顔にめちゃくちゃ泣いたので舞台でも観たかった…。でも舞台の消える演出も綺麗でしたね。大阪初日の時点では6章の途中だったので彼女の正体を知らずに観たんですが、魔眼についての説明がなくても真名がメデューサって言ってくれたので特に不足していた印象もなかったです。原作未プレイだと判りにくいのでは、という感想を見かけたので。

表に出にくいアナの喜怒哀楽は、ただ表れにくいというだけで強く持っているということがありありと出ていてそれもすごかった。本当は100ある感情の、40だけ表に出ている様やその奥にある出ていない60まで見えるようでした。だからこそ「おばあさんを連れて行かないで」と縋る姿や「ウルクの生活は私の夢でした」と告白する姿の、強い感情が見えるシーンが余計響いたように感じます。

カーテンコールで受け取る資格がないと突っぱねた花の冠を頭の上に翳すのを見て泣いた。でも頭に乗せないのがこう、うまく言えないんですが“最適解”という感じですよね…。そのあともずっと大事そうに抱えてるのを見てまた泣いた。

 

マーリン

胡散臭くて飄々としている印象。もしかすると「FGOのマーリン」の話からは離れるかもしれないのですが(何分きちんと自分の目で見たのは7章15節までのマーリンなので…)、いろんな作品に触れた身として、千里眼を持つ者は全てを知っているが故の(あるいはたくさんの人間を見たが故の)達観があるイメージなのですが、「何故ギルガメッシュの元についたか」という質問に答えているときや、アナに正体を今は明かすべきではないと止めるときなどにそういう達観した空気が口調や立ち振る舞いに現れていて感服しました。

ケープ(マント?)についているポンポンなどの装飾の色味がやけにビビットな上にカラフルで、ビジュアルの色数が少ないマスターやマシュ、アナと並んだときになんとなく異質さがありました。原作のイラストよりもちょっと色がキツめな気がする。意図されてのものかは判りませんが。

飄々としてて胡散臭いくせにピンチのとき颯爽と現れるの格好良くて狡いな〜と思います。ゲームの戦闘前セリフにある「慌てない慌てない。呪文噛むからね」が好きなので「早口で詠唱
すると噛むし…」って言ってくれたのが嬉しかったです。あそこの言い方も好き。

 

イシュタル

セリフ回しがめちゃくちゃリアル。フレンドがサポートに出してくれているので何度か借りたのですが、登場時の「なんですってーっ!?」で聞いたことある〜!!と思いました。

出演者の方々のアカウントをツイッターのリストに入れていたものの、舞台を観るまでは特に誰がどの役かと意識して見ていなかったので初日終わったあとイシュタルってあの大根の人なの!?*1とめちゃくちゃ驚きました。

女神なのに買収されるイシュタルの、神かー!って十字切るモーションが好きすぎる。紀元前だからキリストもいないのに。*2
「2.5割ってぇ、25%ー!?」の動きがちょいちょい変わるのもかわいくて面白かった!配信の男マスターver.で大写しになるエアギターが特に好き。テンション高くてかわいい。これも男マスター千秋楽なのですがそのあと目の下に手当ててびえーんって泣き方してるのもめちゃめちゃかわいかった。ところで立香がギルガメッシュから委ねられた財宝は宝物庫の3割のはずですが、あとの0.5割はどこに行ったんだろう。普通にギルガメッシュに返したのかな。だったら褒めて欲しいよ(ゆとり教育)

恐らく彼女の中で余計な一言を言ったっぽいときの言っちゃった!みたいな「あっ!」がかわいかったです。

 

エレシュキガル

マジでかわいい。お顔がやけに小さくて鼻がめちゃくちゃ高いので本当にお人形さんみたいだった。横顔がとても綺麗。ゲームに比べてあんまり見せ場らしい見せ場はなかったですが、突き放したような態度なのに滲み出る愛情と「私の冥界にこんなにいっぱいの花が!」と喜ぶ姿があまりにもかわいかった。

「我こそは冥界の女主人、エレシュキガルである!」の高らかな名乗りから前奏に繋がる演出がめちゃくちゃ好き。あの冥界降りのシーン、エレシュキガルかわいい…と思って毎回泣いてました。*3

イシュタルと2人で歌うNight&Dayもめちゃくちゃ好き。フォロワーの「イシュタルが上パートでエレシュキガルが下パートなのは天の女主人と冥界の女主人であることの表れでは」という
ツイートに膝を打ちました。2人の音が重なって響き合うの綺麗だったなあ。皆歌が上手すぎる。

ところで肌のツヤが理想的すぎたのでベースメイクとスキンケアについて教えてほしい。何食べて何使えばあの肌になれるんだ…。

 

ケツァル・コアトル

南に戻りマース!原作の喋り方が特徴的なので、彼女の登場シーンで皆さん喋り方を意識して寄せてらっしゃったんだな〜と思いました。イシュタルやギルガメッシュダヴィンチちゃんはケツァル・コアトルほどはっきりとした特徴がないため、似てるー!と思うだけだったので。考えてみればそりゃそうレベルの話なんですが。

彼女のテーマ曲の入りで、高らかで綺麗な声からウノ!ドス!トレス!と凄みのある威圧的な声色に変わるのが好き。あそこから曲が始まるのも良いですよね。

演者の方が現役プロレスラーとのことで、プロレスシーンは圧巻でした。技が決まる度に拍手が起こったのも舞台だと中々できない経験で面白かった!
ロマニの「笑顔です!」で本当に楽しそうに破顔してるのも、ジャガーマンズ(でいいんでしょうか)がケツァル・コアトルの動きに合わせてチャーミングに動くのもめちゃくちゃかわいかった。帰り際に復活した(?)ウルクの民をあしらうように蹴倒すところも好き。

アナとゴルゴーンの対決の際、見てられなくて飛び出そうとしたイシュタルをケツァル・コアトルが制してたのも「お姉さん」感があって素敵だった。そりゃ皆ケツ姐さんって呼ぶわ。今打ってて思ったんですけど飛び出しちゃうイシュタル、ほんと結構人間的ですね。どうしてもアナばっかり見ちゃっていましたがこの辺の2人のリアクションをもっと細かく見れていたらなあ、と今更少し後悔しています。アニプレックスさ〜ん!!再演してくださ〜〜い!!!

 

ゴルゴーン

ゾッとするほどの迫力と存在感。蛇の分体長が大きいというのももちろんあるでしょうが、昏く燃える復讐心を狂気に満ちたオーラが包んで威圧感と風格がありました。

絶対脚で歩いてるはずなのにちょうど足元をぐるっと囲んでいる部分が動きに合わせて揺れるので、まるで蛇が這って動いているように見え、最初目を疑いました。衣装さんすごいなあ。衣装と言えばギルガメッシュの巻いているターバンが光を受けてキラキラと輝くのが「世界の全ての宝を手にした王が身につけるのを良しとするほど気に入っている布」という感じがして好きです。

人類に復讐する、惨たらしく殺してやると目を見開いて口にする様は女神と言うよりは得体の知れない化け物のようだった分、アナに追い詰められたとき、自分を守ってくれる存在であろうキングゥを探し彼に縋りつこうとする弱々しい姿が印象的でした。

本編の話ではないのですがカーテンコールで皆が手を繋ぐ際、たまにアナと隣になったときの2人の様子がめちゃくちゃ好きです。おずおずとゴルゴーンを伺うアナと、そんな彼女に微笑みながら優雅に出す手の美しいこと…
アナザーストーリーともバックステージとも違う、舞台ならではの美しさだなあと感じられてとても好きでした。千秋楽でも見られて嬉しかった。

 


シドゥリ

歌がめちゃくちゃ上手い。高らかで繊細な歌声にずっと聞き惚れてました。特にギルガメッシュのテーマソングの入りが大好き。

楚々とした所作に優しさの中に厳しさと聡明さが滲んだ声音が素敵でした。「そうですよ」って相槌が続く箇所の言い方の差も良かったなあ。主人公に「かわいらしい感じの方がいる」と言われて慌てるイシュタルをギルガメッシュが笑うシーンで、咎めるように彼を振り返るところも彼女の芯のある性格が如実に表れていて好きです。

ラフムに襲われる市民やキングゥを庇うシーンがとても印象に残っています。市民を助けたのもキングゥを助けたのも自分の命よりも“ウルク”を優先する行為で、それはギルガメッシュも側近にするよなあ…と思いながら観ていました。ウルクに賭ける覚悟と意志が強すぎる。本当に芯が強くて格好いい…。

白旗について若干小耳に挟んだのですが、あの台詞あるんならそこもやってほしかったなあ。モーションは一緒なんですっけ。現在イベントに奔走していてラフムが現れたところまでのプレイなのでその辺りのことは判らないのですが…。

シドゥリさん本当に大好きでもう恩人だと思っているきらいがあるので(?)大千秋楽でギルガメッシュが急に呼び止めてお姫様抱っこしたのめちゃくちゃ沸いてしまった。彼なりの激励なのかなあと思うとより嬉しかったです。

 

ギルガメッシュ

王すぎる。最初テーマソングを聞いたとき、歌詞のこの部分に「王に王すぎるは流石にナメてる」と思っていたのですが、本当に“王”そのものでしたね…。
アーチャーのギルガメッシュの勝利セリフである「慢心せずして何が王か」がすごく好きなのですが、王であることの責任や覚悟をその身に背負っていて、でもその重さや疲れを全く滲ませず軽快で、そこに王の誇りを見たように思います。と言ってもGrand Orderの彼しか知らないのであんまり深くまで言えないのですが…。

ギルガメッシュのテーマソングのサビに入る前、「〜すぎる」の部分で黄色の照明がパッと点くのが豪奢で大好き。照明演出も全部素敵だったなあ。あれだけバリバリに踊ったあとすぐ息を整えて台詞を言えるのがすごい。わたしだったら3分は欲しい。動きは多いけど風格は損なわない振り付けも格好いい!振り付けといえば戦地に赴くときのマシュとマスターのダンスが好きでした。女神たちやキングゥがバタバタ動かないのも荘厳で良かった。揺り籠の曲でセンターに来たキングゥの、なだらかな手の振りが好き。キングゥは荘厳とはまた違いますが。

回想シーンで「僕は道具だ」と自嘲するエルキドゥにたわけ!と叱りながら「良いかエルキドゥ」と諭す様にいっそ父性すら感じました。あそこの声音が本当に優しくて…。そういうエルキドゥに対する態度の方が異常だとFateのファンに聞いたんですが、それはめちゃくちゃヤバくないですか?友情でなく友愛という言葉を使うだけある…。すぐ「我が許す」と口にするギルガメッシュがエルキドゥの「質問してもいいかい」という問いに「許可などいらん」と応えるのも好き。

舞台だけの台詞みたいですが「貴様がエルキドゥでないのなら別の名があろう。誇りを持って名乗るが良い」も王らしくて好きです。今打ってて思ったけどキングゥの名前はギルガメッシュにとって口にするに値するものであったんだな…。まあ友愛の対象なので当然と言えば当然なのかもしれないけど、なんだかしみじみ実感してしまった。

3メートルはあろうかと言う高い階段からウルクを見渡すギルガメッシュの、王様然とした姿が本当に格好良かった。今までの人生で見た中でも5本の指に入るくらい素晴らしい情景でした。配信では斜め下からのアングルが入っててそれが欲しかった!!!と思いました。最高…。

たった500人しか救えなかったと落ち込む主人公とマシュを叱咤激励するのも「最後の囮はこの我だ!」と宣言するのもとんでもなく格好いい。王様。「気にするな、めちゃめちゃ致命傷だ!」がすごく好き。
あとサーヴァントとして現界したギルガメッシュのバックに流れる曲がギルガメッシュのテーマソングではなくウルクの曲なのが大好きです。

丘山さんのことはACCAで拝見していたときからすごい方だなあと思っていたのですが、圧倒的な自信とカリスマ性が全身から溢れていて目を瞠りました。(SNSの文章含めて)とんでもない方だなあ…。

 

エルキドゥ/キングゥ/何でもない「彼」

先に言うけどめちゃくちゃ喋ります。DMM*4の男マスター配信でのコメントで1人3役だったと聞いてそっちかー!と思いました。そっちかー!と思った割には「彼」について良く判っていない。

「キングゥとしても偽物」という台詞から、「彼」の魂は「彼」のものであり、その魂に『母さんのために生きる人形』としての役割を塗りつけられたのがキングゥだと言うことなのでしょうか。この辺りのお話詳しく聞きたいなあ。バースデーイベント*5で言ってくれるかな…。(露骨な宣伝)


エルキドゥ(として振る舞うキングゥ)を見て初めに驚いたのが戦闘モーションの再現度でした。この動きゲームで見たことある!!!ってすごくびっくりした。特にスライディングと翳した両手から鎖が出るモーションが好きです。あと地面に手をつくためにしゃがみ込む寸前にニコッと笑うのも好き。
エルキドゥとして戦ったあとは幾らか髪を整えていたのに、偽物だとバレたあとの戦闘では整えず乱れたままだったのが、キングゥのあのギラギラとした目つきと相まって狂気的な印象を受けました。

狂気的と言えば「おやすみなさい」と如何にも慈愛に満ちた表情で微笑んでから「永遠に」でカッと見開いた目に鳥肌が立ちました。そのあとまたすぐに微笑んで、幕が閉まり切る前にスッと表情が消えるのも悍ましく、凄まじかった。

物に憑かれたように獰猛な表情のキングゥとは全く違う、エルキドゥの穏やかで理性的な表情の差に舌を巻きました。もちろん外見は全く変わらないのに(先述した髪はともかく)表情だけでどちらなのかはっきり判るのすごくないですか!?


自分は道具であると律するエルキドゥを諭すギルガメッシュの歌に、最初彼が何を言っているのか判らないといった調子で返す彼/彼女が「新しい色広がる」と歌いながらギルガメッシュの方を振り返り、「君の名前 皆が語る」でさも嬉しそうに笑い、「我の名前 お前の名と共に」という言葉を聞いて涙を流す。ギルガメッシュとエルキドゥのデュエット曲なのですがこのシーンが本当に本当に大好きで。

山﨑さんが受け売りと言いながら「ミュージカルの歌詞は台詞」と言っていたのはこういうことだったのかと強く実感しました。言葉1つ1つへの反応が繊細で、彼の演技のそういうところが大好きなのでそこを男マスターの配信で抜いてくれたのがすごく嬉しかったです。神かー!(イシュタル)

涙を流しながらも喜びを噛みしめるように笑うエルキドゥからキングゥの戸惑いに変化する様も自然で、幸福な記憶を打ち消すように「ボクにこんなものはいらない」と首を振って拒絶する姿に苦しくなりました。


そういえば回想シーンでギルガメッシュがイシュタルに求愛されるシーンでギルガメッシュが断った際、「正しい心と道徳を持った人間の味方」*6の割にはなんとなく嫌な笑い方をするなあと思ってたんですが、エルキドゥとイシュタルは不仲と聞いて合点が行きました。その時点で不仲じゃなかったとしても何か感じ取っていたのかなあと。エルキドゥはエルキドゥで結構ムチャクチャな性格というのも聞いたのですが、その辺りどうなんでしょうか。


ウルクの民たちとマスターたちが心を通わせる裏で都市を滅ぼして回っているキングゥが2メートルほどの高さから飛び降りたあと、捌ける前に振り返るところも好きです。最終目標はウルクである、ということの表れである感じがして。好きなシーンを列挙していたらそれこそ3日3晩かかってしまいそうだ。


ティアマト神の唯一の子であるという自負がラフムによって打ち砕かれるシーンで、貪られながら口にする「こんなはずじゃ」という叫びがあまりにも痛切でした。

彼が新人類や兄弟に固執しているのが垣間見え、ラフムが誕生するときの嬉しそうな表情が正に『下の子が生まれた兄』だったので余計に痛ましかったです。「何を!ボクは同じ母さんの子…!」という台詞も必死にキングゥとしての立場を守ろうとしているようだった。

「こんなことなら、アイツに会いに行けばよかった」と項垂れていて、エルキドゥの記憶がキングゥにこの表情をさせているのだと言うのが如実に伝わってきて、その表現力に脱帽しました。生を諦めていちばんに思うのがそれだから、彼は本当にギルと話がしてみたかったんですね…。他のシーンと照らし合わせることで感情が強まる言葉、素敵だなあ。いちいち感動してしまう。

「良かった、ありがとうが言えて」と伸ばすシドゥリの手を取ろうとして取れないところも好きです。彼もちゃんと手を差し出すんですよ…。倒れるシドゥリに首を振りながら後ずさりをして「ボクはキミのことなんて知らない!」と泣き叫ぶ表情もまるで親とはぐれた子供のようで痛ましかった。

自分を庇ったシドゥリと奪われた心臓にウルクの大杯を充てがったギルガメッシュの言動を理解できないと詰め寄るのも迷子みたいだったなあ。

ギルガメッシュの「ただ一つの天の鎖」という言葉に掬い上げられたキングゥが彼の名前を呼びながら泣いてしまった顔を、隠すように背けたのも本当にエルキドゥとは違う存在なんだなあと思いました。ここのギルガメッシュの声色も優しくて好きです。


ギルガメッシュに「生まれも母親も関係なく好きなことをしても良い」と言われ、最終決戦に現れた「彼」に投げかけられたキングゥの呼び名を裏切るように「ギル、ボクはキミと話したかった」と思いを語る表情も声も穏やかで、でもエルキドゥとはまるで違っていて。わたしはこれをキングゥの成長だと捉えていたので、エルキドゥでもキングゥでもないと明言されたときは天地がひっくり返ったような気分でした。

山﨑さんにキャラクターの理解度で追いつくことはきっとこの先もないんだろうなあ…。いっそ敗北感を覚えるほどの勘の良さと、思考の深さと、それを体現できる表現力がすごい。

それを思うと「ティアマトの息子、キングゥがここに天の鎖の名を示す」と言う台詞も観ていたときとは違う響きを持ちますね。「母の怒りは過去のもの。さようなら、母さん」は母との決別であり、キングゥの自我との決別でもあったんでしょうか。

宝具を使ったあと鎖が張り巡らされる映像がとても好き。同じく鎖が現れるシーンに1幕の虐殺がありますが、それとは大分趣が違う印象。同じくと纏めるのも暴力的な話ですが。エヌマ・エリシュ綺麗だったなあ。その後「さようなら」と薄っすら微笑んで揺れる体と、「彼」に向かって「さらばだ」と応える形で別れを告げるギルガメッシュに観る度泣いてしまった。

現地では見られなかったのですが、配信で自らの生まれてきた理由を歌う「彼」を見つめるギルガメッシュの表情が温かくてまた泣きました。

山﨑さんの演技の、「複雑な感情」と一言で言い表すのは簡単ですが、その複雑さを形作る様々な感情全部を拾い上げて表情や仕草、態度に乗せてくれるところが素敵だなあと常々感じます。

 

ロマニの「──と言うんだよ」や、ギルガメッシュの「──と言うのだ」とオープニングでは聞けなかった台詞が最後の最後で明示されるのがとても鮮烈でした。

「共に生き、共に戦う。それは人でも道具でもない。それを、“友”と言うのだ。エルキドゥ」
「全てが終わったときに、ようやく、その命がどういうものだったのかという意味が生まれるんだよ。マシュ、それを、“人生”と言うんだよ」


エルキドゥの命の意味はギルガメッシュの友人であり、キングゥの命の意味はティアマトの息子であり、そしてきっと、「彼」の命の意味は彼の友人として母を倒し、“人類を守ったもの”だったのだろうと思います。

「彼」がどういう気持ちだったのかわたしには判らないけど、少なからず幸福であったのなら嬉しいな。これくらいなら望んでも許されるでしょうか。


開演前に映し出される用語集が起動画面とそっくりだったり音や映像の多くがゲームからの引用だったりして、「FGOの舞台」を観に来たんだなあという実感にわくわくした初日を、わたしはこの先もずっと覚えているのだろうと思います。

素晴らしい舞台を、景色を、世界を、本当にありがとうございました。また再びあの情景が見られる日を楽しみにしています。


何かございましたらお使いください。長い文章をお読みくださりありがとうございました。
https://marshmallow-qa.com/omaenannyanenn?utm_medium=twitter&utm_source=promotion

*1:https://twitter.com/YasakaSaori

*2:舞台にも原作にも関係ないのですがガチ女神(メソポタミア神話)のイシュタルと聖母マリアに纏わる話が興味深かったです

*3:わたしはウルクのテーマ曲のコリアンダー!で声が揃うところで毎度泣くほど情緒が壊れています

*4:他の配信は確認していないのでコメント動画があるかは不明です

*5:http://yamazaki-birthday.info

*6:ロマニが熱く語るのをぱちぱちと瞬きをしながら聞くエルキドゥ(キングゥ)がかわいかった

梅棒 9th "RE"ATTACK『超ピカイチ!』 感想

大千秋楽お疲れ様でした!!!超〜〜楽しかった!!!


前回の記事でピカイチだけがノンバーバルかのような書き方をしてしまったんですけど、梅棒公演全体の特徴です。後者のつもりで書いたんですが前者に取れますよね。日本語間違えちゃった。

ダンスと曲でお芝居が展開し、9割以上セリフがないという、今まで全く観たことも触れたこともないタイプの演劇でした。息もつけないほど目まぐるしく変化して行く陣形にそれぞれキャラクターやキャストの特色を生かしたダンス、連続して流れるその場面にぴったりの曲。どうやって選曲してらっしゃるんだろう?

緻密な計算の上に成り立つ動きにハチャメチャさが乗っかって、何重にも楽しかった!


未見の方へあらすじを1文で纏めると、主人公が「生徒会長になれたら付き合って」と言おうとしたところ「パンツくれよ」と言ってしまい、それをヒロインが快諾したことから学校をひっくり返すほどの騒動に発展する、という話です。もっと簡単に言うと皆でパンツを取り合う話です。

キャラクターもキャストも皆大好きになる最高の舞台でした!
どうしてもお目当てがいる分視点がそっちに寄ってしまったので全員というわけには行かないんですが、以下特に好きだった登場人物について。明記がない場合は定時制の話です。

一応内容について説明しながら書きますが時系列順でなかったり抜けがあったりするため、未見の方へは不親切な作りの文章かと思います。
長くなってしまったためそれぞれのキャラクターの名前をタップ及びクリックすれば飛べる仕様にしようと思っていたのですが、調べてる間に力尽きてしまったので頑張ってスクロールするか全部読んでください(!?)


ネタバレと多大な自己解釈を含みますので今後の再再演をご観劇予定の方はお気をつけください(再再演の予定、なし!)。

 

 

 

 

 

 

 


振り回される純情な感情
道玄坂 光徳


まず登場人物のコピーがキャッチーで好き。

優しくちょっと気弱な男の子。頭もそれほど良くなければ運動もそれほどできない設定なんだと思う…たぶん。
キャストの方がバリバリ動くので判断が難しいところですが、恐らく優しさ以外は特筆することがないような、 平凡な男の子なのかなあと思っています。ちょっと昔のラブコメの主人公そのもの、という感じ。

暴れる雲子さんの頭をスリッパで何でもないような顔で2度も叩くのは*1どこから来る大胆さなんだろう…と思いますが、そもそも好きな女の子に「パンツくれよ」って言える胆力があれば結構行けそうな気もする。

傘を忘れたヒロインに貸して自分は濡れながら走ったり、「強烈にマズイ」雲子さんの料理をパクパク食べておいしい!って笑ったり、ピクピク痙攣?する雲子さんにY字バランスで宥めてあげたり、謂わば敵である豪徳寺を助けたり、定時制では最後ぶちまけられた鞄を拾って行こう!って声をかけてあげたり。要所要所に見える優しさがどれも暖かかったのが印象的でした。


皆に取り囲まれて散ったあと真ん中に道玄坂が残る構図の、「皆に黒幕と間違えられて袋叩きにされ、テニスラケットが道玄坂の頭をぶち抜いている」様と「投げ込まれたパンツを被ってパワーアップする」様の対比が面白かった。

生徒会長になるために投票してくれ!って自分から友達に頼まない辺り煮え切らないけど誠実だなと思います。

 

静かに燃えるマブダチ
長谷川 出雲


夢女製造機。ヒロインに雲子ちゃんとの仲を誤解されて避けられ、自暴自棄になる道玄坂を熱く厳しく諭す男。追いかけた道玄坂が権田原とキャッチボールしてるのを見てクッと顔を歪める表情が好きです。

孔雀丸に協力を求める道玄坂と一緒に土下座したり、点数稼ぎの掃除に付き合ってあげたりと情の篤さが印象的。これはマサチューセッツくんもそうですが、率先してそれができるのは強みだなあと思います。というかいくら好きな友達のためでも3時間土下座は無理。膝痛いし。

制服にパーカーでどうも!高校生です!ってナリなのに(偏見)ピアノでベートーベンの運命が弾けるわ弦楽器*2も弾けるわでギャップの塊。かっこいい。

聞いた話ですが江夏に騙し討ちのような形で殴られたあとニヤッと笑って殴りかかろうとしてたらしく、想像しただけで格好良すぎて痺れた。

あと超ベートーベンを封印していたピアノのお札を何の気なしに剥がしたあと、カリカリって爪で引っ掻いて息を吹きかけてたのが妙に好きです。

 

海を越えたオタク留学生
徳重 マサチューセッツ


帰化しとる。でも留学生ってことはいつか国に帰っちゃうんでしょうか。それはちょっと悲しい。

ファニーでキュートな見た目に大きな身振り手振りのオーバーリアクション。まんま「アメリカ人」という感じ。納谷さんは薄桜鬼の斉藤で拝見していたのでクールなイメージが強かったんですが、どちらかというとそういう役の方が珍しいみたいですね。

ぱあっと弾けるような笑顔に躍動感のあるダンスが印象的。土下座のシーンで腰を振りながら落とし、しずしずと仲居さんのような動きをするのがかわいい。

初め恐がっていた人体模型くんと踊る内に友情が芽生えて行く様が大好き。彼らは言葉を使わずに対話して、心を通わせたんだな〜と思うと愛おしかったです。作品の構成上ダンスだっただけで実際は会話だったのかもしれませんが、どっちでも素敵。人体模型くんを倒した蓋村に反撃するマサチューセッツが前髪を上げて息を吐くところが好き。回し飛び蹴りもかっこいい!

 


冴え渡る孤高の天才
孔雀丸 明


主人公たちの熱意(3時間の土下座)に押し負け、持ち前の高い頭脳を生かして道玄坂がどうすれば生徒会長になれるかを進言してくれる存在。道玄坂のためにウグイス嬢(嬢ではない)にまでなってくれる男。

ヒロインの体操着を盗み*3誰もいない教室でリコーダーに口をつける仮面男の正体でもある。
初見ではかなりびっくりした!何故か登場人物には全然関係のない他人だと思ってた。
孔雀丸はほぼダンス中にパソコンを持ちながら踊るんですが、動きを制限して仮面男のダンスと差別化を図る意図があるのかな?と思いながら見てました。


選挙当日、言い争う道玄坂豪徳寺に「生徒会長を殴り合いで決めるなど愚の骨頂」と割って入り、教頭先生にじゃんけんで決めるよう口を出すんですが、勝利し喜ぶ道玄坂の横から仮面で現れズルして勝利。

教頭先生は勝ったからと生徒会長の権利を道玄坂から仮面男へ移行する。もちろん他の人たちが黙っているわけもなく、逃げる仮面男を追いかけるがそこは天才と呼び声の高い孔雀丸、ベートーベンの指揮棒や妖怪たちを封じていたお札などで皆の体を操ったりパンツを求めるゾンビに変貌させてしまう。
しかしパンツの力で強くなった道玄坂や、そんな彼に助けられた豪徳寺に次第に追い詰められ、最後は豪徳寺の鉄拳に高台から落とされて全治何ヶ月かの怪我を負う…(突然のあらすじ)


最後ヒロインにもブン殴られるシーンで江夏が喧しく焚きつけてるのが好きでした。動きがうるさくてかわいい。ヒロインが拳にハーッと息を吹きかけるのも好き。

道玄坂を生徒会長にさせるためにやってたことも、じゃんけんで決めようって言い出したのも漁夫の利を狙ってのことだったんだろうなあ。

持たされた皆の鞄を転んでぶち撒けたあと、定時制では道玄坂、全日制では豪徳寺が拾い集めて持って行くシーンでやっと彼は名実共に仲間になれたのだろうと思います。彼が仲間を望むにしろ望まないにしろ、道玄坂はきっと孔雀丸への恩を持ち続けるんですよね。苦しくて嬉しい話だ。

 

嵐を呼ぶとびっきりヒロイン
浅香 尚子


読んで字の如く。誰に対しても分け隔てなく優しく、明るい笑顔で照らす女の子。
活発で快活。定時制はショート、全日制はポニーテールという髪型だったけど、どっちもわかる。とびっきりヒロインというコピーがこんなにも似合う子たち、世界中どこ探してもこの2人しかいない気がする。

男の子という男の子が好きになる、理想の女の子。あんなかわいい子に後ろから肩叩かれたらそんなんそれだけで好きになっちゃうよ。豪徳寺に振り向いてもらえない小春ちゃんが尚子ちゃんを責めたあと、独りきりになったときの悲しげな空気が印象深いです。道玄坂から差し出された傘を突っぱね、走って帰るシーンの脆さがそれまで見せていた顔とは真逆で好き。

最後自分の態度を謝る小春ちゃんに笑顔でラケットを差し出すシーンが大好き。それを取って笑顔をこちらに向けてくれる小春ちゃんも、そんな小春ちゃんのぼよよんをぼよよんする大夏姐さんも大好きで、未だに思い出すと泣いてしまいます。今も打ちながら泣いた。

でもパンツどうせ人にあげるくらいなら売りたいよな。こういう考え方だからヒロインになれないんだろうな。

 


恋する原宿系ぼよよん娘
橋本 小春


大好き!この『超!ピカイチ』という作品がノンバーバルなのにここまで話の内容が判りやすい理由の1つに、彼女の存在が挙げられるんじゃないでしょうか。はっきりとした喜怒哀楽を表情に、ダンスに乗せられる表現力に圧巻。

転校してきた豪徳寺に始めは全く興味を示してなかったつまんなさそうな表情から一転、恋に落ちた瞬間の笑顔がめちゃくちゃかわいい!豪徳寺はちゃんと見てろ!!!そわそわと浮き足立って舞い上がる様が正に「恋する子」で最強にかわいい。

パワフルでダイナミックな、重量感のあるダンスが好き。道玄坂たちのクラスではつい引き寄せられて、小春ちゃんばっかり見てました。衣装チェンジ後の赤いスタジャンかわいかったな。

尚子ちゃんの項でも書きましたが嫉妬から辛く当たってしまった彼女へ謝れる、その素直さが好き。恋の前に身動きが取れなかっただけで、小春ちゃんだって尚子ちゃんのことが好きで、だからいつも一緒にいたんだよね…。きっと何度も自己嫌悪したのだろうなと思うと余計に愛しい。

生徒会長が決まった辺りのところで彼女のことを見逃していたことに今気づきました。あの謝罪した段階でまだ小春ちゃん豪徳寺を好きなのかなあ。どなたか見てた方がいらしたら教えてください。

 

アンチ校則カリスマJK
鷹橋大夏


途中まで女帝みたいな感じなのかなと思ってたのが良い意味で裏切られた人。定時制は江夏と淵上がちょろちょろ後ろをついて行くので侍らせてるのかと思ったら単純に慕われてるだけっぽい。全日制の3人はもっと対等というか、普通に友達って感じでそれも良かったです。全日制はあの3人が軽音部でもなかった気がする。

春ちゃんに頼まれて豪徳寺とのツーショット撮ってあげたり、失恋に悲しむ小春ちゃんに寄り添ったり、最後小春ちゃんが謝るところにもちゃんとついて行ってあげる面倒見の良さが好き。普段目をかけてるのは江夏と淵上っぽくて、そう思うとそこ3人の仲の良さと大夏姐さんの優しさが見えて良いなあと思います。勝手な解釈ですが。

豪徳寺に心奪われそうになってぽーっとしてる姐さんに江夏と淵上がわたわたしてるのも好き。そりゃあんなんに慕われたらかわいいよな…ヤバい格好してる上に片方186cmの大男ですが…。

全日制でヒロインを責め立てたあと、落ち込む小春ちゃんの手を姐さんがそっと握っててかなり喜んだ。

 


闇に彷徨うエゴイズム
江夏 惇


江夏…守ってやりたい…。
初っ端から江夏の話ではないのですが、梅棒の公演に足を運ぶきっかけをくれたのが雷太さんでした。とにかく感謝の一言です。好きな人のお陰で好きなものがたくさんできて、世界が広がって行くのすごく幸せ!だから人生って最高!


江夏は調子に乗りやすくて小狡くて長いものに巻かれる、下っ端の見本のような男の子(186cm)。そのくせ不意にびっくりするほど蠱惑的になるのが不思議。あれは一体?
男性的なセクシーさではなくて女性的なセクシーさ。共演者の方も「妖艶」と評されていたのでわたしが可笑しい訳ではないです。

先崎(というか上西さん?)のために鉄棒を持ってきたあとの江夏が、目を細めて半開きにした唇に指を引っ掛けるみたいにしてただけでも狂うのにその手の左右を変えまくっててどうしようかと思いました。あれエロくないって言う人ヤングジャンプすら読んだことないです。

何がすごいってそんな妖艶さと小悪党の、対極にある顔がちゃんと同一人物として存在していたところ。
自分がナメてかかってた相手が強いと判ると慌ててへこへこし始めたり、長谷川にもへこへこするフリして殴りかかったりとかなり小物なんですが、表情や動きがチャーミングで妙にかわいい。事あるごとに首掻っ切る振りした親指を下に向けながら舌を出すような子だけど慌て方はトム&ジェリーのジェリーで…。

ヒロインのパンツを見ちゃったときも2回目は口に手を当てながら女の子みたいな横座りをしてて、1回目下卑た顔をしてたお前はどこにと思うんですが(お前って言うな)何故かどっちも江夏として存在してるように見える。

東京公演の途中から手の甲に文字を書かれていたんですが*4、名古屋の大千秋楽は「格付け王に」「俺はなる」でひっくり返ってしまった。バカでかわいい〜!
実際に見てはないのですが「だ天使」「しっ黒」がいちばん好きです。

長谷川に最後謝りに行くシーン、長谷川が何も言わないので無視されたと思って憤る江夏が、絶対今までの彼ならしたであろう死ねってジェスチャーをしないところに成長を感じて好きです。成長なのかちゃんと反省しただけなのかその両方なのか。どれにせよかわいい。

選挙当日に勢揃いした皆が睨み合うシーンで高速で舌出し入れしまくってて笑いと悲鳴があがってたのが面白かったです。あとテニミュポーズしまくってたところで千秋楽にスピードガンやってくれたのがめちゃめちゃ嬉しかった!!!「好きな俳優と好きな俳優」の類義語、カツカレー、天ぷらうどん、生ハムとチーズの盛り合わせ…

お着替え後の黒リップがバチバチに大好き。ツイッターでもブログでも写真が見られて超〜嬉しかった!


雷太/RAITA on Twitter: "梅棒『超ピカイチ!』 大千穐楽を終えました! 本当に本当に応援してくださった皆様、 ありがとうございました! 最高の思い出です。 関わってくださった皆様に感謝です。 取り急ぎになりますが、 載せたかった写真ズを。 変貌後のわたし& X そしてそっくり(?)な和也さんとのショット!🤗… https://t.co/8mF1AZKvw8"

 

ツイートの貼り方が下手。お着替え後小春ちゃんの赤いスタジャンもかわいかったな〜。楢木さんがエラいことになってしまうけどあわよくばお着替え後の衣装ブロマイドも欲しかった。

全日制の江夏はスタンダードに格好いいワルでした。ますますどうしてああなったんだろう。全日制の江夏は小春ちゃんが好きなので、豪徳寺のところに行こうとする彼女を引き留めたり大夏姐さんに渡されたマイクで小春ー!好きだー!って未成年の主張したりしててかわいかったです。

 

夢に溺れるナルシシズム
淵上 候介


梅棒さんのツイキャスを視聴しました。大夏姐さんが3年、江夏が2年、淵上が1年なんですね。江夏アイツ1年生の胸にギターぶつけて平然としとったんか!!!
定時制はともかく全日制は全員3年生だと思ってたので意外。ツイキャス視聴したのは途中からで一部しか伝え聞いていないので詳しいことは判りませんが。

爪先で投げキッス(?)する江夏が捌けるとき、すれ違い様にギターをぶつけられた淵上がしょんぼりしたままお辞儀するのがかわいかった。あとでおやつを買ってやろうね…。

音楽室でタバコを吸う大夏姐さんが長谷川に注意されて、姐さんが吐き出した煙を間に割って入った淵上が一旦吸い込んでから長谷川に吹きかけ直すところが好きです。江夏と2人でゲラゲラ笑ってるのもかわいい。やってることは最低だけど…。

全日制の淵上は選挙当日に何故かオネエになってぶりぶり動いててびっくりした。動作だけであそこまでオネエを表現できるのがまずすごい。名古屋の大千秋楽は定時制でしたが全日制のみのキャストの方々もカーテンコールで登場してくださって、定時制の江夏とオネエ合戦を繰り広げてたの大沸きしちゃった…夢かと思った…。

 

孤軍奮闘スポ根キャプテン
権田原 孫八


この人も全日制と定時制でキャラクターが結構違うなと思った内の1人。パンツの話が持ち上がる前に部内で生徒会長に推薦されたとき、定時制は生徒会長<野球なので断っていて、全日制は案外乗り気なように見えました。

定時制の「お前たち野球と生徒会長どっちが大事なんだ!」みたいなことを聞くシーンもなかったような…?全日制は1回だけだったのでこの辺り曖昧ですが。

散り散りになった野球部が蒙古斑先生や権田原自身の情熱(あと壇上に上げられる客)で再び団結するシーンが好き。そのあとまた亀裂が入ってしまいますが…。
思い通りにならない(部員たちの上達が見込めない)キャプテンの焦燥が空回った結果その熱量についていけない他の子たちのやる気がなくなって、それに更に焦って…っていうループに陥ってああなっちゃったのかなあと思ってました。

じゃんけんのときに出したグーで部員たちを殴ったあと抱きしめるシーンが本当に大好き。かっこいい。

でも4人じゃ試合に出られないんじゃ…?道玄坂と長谷川とマサチューセッツと孔雀丸と豪徳寺…5人いる!いける!
一悶着あったあとこの5人が助っ人として来ると思うとアツい。戦力になるかは別として。

言葉を使わずに対話するシーンが好きなので、離れて行ってしまった部員に対する憤りや悲しさ、苦しみをぶつけるように投球する権田原と、ヒロインに勘違いされて同じような感情を抱いていた道玄坂がキャッチボールする場面も好きです。あそこで連れ戻しに来た長谷川が帰っちゃうのも、権田原が自分の生徒会長選挙に立候補してた立場を捨てて道玄坂のチームにつくのも好き。あの登場の仕方はずるい。かっこいいもん。

あと蒙古斑先生にマイクを渡された権田原が、ちょっと迷ってから意を決して歌おうとしたのにマイクを先生に奪われるシーンが好き。

 

沈黙のマッスルキャッチャー
先崎 奉一郎


すごい名前だ。キャプテンが違うからキャッチャーのキャラクターや立場も変わるのか、キャッチャーが違うからキャプテンが変わるのか。

定時制は先崎が蝉時雨先生の奴隷になる前、寡黙で厳格なキャプテンを影で支える良き理解者って印象。生徒会長になんかならないと突っぱねる権田原に「生徒会長立候補」のタスキを次々と出すシーンが好き。

それに比べて全日制は結構最初から奔放だったイメージ。開花前からキャプテンのこと秒で裏切るし…。

定時制も全日制も開花後のバリバリダンスが見応えあって大好き。

 

バイブス重視の安打製造機
蓋村 黄太


校歌斉唱のときノリノリで身体を揺らすのが妙にツボ。バイブス重視というだけあって1人だけ普段の動きもヒップホッパーで好きです。

生徒会長=パンツを皆に言い触らした人。おパンツ騒動(お家騒動)を巻き起こした張本人。しかしヒロインと道玄坂の会話を聞いて皆に知らせないと!になるのがすごい。わたしだったら黙って自分だけ立候補する。

人体模型を吹っ飛ばした事実を隠蔽しようとするわ、人体模型くんの頭をバッドでブン殴るわ、権田原に中指立てるわとやりたい放題で、不誠実だし不真面目だしで普段なら嫌いになるようなキャラクターなんですが、なんか憎めなかったです。あの動きのせいかな…。

 

頭の中では守護職
公文式 瑾太郎


正直めちゃくちゃ印象が薄い。ごめんなさい…。蓋村と同じ行動を取る上に蓋村にかなりクセがあるので、そっちにばかり目が行ってしまいました。

豪徳寺の手の甲にキスするのがワンちゃんみたいでかわいかった。聞いた話によると彼の表情の機微がとても良かったらしいので、それを踏まえた上でもう一度観たいです。

 

モーレツ爆走体育教師
蒙古斑 彦摩呂


梅棒では大阪公演がいちばん盛り上がるらしいんですが(確かにそこかしこから声が聞こえてきた)、全日制で蝉時雨先生を助けるためにロッカーから現れた蒙古斑先生に対して、ワッと上がった歓声に自分の感動が底上げされるような感じがして、改めてそれが許される場所っていいな〜と思いました。名古屋も全員上げてけや(大魔王)(冗談です) やっぱり皆蒙古斑先生のこと好きだよなあ!?

オープニングで180度に開脚しながら高らかに駆けていくところからもう大好きで毎回笑ってしまった。熱血だけど特に無理強いしないし、定時制ではデートを取りつけてテンション上がってるからとは言え落ち込んでる生徒に落語打ってあげるし、しかも笑わせながら(権田原は笑わないけど)励ますし、大人として正しくてすごい。


蒙古斑先生、剥き出しの自分で飛び込んでも引かずに受け止めてくれそうな安心感がある。結婚して!蝉時雨先生と!

地味で真面目だった想い人が突然女王様になって(しかも他の男の手によって)思ってたような人と違う!って幻滅しないのすごくない?無下にされても落ち込むばかりで嫌いになったり不貞腐れたりしないところも好き。

卒業した生徒が事あるごとに訪ねてきそうな先生だな〜と思う。でも往々にして在学中の生徒には嫌われがちなんですよね…。江夏も校歌斉唱のとき机に足乗せたのを注意されて挑発してたし。

絶対体罰に訴えなさそうな、熱血を履き違えてないところも好きです。生徒のこと殴ったら先生が泣きそう。そして落語が上手すぎる。定時制では客席から1人選んでお題を提示してもらい(ダジャレじゃないです)即興で落語を打つコーナーがあるのですが、そこで選ばれた方がその後の野球部のバンブーダンスでも選ばれていて、先生がそのお客さんに向かって「ヒロコ(仮名)今日忙しいな!!!!」って叫んだのが忘れられないです。言い方がいちいち面白くてすごいな〜。ヨッ!大天才!(?)

落語前の自己紹介で選りに選って名古屋楽のとき、彼のトレードマークである「黄色いバンダナ」を「黄色いハンカチ」と言い間違えてハンカチじゃねえや!!!!!と一通り突っ込んだあとカテコ後の挨拶で黄色いハンカチ振ってたの大笑いしました。先生流石すぎる。

 

パッション秘めた学級担任
蝉時雨 貂子


蝉時雨先生の早着替えも皆好きだと思う。開花前も後も全日制と定時制で衣装が違うのですが、特に開花後が演者さんの特色を生かした格好でめちゃめちゃ素敵!猿だからエロくてサイコー!って思ってました。


こちらが全日制のsuzuyakaさん。
suzuyaka on Twitter: "梅棒 超ピカイチ 全日制ver 豪徳寺 蝉時雨 先崎 千葉涼平 suzuyaka パイレーツオブマチョビアン 💋💋💋… "

こちらが定時制のYOUさん。
YOU on Twitter: "超ピカイチの全てのステージが終了しました。 言いたい事が多すぎて、まとめられないけど 皆とステージに立てて嬉しかった。 たくさんの方に見ていただけて 嬉しかったです。 本当に本当にありがとうございました。… "

 

それぞれsuzuyakaさんの艶やかな笑みと女性的な色気、YOUさんのクールな表情とバキバキの腹筋に良く合うお衣装で大好き。違うタイプのセクシーさですよね。ダンスについては開花専用曲(?)が全日制と定時制で変わるので浅学の身では言及できないのですが、全日制の優しいお姉さんからエッチなお姉さんへの転身も、定時制の一貫したクールさ(でも落語が好き)も両方好きでした。

蝉時雨先生が体育以外の教科を受け持ってるんでしたっけ。小学校やないか。先生方の専門性が強くなるので、小→中→高→大と進学の度に「変な先生がいるな…」と感じる頻度が高かったことをなんとなく思い出したのですが、そう考えると蝉時雨先生や蒙古斑先生、教頭先生はなんだか小学校の先生然とした 雰囲気ですね。学問の前に人があるような。感覚的なお話で恐縮ですが。

エンディングで元の服に戻ってしまうのは残念でしたが、非日常で得た経験や感情を持って日常に帰る様は良いですよね…。先生が選挙に参加するのもすごいけど、あの格好で校内をうろうろしてるのも改めてすごいな。何故か自然に受け入れてた自分にびっくりした。

カーテンコールで蒙古斑先生の想いに応えてるのも素敵。結婚して!式に呼んで!

 

千載一遇空回り教頭
張本 角男


めちゃくちゃリアル。こういう教頭先生いる。教頭先生が前説を担当されているのですが、初見の日もうセットと教頭先生がニコニコと登場する様を見てあ、これ絶対面白いやつだ!と確信したのを覚えています。面白い作品って空気感に滲み出るのかなあ。

楽しいけどこの前説は何回も聞くのキツそうだな〜と初見で思っていたのですが(結構長いので)ちょっとずつ変化をつけたり工夫したりしてくださったお陰でダレることなく、でも重要な箇所は省かず伝えてくださるので判りやすく、初見の人にとってもリピーターにとっても面白い。注意事項なので省かないのが当たり前といえばまあそうなんですが、調味料を使いすぎて素材の味が判らなくなったりしない、ちょうど良い塩梅だなーと感じました。どこから目線で恐れ入りますが。

じゃんけんで道玄坂豪徳寺に割って入って「わたしのために争わないで」と歌うヒロインに向かって「争いの主役はキミじゃない パンツなのさ」って言うの普通に人権問題でウケちゃった。道玄坂とわたしはパンツなんかなくてもヒロインのことが好きなんですけど?(なんでお前?) 豪徳寺は恋のきっかけがビンタとパンツだからわたしと同じ土俵にはちょっと立てないかな…(なんでお前?)

教頭先生、タンバリン叩いて大はしゃぎしてるところも、雲ちゃんに甘えられて妖怪たちの道玄坂への票を有効にするちょろいところも好きです。

 

解き放たれた模範
二宮忠次郎(全日制)/忠実な人体模型(定時制)


わたしは定時制2回(東京)→全日制1回(大阪)→定時制3回(名古屋)というスケジュールだったのですが、公式サイトでのそれぞれのバージョンの説明に

>【全日制ver】
> 初演の楽しさをぼぼ完全再現しつつ、更なるブラッシュアップを施した "ド真ん中直球" スタイル!
>【定時制ver.】 
>同じ物語とは思えぬほど、キャラと展開がさらに濃く味付けされた "7色の変化球" スタイル!

とあり、全日制はもっとスタンダードなラブコメなのかと思っていたら急に二宮金次郎の逸話ベースの朗読が流れてきてかなり驚いた記憶があります。マジでびっくりした。裸足の忠次郎に自分の靴を履かせてあげるマサチューセッツがかわいかったです。


定時制初めて観たとき最高のタイミングでMonsterの前奏が流れてきて大笑いした。初めというかかなりギリギリまでここは違う曲の予定だったんでしたっけ。そりゃモンスターだわ!ってめちゃくちゃ面白かったので天才の采配。

本来人体模型にない脚がダンス中も補助的な役割を果たしていて、もちろんそっちの脚がないと成り立たない動きのはずなのに本当にないように見えるダンスが印象的でした。バネ仕掛けのようって言葉が適当かは判らないんですが、びよんびよんと物っぽい動きをされていて感動しました。

演者の方曰く「12時を過ぎちゃったポーズ」がとてもかわいい。わあ!ってお顔が好き。

雲ちゃんが道玄坂にフラれたときに曲のフラレガイガールに合わせて「フッてんじゃないよバカ」「いつか天変地異級の後悔に襲われりゃいい」って口パクでキレてたのも大好き。かわいい。マサチューセッツの飲ませたモンスターエナジーで復活して抱き合うのもかわいかった。オタクは人外と少年の間に芽生える友情が好き。

 

時を超えた楽聖
超ベートーベン


初演と全日制に出演されてる遠藤さんの当て書きとパンフレットで楢木さんが言及されてました。

フラれた雲ちゃんが道玄坂に抱きついたところをヒロインが目撃してしまい、ベートーベンがガクガク痙攣するところが怖くて好き。これは定時制だけでしたね。
痙攣しながら手にしていた楽譜を撒き散らし、一通り暴れたあと落ち着いて拾った楽譜の上下や表裏を合わせる理性的な動きが面白かった。
痙攣しながら楽譜に書き込むところで動かないヒロインの上体を倒して、その背中を使って書き物する様ヤバかったな…。

白く光る指揮棒で人を操る能力(?)を持ちますが、選挙当日、正体を現した孔雀丸の謀略によって暴走するシーンでは赤く光っていてなるほど!と思いました。長谷川が首を傾げながら振ったときも皆操られてたし、指揮棒にそういう能力の念みたいなものが篭ってるんでしょうか?

最後の江夏と淵上が長谷川、ベートーベンと和解するシーンで江夏たちが良くやってるブギウギポーズ(パーの状態から中指と薬指だけを折る)を皆でやっててかわいかった。ブギウギポーズって今は亡きスペースワールドのジェットコースターで取らされるポーズなんですが、一般的な呼称なのかは謎です。あのジェットコースター、散々揺らされたあとに何の脈絡もなく突然黄金色に輝く仏像が現れるのがめちゃくちゃ好きだったんですが、もう拝めなくて残念。

ベートーベンが肖像画へ戻ったあとブギウギポーズしてたのがかわいくて大好き。あとA•ra•shiの顔芸が好きで超見てました。

 

個室から来たメンヘラ
トイレの雲子さん


“愛”…ですよね…。鬼怖い登場から一転、人の頭をぶん殴っておいて立ち去ろうとする(言い方)道玄坂を引き留める仕種のかわいいこと。


雲ちゃんの登場ソングがマキシマムザホルモン予襲復讐なのですが、初めて聞いたのでかわいい曲だな〜と思いながら個室のドアから伸びる手を見ていたらシャウトと共にその手がトイレットペーパーを渡す小春ちゃんを引きずり込もうとしてびっくりした。なんとか逃れた小春ちゃんを追う動きはまさしく人外のそれ。初めて見たときはただただ衝撃で、1周回って人間の体ってあんな動き方ができるんだ…と呆然としてしまった。何回観ても怖かったなあそこ…。

シャウトのあと急にオッサンが喋り出したと思ったら雲ちゃんが口パクしてて大笑いしました。いやオッサンやんけ!同じ位置。同じ位置。同じ位置。で小春ちゃんのポンポンを3回ぼよよんするのが大好き。

❀ MOMOCA ❀ on Twitter: "あ〜無意識に超ピカイチ!のセットリストを流している自分は既にピカイチロス。 曲を聞くと脳裏に焼き付いてる光景が蘇ってくる〜 予襲復讐でさえも愛おしい。 笑 同じ位置同じ位置同じ位置。… "

全日制は定時制に比べて人外っぽい動きこそ少ないものの*5可憐なお顔に謎のガニ股、豪徳寺とのブレイクダンス対決で2人並んでヘッドスピンしたのが最高でした。超盛り上がった。

確か定時制だけだったかと思うのですが、ブリッジしながら回転して進むのがすごくて怖くて、妖怪だー!!と思ってるから(?)そのあとのセットの階段を1段ずつ降りるなんでもない動きですら余韻で怖く見えました。

でも道玄坂に全身で好き好きアタックする様はほんとにかわいかった。同じくお札での封印が解かれたベートーベンと人体模型くんがやって来たのを見てわーっと手を振って、皆で手を繋いでくるくる回るシーン見ながらわたし今超楽しい…って泣きました。そういえばトラベルモードでも楽しいことが嬉しくて毎公演泣いてたな…(両方コメディ)

道玄坂が自分に用意したと思い込んだプレゼントに飛びついて、ヤバい配色のレオタード姿でピルエットする雲ちゃん最高に綺麗だった。
あとジャンプしながら片足を打つ動き、ブリゼって言うんでしょうか、バレエについては明るくないのですがあの動きが大好きなのでお得だな〜と思いながら観てました(即物的感情)

エンディングでパンツをひらひら振りながら逃げるヒロインとそれを追う道玄坂を見上げて個室に帰るのが切ない。失恋を飲み込んで手を振る笑顔も素敵でした。

妖怪たちが元の場所に帰って行ったのが成仏だったのなら彼女たちは本懐を遂げたのかなあと思うのですが、その本懐が「みんなと楽しく遊びたい」だったらと考えてまた泣いてしまった。

 

乱世に舞い降りた転校生
豪徳寺


定時制の、カッカッと黒板に豪徳寺が自分の名前をチョークで書く音の響きに狂乱 Hey Kids!!の前奏が繋がるの本当に大好き。元々アニメのオープニング曲らしいんですがこれから始まるぞって予感を盛り上げてくれる最高のチョイス。ここでキャラクターの紹介が入って1人ずつ、あるいはグループになってダンスしてくれるのも楽しかった〜!

定時制豪徳寺のあの嫌味のなさはなんなんだろう。ライバルであり一応悪役のはずなんですが。気障で気取り屋で椅子の背もたれの上に座って脚を組むような子なのに、なんか良いやつそうに見える…。
腕に絡みつく小春ちゃんを振り解くときの表情がゾッとするほど冷たいらしいんですが、そこを差し引いても良いやつそう。

逆に全日制の豪徳寺は結構嫌味で性格が悪そうに見えました。ツイッターにも書きましたが定時制は金持ちの家庭でのほほんと愛されて育てられてて、全日制は金持ちの家庭で競争を植え付けられながら育てられたイメージ。

定時制豪徳寺のテーマ(?)が君は薔薇より美しいなんですが、変わった〜♪の部分で毎回手品でいろんなものを変化させてくれるの嬉しくて大沸きしてしまった。大夏姐さんのマイクから変わったソフトクリームを美味しい!って食べる淵上と一口も貰えなくて指咥える江夏(186cm)かわいかったな…。

散々大暴れしたあと優雅に自分の席でカンパイ❤︎ってコップを向けてくるのも、ヒロインに張り手されたあとパンツを見たことで恋に落ちた豪徳寺が壊れたように「愛してもいいかい」(♪Vanilla)と連呼するのも良いやつそうと思った一因かも。

正体を明かした孔雀丸をぶん殴ったあと、ゾンビと化した生徒たちから自分を助けてくれた道玄坂に生徒会長のタスキを譲るのが格好いい。じゃんけんで道玄坂が勝利したときは彼はきっと自分の敗北を認められてなかったと思うんですよね。孔雀丸を制したのは自分なんだからそのままタスキを奪ってもまあ構わないじゃないですか。その時点で生徒会長の権利は孔雀丸に移行してたわけだし。でもそうしない高潔さと、人としての敗北を認められるところが好き。


全日制と定時制で大きく違い、意味合いがいちばん変わって来るのがラストシーンじゃないでしょうか。

道玄坂の項で軽く触れたのですが、ぶん殴られた弾みで高台から落ちた満身創痍の孔雀丸が皆に荷物持ちをさせられて(あんな変態行為がその程度で許してもらえるんだから安いと思う)、躓いた拍子にぶち撒けた鞄を拾ってもらうシーン。

定時制では道玄坂が、全日制では豪徳寺が拾うのですが*6定時制道玄坂の優しさを暖かく示すシーンになっているのに対し、全日制では豪徳寺がちょっと嫌なやつに見える分、豪徳寺道玄坂たちの仲間になったのが打ち出されたシーンになっているのかなと思いました。バージョンが違うからこその広げ方に見えて、どちらも好きです。


豪徳寺が自分の集めた票をヒロインに見せびらかすところ、自分よりも票が少ない道玄坂について言わないのも好きだったな。

じゃんけんの歌で道玄坂に力尽くで集めた票でいいのかって言われてるけど、特に定時制豪徳寺さんマジリスペクトっす!って人たちに囲まれてるからあんまり力尽く感なくてあれ?と思いました。江夏とかじゃんけんに負けて超悔しがってたし。道玄坂にはそう見えるって話なのかも。何にせよ皆最後には仲良くなっててよかった。

 


以上登場人物についてでした。そんな登場人物についてのアンケートを友人がしているので、ご覧になった方は是非(このブログの内容をアンケートのコメント欄に持ち出すのはおやめください)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf9xZWs5796OEBMzvQ0HbPyFV6pPVqnsSLBruwQgGoWDnlrHg/viewform


かなり書き殴ってしまったけど絶対あれ書いておけば良かった!って後々思うんだろうな…。
記憶違いの部分もあるかと思いますが書き上げるのに時間がかかってしまったのでご容赦ください。

8日かけて現時点で15000字弱書いたものの、あの楽しさは絶対現場でないと味わえないものだと強く感じます。

ノンバーバルだからこそ言葉では表しきれない部分が大きくて、それでもなんとか表そうとしたのはあの作品が自分にとって、敵わない存在であってほしいからかもしれません。

エンターテイメントの光という光を集めた結晶のような舞台でした。何万回でも言いますが本当に楽しかった!!なんかもっと言いたいことあったはずだけど結局はこれに尽きます!!

手前味噌で恐縮ですがこの超ピカイチ!をお勧めしまくってたらいろんな人が観に行ってくれて、皆が楽しかったって言ってくれるのもすごく嬉しかった。あと皆プレイリスト作っててわかる〜と思いました。

観ないと損をするとは言えないけど観たら確実に豊かになる、そんな素敵な作品でした。こんな拙文じゃとても伝えきれない楽しさがある。実際の舞台はこの文章から読み取れるであろう500倍は面白くて楽しいです。今回観た方も観られなかった方も、次はお手手繋いで100連番しましょうね。


ところで梅棒さ〜〜ん!!次の公演に雷太さんと山﨑さん出してくださ〜〜〜い!!!!(我欲100%)(言ったもん勝ち)

*1:妙に可笑しくて好きなシーンの1つです

*2:楽器に詳しくなさすぎて種類が何なのか判らなかった。弓を使ってなかったことだけは判る

*3:しかも着る。サイズは?

*4:ご本人のブログ曰く「タトゥーのつもり」

*5:というかマルコさんが規格外なんだと思う

*6:定時制豪徳寺も拾おうとはしてた

2018年上半期現場まとめ

 

2018年はわたしにとってとても素敵なものだったので、未来の自分にどんな1年だったのか教えてやりたいなあという、ただのメモです。

今年上半期の現場まとめ。

 

 

 

12/31〜1/1

STAGE FES2017→2018

 

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カウントダウンライブから始まった今年。『マドモ★アゼル』の「ボクが幸せにします♪」という歌詞に、ピンクのペンライトを振りながらわたし今幸せじゃん!ってハッとさせられたのが印象深いです。

 

画面にウリエの抜かれる率が高くて面白かった。そりゃあんな顔が画面に映ったら楽しくもなるよな。

 

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1部と2部の間、HUBに行ったらしいです。ファミレスと比べるとかなり空いてた。深夜の大宮を友達と2人で散々彷徨って、最終的に個室のネカフェでさっきまで観てたステフェスのニコ生のタイムシフトを視ながら寝た。

 

 

 

 

1/1

ミュージカル『黒執事-Tango on the Campania-

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原嶋のお誕生日だったので記念に行きました。開演前に皆で初詣に行っておみくじを引いたけど結果は忘れました。1年楽しかったから大吉だったと思う!

 

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会場近くの卵かけご飯屋さんの卵かけご飯が美味しかった。醤油がいっぱいありました。

 

スネークの友達(?)の蛇がそれぞれ違う声色に言い方で、スネークとは別人なのすごかった。良く考えたら今年原嶋を生で観たのこの1日だけだ。マジ?

アンサンブルの技量が高い舞台、見応えがあって好き。あきよしちゃんの神経質そうな役も良かった。

 

 

1/3,5,6,7,20,21,2/11,14,18

ミュージカル『テニスの王子様』 青学VS比嘉

 

珠玉の作品。演者も構成も演出も何もかもが良かったなあ。9代目はわたしにとって理想そのものの青学だったから卒業はめちゃくちゃ嫌だったけど、公演観たらこれでテニミュのできることは終わってしまうんだなあと納得した。「現役テニミュキャスト」として開花しきったように見えたので。この辺は勝手な想像です。

 

知念があまりにも本物で、理想で、ほんとに次元の垣根を越えて会いにきてくれたみたいだった。D2の感情の対比が大好きだったなあ。

サード比嘉、すべての行動に意味を持たせてくれて、有耶無耶にしない真摯さが好き。キャラクターの、彼らのどんな気持ちも無視しないところが好き。強い意志を7人で分け合って更に強固にしてる、その誠実さも好き。

サードは実存性に重きを置いていると思っているんですが、それが判りやすく見えた公演だなあと思う。今まで見たテニミュの本公演の中でいちばん完成されていたように思います。わたしはね。

 

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メルパルクにお越しの際は是非行って欲しい、小屋みたいな店構えのカレー屋さん。すごく美味しいのでしばらく他のインドカレーが物足りなく感じた。

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大阪公演のとき、わたしの隣に座っていた知らない女の子が比嘉の曲の始まりと終わりで息を呑んで、嬉しそうに拍手を送っていたのをきっと永遠に覚えています。

 

 

 

1/19

『D-room』 ミクロワールド・ファンタジアの回②

 

神の心遣いが行き届いていて、すごく素敵なイベントだった。聞くところによると2019年で一旦終了してしまうらしくて残念。ミクファンまた観たいな〜再演してくれないかな〜

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念願の日本初ゴンチャでした。遠征中ほぼ食べ物の写真を撮るか自撮りするかしかないのでこういうことになります。

 

 

3/15〜25

ミュージカル『Dance with Devils』〜fermata〜

 

めちゃくちゃ楽しくて気づいたら19と21昼以外行ってた。合間に皆でラブホ泊まったりお買い物行ったりしたのも楽しかったな〜

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エンドが2つに分かれてるのも飽きずに楽しめて良かった。そろそろあっちのエンド観たいなって思ったときにそのエンドが来る仕様、天才すぎる。

 

ミニライブで山﨑さんがウリエの告白セリフ持ち出してきたときは本当に自分の悲鳴で自分の鼓膜破いたかと思った。彼のウリエの妖しげな微笑と冷え切った瞳が象徴的で、強く印象に残っています。

千秋楽で「蝶々」じゃなくて「リツカ」って呼びかけてて、ゲームのルート内のエピソードだ!ってびっくりした。それを選んで表現してくれるの天才すぎる。

 

ジェキ様がマジで最高で、終演後みんなが口を揃えて「ジェキやばない?」って言ってたの好き。

 

 

4/21,22,23,29

ミュージカル「薄桜鬼 志譚 土方篇」

 

和田さんと土方のオタクはめちゃくちゃ楽しいんだろうなあと思った。脚本が極限まで薄められた美味しいジュースで、その薄さに慣れるまでが大変でした。

知らない人が知らないまま死んで行く……と思いながら観てた。回数観ると段々情が湧いてきて死んだときにちょっと悲しくなれました。

 

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薄ミュお弁当。魚が美味しかったです。明治座内のお店が修学旅行みたいで楽しかった。あと近くの餃子屋さんのご飯が美味しい!

 

沖田の不意に見せる人形みたいな、何もない硝子玉みたいな目を見る度にハッとして、また知らない人だ……と思いました。ほんとに見る役見る役ぜんぶ知らない人で、びっくりする。

沖田以外だと不知火と山南さんが好きでした。

 

 

5/4

山﨑晶吾Birthday Event

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ここで買ったトートバッグさっき洗濯したらサインの文字が軽く滲んでて思わずベランダでshogoーーーーッッッッッて叫んだ。

聞いた話を驚くほど覚えていないので、自分にとってレポは必要なんだな……と改めて思いました。

 

 

5/5,6,19,20

ミュージカル『テニスの王子様』Dream Live2018

 

祭だ!!大阪→横浜→神戸のスケジュールで正直勘弁してくれよと思いました。でも現場がないよりはマシ。

 

10代目に対して好意的な今でも、なんで悪い歴史を繰り返してしまったんだろうと疑問です。あの演出って誰が喜ぶんだ?

テニミュの卒業制度について、わたしは諦めてるだけで受け入れた覚えはないのですが……と思う。やっぱり理想は9代目なので。

全然どうでもいい弁明なんですけど、わたしが9代目に苦言を呈すとか叩くとかしたの、この公演の日替わりだけだっていうのは言っておきたいです。名前呼びはちょっとさあ…。

 

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これは美味しい焼肉屋さんの写真です。そこそこ安くて食べ放題だった。お肉の質が良かったので最後の方ほぼ焼かずに食べてた。

 

比嘉が出島メインだったり三強とそれ以外の立海メンバーで分けられてたりするテニミュの露骨な演出大好き!

知念のボイパ格好良かった〜!!ラップのレスポンスが徐々に生まれたのめちゃめちゃアツくて最高でしたね。

ラップ以外がなんだったのか知りたい気持ちもあるけど、そこを詳しく言及しない爽やかさも良いなあと思う。清々しさというか。

 

 

6/10

許斐剛パーフェクトLive

 

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正直最近の展開についていけなくて新テニは途中から読んでないし、言うて信仰心とかないな……と行くことすら迷ってたんですが、本当に行って良かった。

 

全ての源はここなんだと思うとただただ光で、驚くほどエネルギッシュで、愛に満ちた空間だった。「テニスの王子様」が好きなんだなあと再確認した1日でした。

終わったあとも1週間くらい思い出してはしばらく泣いてた。

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マチソワ間にコンビニで買ったら「この状況で鬼を殺すな」って怒られた。

 

 

 

1日1日が濃密だったので、比嘉公演がまだ1年前なことに逆にびっくりしてしまった。もう3年前くらいの話じゃない?

 

舞台、たくさんの人が関わる作品なので素敵な出会いがたくさんあって、そこも良いところですね。後半へ続きます。